5月27日の午前4時ごろから仮想通貨全体が上昇。

ビットコインは大幅に買われ、先日の高値であった92万円台を突破し、年初来高値を更新。一時97万円をつけるほどの大幅な上昇を記録しています。

この上昇で、2018年7月22日に付けた94万円台の戻り高値を突破しました。

◇ビットコイン(BTC/JPY)週足チャート

 

半減期が約1カ月後に迫ったライトコインも、年初来高値を更新しています。

主要アルトコインのなかでは、TRONの創立者であるジャスティン・サン氏が6月に大きな発表があるとツイートし、TRXが約12%の上昇となっています。

ビットコイン上昇の背景はショートカバーか

この上昇の背景に関して、FXcoinのシニアストラテジストである松田康生氏は、90万円を背にしたショートカバーが原因ではないかと分析。世界最大のレバレッジ取引所であるビットメックス(BitMEX)では、ビットコインが急騰した午前4時から5時にかけて約1万5000枚の売りポジションが強制ロスカットされていることが分かっています。

◇ビットメックスのBTCロスカット情報

出所:bullbearanalyzer

マイナーからの売り圧力の低下

また、相場の変動率が上昇していることから、アービトラージ需要が急増。ビットコインのトランザクション手数料は過去1年で最高水準にまで上昇しています。

ビットコインは約10分で12.5BTCがマイニングされるため、1日あたり1800BTCが流通する計算になります。しかし、価格が上昇していることから、価格差を狙い売却を行うマイナーが大幅に減少。

ここ数週間のBTC平均価格である85万円で計算すると、1日あたり15億3000万程度の売り圧力があります。しかし、これらの多くが市場で売却がされていない可能性が高く、需給が大幅に改善され価格の押上げ要因となっていることも考えられます。

識者の意見

2018年秋の仮想通貨の下落相場をほぼ的中させたビットメックスのアーサー・ヘイズCEOは、中国の人民元安が進行するにつれてビットコインの壮大な強気相場が再び始まる可能性があると指摘。

中国では現在仮想通貨取引所の運営が禁止されていますが、Wechatなどのコミュニケーションアプリでの相対取引は可能となっています。

 

先日、ひろぴー氏のコラム欄で2017年のペースでビットコインが上昇すると5月末に120万円まで上昇する可能性があると書かれていました。

参考:2017年を彷彿とさせるビットコインの急騰、2年前の値動きと一致する

ビットコインETFの承認が延期となったことでその可能性は低くなったように思えましたが、節目である95万円を突破してきたことから、にわかに現実味を帯びてきました。

国内で最大のビットコイン取引高を誇るLiquidのレバレッジ取引所とbitFlyerFXでは既に100万円に到達しており、現物の乖離率は4%程度となっています。bakktのビットコイン先物のニュースが出た際には乖離率は5%を超えるまで上昇したため、まだ乖離する余地はあり、今後も先物主導の相場展開となることが予想されます。