
ビットコインマイニング大手として知られる「Hut 8」は約1300億円相当とされる豊富なビットコイン保有量を背景に次世代戦略としてAIデータセンター事業への進出を加速させています。
同社のCEOアッシャー・ジェヌー氏は対談で、ビットコインマイニング事業で培ったエネルギー管理のノウハウを活かし、テクノロジーとエネルギーの未来を見据えた戦略について語りました。
Hut 8は長年にわたりビットコインマイニング事業を積極的に展開し、現在10,273 BTC(日本円換算で約1300億円相当)を保有する、市場でも有数のビットコインホルダーです。ジェヌー氏はこの長期保有戦略が多くの株主から支持されていると述べつつも、企業成長のための投資資金を確保するためには、市場状況に応じてビットコインを売却する可能性も考慮する必要があるという現実的な見方も示しました。
ビットコイン価格の変動は貸借対照表に影響を与える一方、豊富な流動資産を持つことは大規模取引における信用力向上に繋がるというメリットもあると同氏は指摘しています。
ビットコインマイニングからAIデータセンターへ:エネルギーが繋ぐ2つの事業
Hut 8が次に注力するのはAIデータセンター事業です。ジェヌー氏によると、同社はビットコインマイニングで培ってきた高度なエネルギー管理能力とインフラ運営ノウハウを急成長するAI分野で活かそうとしています。
新たなAIデータセンターの拠点としてルイジアナ州を選定した理由の一つとして、同氏は同州の豊富なエネルギー資源を挙げています。ビットコインマイニングとAIデータセンターではデータセンターの負荷特性(負荷プロファイル)は異なりますが、どちらの事業においても安定した大容量の電力供給が成功の鍵を握る点は共通しているとジェヌー氏は説明します。
「エネルギーとテクノロジーの交差点」を目指す垂直統合戦略
ジェヌー氏は、Hut 8を単なるビットコインマイニング企業ではなく「電力とテクノロジーの交差点で次世代のエネルギーインフラプラットフォームを構築する」企業と位置付けていると語ります。このビジョンの実現を支えるのが、エネルギーインフラとデータセンターの両方を自社で所有・運営する「垂直統合戦略」です。
同氏によれば、これによりコスト効率を高め、市場の変動に柔軟に対応できる体制を構築しています。ジェヌー氏は、創業当初からエネルギー企業としての側面を重視し、エネルギー業界の専門家を積極的に採用してきた背景には、この戦略への強いコミットメントがあると強調しました。
記事ソース:Youtube
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