
ステーブルコインUSDTを発行するテザー社は、最新の準備金証明報告書(2025年3月31日時点)を公開しました。報告書によると、同社はUSDTの裏付けとなる準備金において米国財務省証券の保有を前期比で30億ドル以上増加させた一方、四半期利益は前年同期から大幅に減少しました。
報告書によれば、テザー社が保有する米国財務省短期証券(T-Bills)、金融機関との短期資金貸借取引であるリバースレポ契約、および米国債を投資対象とするマネー・マーケット・ファンド(MMF)の合計額は、2025年3月末時点で約1200億ドルに達しました。これは2024年末の約1167億ドルから30億ドル以上の増加となります。
準備資産が増加した一方で、テザー社の営業利益は前年同期比で大幅に減少しました。2025年第1四半期の営業利益は10億ドルとなり、2024年同期の45.2億ドルから大きく落ち込みました。
今年の利益減少は、米国債利回りが比較的安定していたことや、暗号資産、特にビットコインの価格が下落し、評価益を得にくい市場環境であったことが要因と考えられます。ただし、保有する金の価値は53億ドルから67億ドルへと増加し、暗号資産市場の変動による影響を一部相殺しました。
財務状況を見ると、3月末時点での総資産は1493億ドル、総負債は1437億ドルで、差引56億ドルの超過準備金を保有しています。これは2024年末の71億ドルから減少していますが、第1四半期中に株主へ23億ドルの配当支払いが行われたためと見られます。
準備金とは別に、テザー社はTether Investments部門を通じて再生可能エネルギー、AI、P2Pインフラなどの分野への長期投資(現在20億ドル超)も継続しています。また、同社はエルサルバドルに正式に移転後、同国の規制監督下で運営する最初の四半期を終え、デジタル資産法に基づくライセンスを保有しています。
情報ソース:テザー
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