野村総合研究所(NRI)は、ブロックチェーン技術を活用した日本初の「デジタルアセット債」と「デジタル債」を発行したことを発表しました。
今回の社債の発行は、2019年に野村ホールディングスとNRIが設立したブロックチェーン技術を活用した有価証券などの権利を交換する基盤の開発・提供を行う合弁会社BOOSTRY、野村証券、野村信託銀行、NRIの4社が取り組んだものです。
社債権者の継続的な把握可能に
ブロックチェーン基盤を活用した社債原簿の管理と、従来型の社債では困難だった発行者による社債権者の継続的な把握を可能にした点が特徴とされています。
第1回無担保社債(デジアルアセット債)は社債発行手続きの一部を電子化するために開発されたアプリを利用した自己募集形態を採用し、利息の支払いに代わりデジタルアセットを投資家に付与すると言います。
また、社債原簿と利息(デジタルアセット)については、ブロックチェーン技術を活用して管理し、事務負担の簡素化を図るとしています。
第2回無担保社債(デジタル債)は証券引受形態を採用し、利息を金銭のみとしています。
オンライン販売で小口・個人投資家を重視
NRIを含む4社は、本社債の発行により小口かつ個人向け社債のオンライン販売を実現しデジタルアセットの付与を行うことで、将来的により多様なリターンを付与できる社債の発行を目指すとのことです。
また、社債権者を継続的に把握することで長期保有のインセンティブ付けなど、今後の発展的な活用の可能性を追究するとしています。
野村資本市場研究所は30日、ブロックチェーン技術の活用に向けた研究会を設立したことを発表しています。
金融・資本市場でのブロックチェーン活用に焦点を当てたものと見られます。
野村証券や野村総研といった野村グループの企業の他にも、三井物産や三井不動産、NTT、富士通、JCB、第一生命保険や東京海上日動火災保険など各業界の大手企業が参加しています。
野村総研が日本初のデジタル社債を発行しました。
小口・個人投資家向けにオンライン販売という募集形態を採用したことで社債権者の裾野が広がり、若い世代の取り込みにつながることも期待できます。
今回の取り組みの成果次第では、他業種の大手企業もこれに続いて社債のデジタル化の動きが拡大することも考えられます。
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