米インターコンチネンタル取引所(ICE)が運営する仮想通貨プラットフォーム、バックト(Bakkt)が、12月12日にも現物受け渡しのビットコイン先物取引を開始すると発表した。
仮想通貨市場の弱気相場を転換させるカタリストになると注目されている一方で、バックトの動向は過剰評価されているとの見方がある。
8日付CCNによると、法律事務所Kobre and Kim LLPで証券訴訟などを担当するJake Chervinsky弁護士は、新興の資産クラスの影響は未知数と強調する。11月の時点で、バックトが仮想通貨市場の次の上昇を担うと結論づけるのは時期尚早と述べた。
「弱気市場がいつどのように終わるかについて、多くの人々の心の中でバックトのローンチが本格的な物語になっている。それは仮想通貨領域に機関投資家の資金をもたらすビットコインETFと同様に信頼できる投資ビークルの役割を果たすが、全ての問題である米証券取引委員会(SEC)の承認はまだだ」
なぜバックトは重要か
既存のビットコイン先物市場とは異なり、バックトはビットコイン先物契約の購入者にBTCを現物提供する。そのため、バックトのビットコイン先物は、ビットコインの供給、そして価格に影響を与えると考えられる。
「ICEが仮想通貨業界に参入するのは大きな出来事だと感じる。金融業界で確立され、尊敬され、強力なプレーヤーだからだ。言い換えれば、多くの人々が次の上昇への鍵と考える機関投資家を含め、ICEを資金で信頼してる。また、注目すべきは、バックトはビットコインの現物を保管し送るということだ。これは、制度的な流入が供給を減らし、(おそらく)価格を引き上げることを意味する」
今後2ヶ月間にBTCの需要が増加し、機関投資家からの強い需要をバックトが認めた時は、バックト先物市場はBTCの実際の価格に重要な影響を及ぼす可能性がある。
大企業参入を積極的に促進するか
バックトの長期的な成長にはまだ多くの変数と条件が存在する。バックトのビットコイン先物市場は、同社の最初の製品であり、フェーズ1の開始にすぎない。
フェーズ2では、バックトの後援をしているスターバックスなどの企業がマーチャントの支払いを簡単に処理できるようにする消費者向けの支払いアプリケーションとなると、Jake Chervinsky弁護士は考えている。
しかし、バックトがマーチャントの採用を目標とする明確なビジョンを確立しているのかは不明瞭だ。スターバックスとマイクロソフトのような大企業の参入を積極的に拡大するのかどうかは分からないという。
「フェーズ2はミステリーだ。バックトは、それが何か、それがいつ来るかに言及していない。バックトを通じた「支出」に関するすべての話を考えると、私はそれがあるタイプの消費者グレードの支払いシステムだと推測する。おそらく、ビットコインでコーヒーを買うためにスターバックスで使う種類のものだろう。私たちは待つ必要がある」
フェーズ1の先物市場のリリースでは、資産クラスに対する潜在的な影響を適切に評価するために最初に完了しなければならない。
同社がフェーズ2を追求する計画を発表するまでは、バックトが業界に与える影響を判断するのは時期尚早だ。
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