カナダのオンタリオ州教職員年金基金が破綻した暗号資産(仮想通貨)の交換業者大手FTXに出資していたことが話題になっています。
同基金の運用資産が約25兆4500億円のうち、FTXに投資を行った約133億円分の評価額がゼロになったと報道されています。
全体に占める割合は、わずか0.05%のため年金基金の運用に大きな影響を与えるものではなさそうですが、投資家達のSNSを見ると、年金基金が未上場の仮想通貨取引所に出資するからだという声が多数みられます。
調べてみると、この年金基金は数十年に及ぶ非上場企業への投資実績を誇り、投資先の企業統治に強い関心を持つことで知られているそうです。
2021年10月に、FTXの2事業体に7500万ドルを投じ、 その3カ月後にはFTXの米事業に2000万ドルの追加投資を行っています。
広報担当者はブルームバーグの取材に対して「投資を行う前、当基金の投資チームは何年にもわたってデジタル資産分野を調査してきた」、「FTXのデューデリジェンスは、この投資に伴うリスクを評価できるよう、経験ある外部のアドバイザーと共に何カ月もかけて行ってきた」と回答しています。
FTX日本法人の買収に打診
FTXの破綻に伴い、海外関連会社もそのほとんどが破綻することになりました。
しかし、日本法人は資産の額が負債の額を上回る資産超過状態にあります。
【FTX Japnaの状況】
現預金:196億円
自己資本:約100億円
利用顧客:10万人超
その良好な財務内容から、国内市場に遅れて参入した後発の事業者などが投資銀行経由で買収の打診を行っている模様です。