2016年12月にビットコインは10万円から15万円へと急激な値上がりを見せ、テレビなどのマスメディアでも報じられたことから一般人の間でも話題になりました。そして2017年4月以降のリップルやイーサリアムなどのアルトコインの急騰では、それまで仮想通貨に興味がなかった株式・FX投資家や投資未経験の人も、仮想通貨に興味を抱かせるほどの値動きを記録しました。
しかし、2018年に入るとハッキングなどのサイバー攻撃の激化や仮想通貨取引所を取り巻く問題が表面化し、仮想通貨の価格は停滞・下落傾向にあります。
では、激しい変動の中で投資家はどのような動きを行っていたのでしょうか。
今回は筆者の知人の投資家のお話をしたいと思います。
とある投資家の仮想通貨投資
2017年のビットコイン価格は、10万円が200万円を超えるなど目を見張るほどの高騰となりました。日本では人気芸人が取引所のCMに登場しゴールデンタイムに頻繁に流れるなど、業界の盛り上がりが見て取れました。
私が知る投資家のひとりは、17年8月に取引所へ口座開設を行い、仮想通貨への投資をスタートしました。その時点では少なくともビットコイン、リップル、ネムを購入し、頻繁な取引は行わずにその価格動向を見守ると言っていました。その当時のそれぞれの仮想通貨の価値は、ビットコインは30万円前後、リップルは30円、ネムも30円程度であり、ネム以外は低迷している今よりもかなり安い価格でした。
その後8月末から12月にかけて、アルトコインも含めたほぼ全ての通貨が高騰しました。11月にはビットコインキャッシュ(BCH)がたった3日で7万円が27万円にまで急騰。1週間後には10万円にまで下落するといった荒い値動きで、仮想通貨投資の怖さを体験したと言います。
◇ビットコインキャッシュ/円(BCH/JPY)日足チャート
また、仮想通貨の流動性のなさとbotと呼ばれる自動売買による価格操作によって、意図しない売買を繰り返してしまった経験もあり、既存の投資と異なるリスクがあるとも感じたそうです。
ビットコインが最高値を記録した12月時点では、「もっと高騰するのでは?」という期待感から売却を決断できず、大きな利益を逃してしまったことが2017年の投資における最大の失敗だと語っています。もっとも、彼の投資タイミングは比較的時期が早かったことから、現在でも購入した仮想通貨の含み益は十分にある状態だそうです。
しかし、ショッキングなことに、彼はZaif・BitFlyer・coincheckに口座を持っており、ハッキング被害をたった1年の投資期間で2回も受けてしまいました。coincheckのハッキング事件でのNEM流出とその補填による強制利益確定で、仮想通貨の投資リスクについて身を以て体感しました。特に強制利益確定に関しては、長期的に保有予定という投資計画が潰れてしまい、さらに確定申告の必要性も出てしまいました。
しかし、2018年に入り仮想通貨の価格は下落したものの、世界的にブロックチェーン技術の開発・採用が進んでいることから、彼の投資計画ではまだ継続保有で仮想通貨をウォレットで保管するというかたちを取っているそうです。
仮想通貨への投資は、ハッキングや法規制など既存の株式やFXなどにはないリスクを常に抱えていると言っても過言ではありません。
しかし、同時にこれまでにはそのリスクに見合ったリターンを投資家に与えてきました。
みなさんも今後の仮想通貨市場の未来を様々な角度から分析・予想しつつ、そのリスクを知ったうえで投資を行っていきましょう。
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