ビットコインが100万円、1万ドルと節目を突破していくなか、メジャーなアルトコインの一つである、イーサリアムの価格も順調に上昇している。
しかし、26日にイーサリアムも重要なネックラインに到達した後、ビットコインの急落に引っ張られるように値を下げた。
今回はイーサリアムの価格がこれから上昇を続けていくのか、テクニカル分析と仮想通貨の資金の流れという観点から考えてみたいと思う。
イーサリアム(ETH)テクニカル分析
以下がイーサリアムの対ドル(ETH/USD)の週足チャートになる。
出所:Trading view
現在、かなり重要なネックラインで上ヒゲを残し、弾かれてしまっているのが分かるだろう。
4万ドル前後は2017年から2018年の相場でもかなり意識されており、2018年8月に下抜けてしまってからは一度も戻ってくることのなかった価格帯である。
それほど意識されている節目のため、そこを一度で上抜けることはできないと多くのトレーダーも考えていただろう。今後は足元を固めるように、じわじわと下値を切り上げるように上昇し上抜けトライとなって欲しい。
時間軸を1時間足に落として見てみよう。
◇イーサリアム(ETH/USD)1時間足チャート
出所:Trading view
6月10日から続くチャネルラインに沿って上昇を続けていたが、ビットコインが急上昇するのに連られてチャネルを上にブレイクした。しかし、週足のネックラインで抑えられてしまい、現在はチャネル内に回帰している。
ビットコインの上昇が再度始まるような状態になるまでは新規の買いは控えておきたい。
仮想通貨の資金の流れを考察
まず仮想通貨の時価総額のうち、ビットコインが占める割合を示すドミナンスチャートを見ていただきたい。
出所:CoinMarketCap
このチャートから、2018年2月頃は30%台だったBTCのドミナンスが、現在は2倍近くとなる60%台となり、仮想通貨へ流入する資金の多くがビットコインに集まっていることが分かる。過去のビットコインの上昇と比較して、リップルやライトコインなどの主要アルトコインの上昇が緩慢になっており、ビットコイン一強と言える。
だが過去の傾向として、ビットコインの上昇が一服した後に、多くのアルトコインが上昇に転じるターンとなることが多い。そのため、そのタイミングを狙ってビットコインからアルトコインへの循環物色の波に乗るという売買戦略が考えられる。時価総額2位のイーサリアムに資金が集まりやすいことは言うまでもないだろう。
去年のビットコインが130〜150万円のレートだったころ、イーサリアムは10万円程だった。ICOプロジェクト側による売りに押されて沈んだイーサリアムも、現在は需給が好転しており、3月1日にはハードフォークを伴う大型アップデート「コンスタンティノープル」及び「サンクトペテルブルク」が適用。6月13日にはPosへの移行が決まる次期アップデートである「Ethereum2.0」の実施予定日が2020年1月3日に決まり、上昇を後押した。なお、10月には大阪で公式カンファレンスの開催が決まっている。
参考: イーサリアムの公式カンファレンス「Devcon」が10月に大阪で開催決定
こういった材料が揃っているため、もし4万ドルを上抜けることができれば、10万円まで到達する可能性も高いだろう。
ビットコインの上昇率に対して、イーサリアムの伸び率があまり良くないが、27日の下落率はビットコインよりも弱い。2018年の価格レベルを見比べながら、そのスプレッドを狙うような戦略も面白いのではないかと考える。
いずれにせよ、ボラティリティが激しいためリスク管理を最重要にし、リスクを限定したトレードを心掛けたい。
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※本記事の意見や予測は、筆者の個人的な見解であり、金融商品の売買を推奨を行うものではありません。
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