2018年に入り、仮想通貨の時価総額ランキングには大きな変動がありました。

8月時点では、ペッグ通貨であるTetherが時価総額3123億円となりランキングトップ10入りを果たしました。そして、個人向け送金プラットフォームであるStellarは時価総額4727億円まで持ち直し、カルダノやライトコインを抜き6位にランクインしています。(時価総額は8/28時点)

それでは、Stellarがランキング上位に入った要因について考察していきましょう。

Stellarの価格変動について

◇ステラ/円(XLM/JPY)1時間足チャート

 

Stellarは、Rippleを基に作成されたプラットフォームです。これらの発行枚数を比較してみましょう。

Rippleは使用される度に発行数が減少していくのに対して、Stellarは1兆XLMを基準として1年ごとに1%ずつ増加していくという、ほぼ真逆の承認アルゴリズムとなっています。

次にStellarの価値に着目してみましょう。2018年1月時点で1XLMあたり96円の価値がありましたが、coincheckのハッキング事件以降は落ち込んでいます。3月には一時的に18円まで下落したものの、5月にはビットコインの高騰もあってか48円を記録。7月には18日から29日まで35円以上で推移したのち、現在は24円前後で推移している状況です。

価格変動から考察してみると、通貨にとって好材料になり得るニュースがあっても、ビットコインの値動きに左右されていると言えます。しかし、7月17日に発表されたIBMとの提携は価格高騰につながりました。

つまりStellarは、ユーザーや投資家からの注目度が高い仮想通貨であり、今後も高騰が期待できる通貨と言えるでしょう。

仮想通貨市場とStellarの立ち位置

2018年の仮想通貨市場は、年初から仮想通貨に対する信頼を揺るがす事件が立て続けに起こりました。

ビットコインや仮想通貨市場全体にとってプラスのニュースがあっても、価値上昇は緩やかな場合が多く、高騰につながるニュースはほとんどない状況です。

つまり、2018年の仮想通貨市場は、ハッキング事件などで仮想通貨に対する不安や信頼性が揺らいだことから、投資家は信頼性のある仮想通貨を求めていると言えるでしょう。

ペッグ通貨であるTetherが時価総額ランキングのトップ10内に入ったことは、ユーザーや投資家が安定性のある仮想通貨を求めた結果の現れです。

また、IBMがStellarのブロックチェーンを利用し、新しいペッグ通貨であるストロングホールドUSDのテストを始めています。そのためStellarは安定性のあるブロックチェーン技術を持つ仮想通貨という立ち位置となり、投資家やユーザーからの人気が高まったことが価値高騰につながったと考えられます。

Stellarは仮想通貨の中でも送金・決済能力に優れており、IBMとの提携においては、法定通貨と互換性を持つペッグ通貨システムの大部分を担うことになるかもしれません。IBMは既にブロックチェーンサービスを世界中で展開しています。そして今回の提携によって、将来的にStellar独自のサービスが出てくる可能性が出てきました。

今後に期待しましょう。

参考:Stellar(XLM)価格情報 ルーメン/円(XLM/JPY)