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ICOをめぐる現状

筆者: 児山 将

新しい資金調達として注目を集めるICO(Initial Coin Offering)。

すでにベンチャーキャピタルによる資金調達の額を遥かに上回っているようです。

仮想通貨・ブロックチェーンフォーラム2018のスライド

suicide.venturesによると、2018年はICOで既に56億ドルもの資金調達が行われたました。

しかし、今年に入ってからのICOは元本割れが続き、とても悲惨な状況です。

2018年4-6月に行われたICOの※成功案件は109件と、1-3月の390件と比べると大きく低下しています。
※ソフトキャップに達すること

日本で話題のSPINDLEはともかく、有望と言われていたHEORは600円から9円にまで暴落。100倍銘柄と言われていたセントラリティですら今では元本割れとなっています。

宝くじのICOクオンタは3倍ほどの価格が付いたようですが、上場に1年も費やしてしまい、その間にビットコインは5倍以上になったという皮肉な結果になりました。

今回は、2018年のICOの現状を見ていきたいと思います。

調達額は2017年を突破

『仮想通貨・ブロックチェーンフォーラム2018』でのビットポイントジャパンの資料によると、ICOの規模は急成長し続けており、既に2017年に調達された6000億円を越す規模となっています。

エリア別では、アメリカが一番多く、次いでヨーロッパ、アジアとなっています。

2018年にはテレグラムのICOでプレセールだけで約2000億円の資金調達を行い、クラウドセールを中止したとして関係者を驚かせました。ちなみに、プレセールの最低出資額は1000万ドルだったというのですから衝撃です。

・ICOの調達額ランキング

ICOも仮想通貨同様に、注目が集まるのは価格上昇、資金調達の規模となってしまします。

しかし、ビットポイントジャパンの小田社長は、「ICOの価値は時価総額ではなく社会的価値を評価されるべき。」と説明。

今後のICOは100億円を超えるような大規模なモノではなく、小さい規模が主流に。資金用途なども精査されながら、着実に育てていくことが評価につながると話しました。

たしかに、これまでのICOは事業やプロジェクトが発足前で、かたちのないものも多くあり、それゆえに詐欺や持ち逃げ事件も多く発生していました。G20でもその点が懸念事項とされていることから、近いうちにICO評価機関も設立される可能性があるでしょう。

 

少なくともイーサリアムやEOSはICOにより大きく成長し、世界を変えてきています。

今後の革新的な将来と意義のある投資の為に、ICOの発行体、投資家、当局及び関係業者が相互に監視し、未来のあるICOが多数産まれることができると良いですね。

児山 将

児山 将

みんかぶ暗号資産(みんなの仮想通貨)プロデューサー 大学4年時にFXを始め、卒業後は飲食店の店長として勤務するも、相場に関りたくみんかぶに転職。記事執筆とサイトディレクションを担当。2015年より暗号資産(仮想通貨)に将来性を感じ、当時1円だったXRPに注目。暗号資産(仮想通貨)以外にも株式、FX、商品CFDなど多岐に渡る金融商品のコンテンツを作成。個人投資家との交流に注力しています

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