
ビットコイン(BTC)市場では投機的な過熱感が解消され、複数のオンチェーン指標が歴史的な均衡水準に戻りつつあることが、ブロックチェーン分析企業Glassnodeの最新レポートによって明らかになりました。この構造的なリセットは、市場が不安定な調整局面から安定化フェーズへと移行し、次の持続的な価格変動に向けた基盤を形成している可能性を示唆しています。
レポートによれば、MVRV比率(市場価値と実現価値の比較)、SOPR(実現損益率の一種)、セルサイドリスクレシオといった主要なオンチェーン指標が調整され、投資家の過度な熱狂が冷め、利益確定の動きがバランスを取り戻し、取得コスト付近での値固めが進んでいることが示されています。
現在の値固めは、重要なテクニカルレベルである111日移動平均線(約91,300ドル)や短期保有者(STH)の平均取得コスト(約93,200ドル)とも一致しています。現在、ビットコイン価格はこれらのレベルを上回って推移しており、過去の市場サイクルではこのような状況が強気相場への転換点となることがありました。ただしGlassnodeは、これらのレベルを維持することが極めて重要であり、再び下回るようなことがあれば短期保有者の間で含み損が広がるリスクがあると警告しています。
投資家の行動も市場の安定化を示唆しています。長期保有者(LTH)は、最近の市場の安値以降、保有量を254,000 BTC増加させており、その多くは95,000ドル以上の価格で取得されたものです。LTHは依然として売却活動を最小限に抑えており、強い確信を持っていることがうかがえます。
Glassnodeは、LTHが含み益350%(BTC価格で約99,900ドルに相当)に達すると、売却を検討するインセンティブが高まると推定しています。このため、ビットコインが現在取引されている95,000ドルから100,000ドルの価格帯は、重要な抵抗ゾーンとなります。この付近で購入した投資家が損益分岐点での売却を試みる可能性があり、一時的な売り圧力となるかもしれません。一方で、100,000ドルを超えると、その価格帯で取得されたコインは少なくなるため、抵抗は軽くなり、価格上昇がスムーズに進む可能性があると指摘されています。
総じて、ビットコイン市場は包括的な構造的リセットを経て、市場の均衡が改善された状態にあるとGlassnodeは結論付けています。
情報ソース:Glassnode
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