仮想通貨業界の逆襲?表面化する抵抗勢力と流れに乗るブロックチェーンVC
雲行きが晴れない市場の裏で
仮想通貨市場は、第一四半期で時価総額をおよそ3分の1(8.3兆ドル〜2.6兆ドル)まで縮めました。G20後の「国際的規制の7月まで見送り」も、長期的な効果を市場には与えず、3/21以降緩やかな下り坂となりました。
そんな雲行きの怪しい市場の裏側で、仮想通貨を後押しする動きが表面化してきています。
例えば、インド中央銀行による仮想通貨取引禁止令に対するネット上での抗議署名運動が、3日間で1万7000人を超える賛同者を募り話題をよんでいます。こちらの抗議運動では、インドの為にも、他国とのブロックチェーン競争に置いて行かれないようにプライベートセクターによる自由な研究開発を推奨すべきだとしています。
韓国でも類似(規制に対する)の講義運動が1月に起き、直接的な関わりがあるかは定かではありませんが、韓国政府は規制を敷く一方で、仮想通貨取引に関しては寛容なスタンスをとる方針を示しています。
先月にはロシア、中国、韓国の仮想通貨関連協会がユーラシア・ブロックチェーン協会(UBA)を設立しました。UBAは今年仮想通貨関連広告の禁止を発表した大手IT企業4社(Google、Facebook、Twitter、Yandex)に対し、「意図的に市場を操作している」として5月アメリカで訴訟を起こす予定です。
その他に、英データ分析会社ケンブリッジ・アナリティカによるFacebookのデータ不正取得問題に対し、CNN、CNBC、Fortune、The New York Timesなどの米大手メディアがブロックチェーンによる「データの分散管理ソリューション」を取り上げました。
以上のように、近頃、仮想通貨及びブロックチェーンの普及を望む勢力による規制への抵抗と、ブロックチェーン技術のメインストリーム・メディアでの存在感が徐々に増してきている印象を受けます。
ベンチャーキャピタルを後ろ盾に発展を予感させるブロックチェーンベンチャー
仮想通貨というと、ICOによる資金調達が注目されていて、今年の第一四半期の調達額(59億ドル)は既に去年の総調達額(39億ドル)を超えています。しかし注目点はもう一つあります。それはずばりベンチャーキャピタルによるブロックチェーン関連企業への投資で、2012年は200万ドル程度だった年間投資額が、2017年には6億4600万ドルまで拡大しています。
そして今年の1月〜2月の間で、既に2億6700万ドルが投入されていて去年を超える予感をさせています。
さらに4/9には大きなニュースがありました。アメリカの著名な資産家一族のロックフェラー家が創設したITベンチャーキャピタルのVenrockが、ボストンのCoinFundと提携。ブロックチェーンベンチャーへの投資参入を発表しました。Venrockは30億ドル規模のベンチャーキャピタルの上に、ロックフェラーの名前がつくので、大きな注目を集めています。
去年より世界的に仮想通貨及びブロックチェーンが大きな話題となる中で、詐欺や犯罪利用の問題や、実社会でのオペレーションが遅れている実態があり、社会信用の構築とイノベーションの狭間で2018年は業界の発展が期待されます。現在は株式市場が政治経済的理由で不調という事もあり、仮想通貨及びブロックチェーン業界が機関投資家からのキャッシュフローの受け皿となっている可能性が指摘されます。
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ビットコインなどの仮想通貨をまとめたメディア『FinAlt』が提供
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