米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは10日、2022年第1四半期決算を発表した。
第1四半期の売上高はアナリスト予想の14.8億ドルに対して、前年同期比27%減の11.7億ドルで着地した。四半期の取引高は3090億ドルで2021年第4四半期の5470億ドルから減少、月間取引ユーザー数も第4四半期の1140万人から920万人に大幅に減少した。また、プラットフォーム上の資産は第4四半期の2780億ドルから2560億ドルに減少、第1四半期は4億3000万ドルの純損失を計上した。
第1四半期の総取引高の内の740億ドルが個人投資家、2350億ドルが機関投資家の取引となったようだ。2021年第4四半期と比較すると個人投資家の取引高が1770億ドル、機関投資家の取引高3710億ドルから大幅に減少した。ただ、前年同期比では、個人投資家の取引高が1200億ドルから大幅に減少している一方で、機関投資家の取引高は2150億ドルから増加している。
また、2022年第1四半期では、2021年第4四半期と比較するとビットコインやイーサリアムの取引高が増加し、その他の暗号資産の取引高が減少した。ビットコインの取引量は、総取引量の約24%で第4四半期の16%から増加、イーサリアムの取引量も総取引量の約21%で、第4四半期の16%から増加した。その他のアルトコインの取引量の合計が、総取引量の約55%で、第3四半期の59%、第4四半期の68%から減少した。前年同期比では、ビットコインは39%から24%に減少、イーサリアムは21%で変わらず、その他のアルトコインは40%から55%に増加した。
2021年後半に始まった暗号資産価格の低下とボラティリティの低下が継続、市場環境の悪化が業績に直接影響を及ぼしたという。ロシアのウクライナ侵攻による地政学的な不安定さ、金利上昇やインフレ、などの要因も指摘している。
一方で、このような市況は永続的なものではないと考えており、引き続き長期的な視点に立ち、現在の事業への投資を継続するようだ。実際に営業費用全体は17億2,000万ドル、一般管理費は4.1億ドルで前四半期に比べ39%増加した。顧客サポート、法務、コンプライアンス、ビジネスサポート機能の強化と規模拡大のための投資を行っているという。これらは、同社が依然として成長段階にあるような支出を行っていることを示唆している。また、コインベースNFTのベータ版立ち上げ、コインベースウォレットの普及拡大、ステーキングサービスの拡大など、今年に入ってから順調に進展している。今後も暗号資産市場をけん引している同社の動きに注目が集まりそうだ。
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