SBIホールディングスは、金融・証券・ローン分野などに強みを持ち、SBIバーチャルカレンシーズを運営するなど仮想通貨に対しても非常に前向きな取り組みを行っている企業です。
また、Ripple社への出資とリップル（XRP）の保有を行った上で、Ripple社と共同でSBIRippleASIAを設立しています。SBIRippleASIAは、アジアにおけるリップルの送金プラットフォームの支援を行うものであり、SBIグループとしてリップルに非常に期待していることがうかがえます。
また、SBIホールディングスでは、仮想通貨取引所の設立などに加え、独自の仮想通貨であるSコインの発行を計画しています。
今回は、Sコインがどのようなものになるのかについて説明していきます。
Sコインについて
Sコインは、SBI ホールディングスが主体となって開発を行っている仮想通貨です。
その価格や発行枚数などの概要については、現在まで言及されておらず、流動性を持つのか資源などとペッグされたステーブルコインなのかも不明でした。
しかし、日本国内において、Orb、Glory と共同してSコインのブロックチェーンプラットフォームを10月から開始することを発表しました。この実験では、コンビニやレストランなどの協力も仰いだうえで、スマートフォンアプリを使用し支払いを行う予定です。
協力する企業のそれぞれの役割として、GloryはSコインを使用して支払いが行えるアプリの開発、OrbはSコインの基盤となるブロックチェーンプラットフォームの開発協力を担っています。そして、SBIがプロジェクトを統括し、Sコインを使用した新しいサービスのかたちを追求していくことになるでしょう。
今回、大々的にＳコインのプラットフォームがテストされることによって、Sコインの特性が見えてくることになるでしょう。くわえて、日本での支払いが可能であるということは、Ｓコインは日本円と等価交換が可能なステーブルコインである可能性が高いと言えるでしょう。
金融分野においては、流動性を持つ通貨であった場合、価値を維持できないリスクが大きいためです。逆に、円を担保とした通貨であれば、安定した価値を持つ仮想通貨となり、支払いにおける問題が発生しにくいというメリットが生まれます。
また、SBIとしては、リップルで国際送金、国内の決済手段としてSコインといった住み分けが可能となります。そのため、独自の仮想通貨取引所であるSBIバーチャルカレンシーズにおいても将来的にSコインの取り扱いを行う可能性が非常に高いでしょう。
SBIホールディングスのSコインは、同社の経営基盤を盤石にするだけでなく、国際社会の変化に対応するための手段の1つです。SBIは今後もSコインの運用だけでなく、リップルなども含めて仮想通貨に対して大きな影響を持ち続けるため、一般的な仮想通貨のタイプではありませんが、今後の動向も要注目と言えます。
