Hyperledgerに加盟するインドの大手IT企業ウィプロは、電話番号の通信事業者乗り換え、いわゆるナンバーポータビリティ(NP)の手続きにブロックチェーン技術を導入する取り組みについてHyperledger公式ブログで概要を発表した。
NPのリスク低減と透明化
NPする際には競合の通信事業者間で個人情報のやり取りが行われるため、ある程度のリスクが発生する。
今回の取り組みでは、競合の通信事業者同士が協力し運用効率の向上、コストの削減、顧客体験の向上を目指す。
ブロックチェーン上に各社のデータをリアルタイムに反映させ、コンソーシアムに加入する事業者が適切なデータにアクセスできるポータルを構築し、オペレーションの透明化を図る。
煩雑な手続きをブロックチェーンで解消
既存のNPのオペレーションは、異なる通信事業者をまたいだ作業になるため煩雑なものとなっており、課題が多い。
例えば、NPの手続きを終えてから、転出先の事業者の回線を利用して実際に通話できるまでの時間が長い問題がある。この待ち時間に通信事業者は事務手続きや、転出先の通信環境でのテストを行っている。
また、プリペイド型の契約をしている場合、NP時に契約期間が残っている場合でも、払い戻しができない。この原因は通信事業者が金銭価値の移転や取引の機能を持っていないためだ。
ブロックチェーンを導入することで、事務処理は自動で完結し、NP前のプリペイド残高を移行したり、移行する月に利用したぶんだけ料金を請求することも可能になる。
なお、オペレーションが透明化することで、NPを監視する規制当局の工数も削減できる。
信頼関係のない当事者同士で仲介なしで価値と情報の交換
NPには通信事業者同士で個人情報の受け渡しが発生するため、これまでは仲介業者を挟んで価値や情報の移行・交換がされてきた。
NPで発生するプロセスのうち、以下の5点を刷新することで、ウィプロの開発するプラットフォームで信頼関係のない当事者同士でも仲介なしで情報の交換が可能になる。
- 移植プロセスの簡素化–
固有の移植コード(UPC)生成の遅延、移植の適格性チェック、および仲介者に関連するその他のさまざまな理由により、現在の移植プロセスは低速です。分散データベース機能を備えたHyperledger Fabricは、仲介者を削除し、プロセスを簡素化し、当事者間の情報交換を可能にします。- ユーザーデータの安全な交換 –
Hyperledger Fabricは、ブロックチェーンネットワークの関係者間で不変で安全な情報交換を提供する、企業が許可したプラットフォームです。- ブロックチェーンネットワークを介したコスト共有または金融取引–
プリペイドユーザーは、移植中に未使用の残高を失います。ブロックチェーンは、安全で許可されたネットワークを介したCSP間での金銭的価値の移転を促進できます。- 運用コストとルーティングコストの削減–
分散型台帳テクノロジーであるHyperledger Fabricにより、仲介者を排除できます。コストに直接影響します。分散セットアップでは、各CSPが独自の分散データベースにルーティング番号を持っているため、ルーティング関連のコストを節約できます。- CSP、規制当局、ユーザーに対するリアルタイムで完全な透明性 –
ブロックチェーンネットワークのさまざまな関係者間のすべてのプロセスをリアルタイムで監視できます。すべてのレコード、ステータス、およびログは不変の台帳に登録され、完全に監査可能になります。規制当局は完全な可視性を持つだけでなく、規制規則を厳密に施行する権限も持ちます。
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