主要仮想通貨価格は、本日午前9時頃から軒並み下落を記録しました。時価総額第1位のビットコイン(BTC)は、8時50分からおよそ1時間半の間に5.7%下落し、一次的に6300ドル台を割り込みました(第1図)。
【第1図:BTC対ドルチャート(10分足)】
出所:Bloombergより作成
主要アルトコインはビットコイン以上の下落率を記録しており、前日比でイーサリアム(ETH)は-9.1%、リップル(XRP)は-9.6%となっています。
特に重要なイベントがなかったことからけさの下落の要因を特定するのは困難ですが、3つ程挙げられるとすれば、①主要株価指数の軒並み下落、②VIX(恐怖指数)の急上昇、③ボットによる取り引きのドミノ効果などが考えられます。
まず、日経平均株価、ダウ平均株価、ナスダック総合指数はそれぞれ前日比-4.13%、-3.1%、-4.08%となっており、心理的なダメージが仮想通貨市場にも波及したことが指摘されます。
また、仮想通貨市場と逆相関にあるとも言われているVIXが10月3日より上昇しており、仮想通貨の価格下落を予感させていたとも言えます(第2図)。
参考リンク(Investopedia):「Are Bitcoin Price And Equity Markets Returns Correlated?」
【第2図:VIX&BTC対ドルチャート】
出所:Bloombergより作成
また、今朝のような仮想通貨価格の急激な動きは、ボットを駆使した取引に市場参加者がつられドミノ効果を起こしていることに起因する場合もあります。
しかし、現段階ではエビデンスが乏しいため、明確な要因は断言できません。
注目なのは、高ボラティリティであるが故に既存金融市場より魅力的な投資先(ハイリスクハイリターン)と見られていた仮想通貨が、株価や米ドルと同様に下落していることです。
ビットコイン(BTC)に関しては、直近1カ月間のボラティリティの下落が、「魅力的な投資先」としての立ち位置を弱めていることが指摘されます。
アルトコインのボラティリティは依然高いままですが、市場シェアの50%以上を占めるBTCの値動きにつられていることが考えられます。
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ビットコインなどの仮想通貨をまとめたメディア『FinAlt』が提供
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