2018年初めの高騰からは、随分と落ち着いた印象のある仮想通貨市場。当時、時価総額ランキング上位だった通貨が軒並み価格を下げる一方で、この1年ほどで価格をあげた通貨も意外と多く存在しています。結果として2018年10月現在では、マーケットにおける主要な通貨が大きく入れ替わることになりました。
今回取り上げる通貨も、最近になって主要な通貨として扱われることが増えてきた通貨。VeChainという仮想通貨をご存知でしょうか?この記事ではVeChainの採用するコンセンサスアルゴリズムについて紹介します。
VeChain(ヴィチェーン/VET)の概要
コインの名称/VeChain
ティッカー/VET
総発行量/867億枚
時価総額/約650億円
現在の総発行量/555億枚
※時価総額と総発行量については、2018年10月30日時点。
公式サイト:https://www.vechain.com/
コンセンサスアルゴリズムとは?
ほとんどの仮想通貨プロジェクトでは、非中央集権という性質上、取引などで発生する台帳の整理を有志の協力に頼っています。彼ら有志は自身の持つコンピューターの余剰能力を使って台帳の整理に協力。報酬としてその通貨を受け取ります。これが仮想通貨におけるマイニングの仕組み。プロジェクトと有志の双方にメリットがあるこの仕組みによってブロックチェーンが支えられています。
しかし、報酬として通貨がもらえるとなると、協力したいと考える人は後を絶たないもの。プロジェクト側も手を挙げた人すべてに協力をお願いするわけにもいきません。そこで登場するのがコンセンサスアルゴリズムの考え方です。プロジェクトは有志を選別するために独自のルールを設けます。このルールに基づいて有志は選別され、選考を通過できた有志のみがマイニングに参加できるのです。
このルールこそがコンセンサスアルゴリズムそのもの。通貨によって採用されているコンセンサスアルゴリズムはさまざまで、主なものには以下があります。
- 所有コンピューターの仕事量によって有志を選別するProof of Work(PoW)
- 通貨の保有量によって有志を選別するProof of Stake(PoS)
- プロジェクトにとってのユーザーの重要度で有志を選別するProof of Importance(PoI)
非中央集権の仮想通貨プロジェクトには例外なく、なにかしらのコンセンサスアルゴリズムが採用されています。次の項ではVeChainに採用されているコンセンサスアルゴリズムについて見ていきましょう。
VeChain(ヴィチェーン/VET)のコンセンサスアルゴリズムは?
VeChainにはProof of Authority(PoA)という珍しいマイニングアルゴリズムが採用されています。PoAとはいったいどのようなマイニングアルゴリズムなのでしょうか?特徴やそのメリット・デメリットについて掘り下げます。
Proof of Authority(PoA)はどんなコンセンサスアルゴリズム?
PoAは、オーソリティマスターノードと呼ばれる代表者に、すべてのマイニングの権利を与えるコンセンサスアルゴリズムです。オーソリティマスターノードは、プロジェクト側の厳格な基準によって複数選ばれます。独断ではなく、彼らの投票によってマイニングがおこなわれるため、報酬が不当に独占される心配はありません。
VeChainのPoAにおいてもオーソリティマスターノードの選出基準はとても厳格。個人情報の開示や、2,500万以上のVETの保有、自身の専門分野でVeChainプロジェクトに寄与できることの証明などが求められます。
非常に厳しい条件をクリアした人のみが選ばれるオーソリティマスターノードですから、不正がおこなわれることはまずありませんが、万が一不正などによって健全にマイニングがおこなわれなかった場合は、プロジェクト側から資格を剥奪される可能性も。
オーソリティマスターノードには常に補欠のリストが用意されているので、空席ができた場合にはここから新しいオーソリティマスターノードが選ばれることになります。
従来のマイニングの仕組みと比較すると、PoAは計算競争が起こらないため、トランザクション処理にかかる時間が短く済みます。しかしその一方で、一部の人間にマイニングの権限が集中するという、やや中央集権的な仕組みという見方も存在しています。
上でも紹介したように、コンセンサスアルゴリズムにはさまざまなものがあります。完璧だと言われているものは今のところなく、それぞれが一長一短。独占の可能性がある、流動性が下がる、などそれぞれにデメリットを抱えているのが現状です。
そのような状況にあって、VeChainがPoAを採用していることには、時間や手数料の面で安定的な運営を重視していると見ることもできるでしょう。VeChainの技術はさまざまな分野に応用が可能です。安定こそが再優先事項になるという未来を見据えてのコンセンサスアルゴリズムの選択なのかもしれません。
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