今回は、8月に最大手取引所バイナンスに、トークンが上場したCocos-BCXのマーケティングやココスちゃんの運用を担当されている、阿部心愛さんにインタビューを行いました。
バイナンス上場の裏話や、Cocos-BCXが今後目指していくことなど、仮想通貨・ブロックチェーンゲームに興味がある方には必見の内容となっております。
―コイン東京
本日は宜しくお願いいたします。
それでは、まず最初に阿部さんの自己紹介をお願いできますでしょうか。
―阿部さん
Cocos-BCXジャパンの阿部と申します。私がブロックチェーン業界に入ったのは去年の6月です。Cocos-BCXでは広報やマーケティング、翻訳の修正などの業務を行っています。ココスちゃんの運用も私の大事な業務の一つですね。
ブロックチェーンは勿論のことIT業界自体も今回が初めての経験だったので、最初は右も左もわからないような状態でした。Cocos-BCXジャパンの広報としてお仕事をするうえで、最初はブロックチェーンや仮想通貨について色々と調べていたのですが、何もかもがちんぷんかんぷんで、代表の藤田さんに「もっと頭を柔軟にして」とよく言われていました笑
それから、様々な人からアドバイスを貰いつつブロックチェーン技術について理解を深めていったのですが、その中でこの業界が持つ未来の可能性を強く感じました。
この業界に入る前は、中国と韓国を行き来するような生活をしていた、所謂帰国子女で、大体7~8年前に日本に戻ってきました。中国と韓国と日本、それぞれの国で暮らしてきたので言葉を話せるのは勿論のこと、文化や風習の違いを身に染みて感じており、国際的な付き合いの多いこの業界において、この経験は役に立っているのではないかと思います。
―コイン東京
ココスちゃんの中の人でもあるということですね。後ほどココスちゃんについても詳しく伺いたいと思います笑
それでは改めまして、Cocosトークンのバイナンス上場誠におめでとうございます。仮想通貨ユーザーやプロジェクトにとってバイナンスへの上場は非常に大きな意味を持つと思うのですが、Cocos-BCXにとってバイナンスへの上場はどういった意味を持つのでしょうか。
―阿部さん
まず、トークンが取引所へ上場したことによって、一般の投資家さんもCocos-BCXに関与できるようになったということが一つ、後は仰って頂いたようにバイナンスという世界的に見ても非常に有名な取引所へと上場したことで、良い意味で様々な方から注目を集めているということが挙げられます。
また、様々な投資家さんが参入してきたことで流動性が高まり、より透明性の高いブロックチェーンになってきているのではないかと感じています。
―コイン東京
バイナンスは仮想通貨の知識がある人であれば誰しもが知っている取引所ですからね。我々のような一般仮想通貨ユーザーだと、トークンの取引所への上場は結果としてしか知ることができないので気になるところなのですが、今回の上場はどういった経緯で決定したのでしょうか。
―阿部さん
Cocos-BCXの上場は大体1年半ぐらいかかったのですが、今回の流れとしてはまず、去年に2回のプライベートセールを行い、約4000万円の資金調達を行いました。
1回目のプライベートセールは2018年の3~4月、2回目は6~8月に行われ、バイナンスからも2回ほど上場のお誘いを頂いていたのですが、2018年は仮想通貨全体の地合いが悪く、市場の様子を見る為上場は見送っていました。2019年に入り市場が改めて盛り上がってきたので、このタイミングでの上場を決めたという流れですね。
―コイン東京
既に去年からバイナンスの方から上場の話は頂いていたというわけなのですね。
―阿部さん
そうですね、Cocos-BCXは元々バイナンスラボからの出資を受けていたので、結構早い段階から上場のお誘いは頂いていました。
―コイン東京
Cocos-BCXに出資をしたという部分も含めて、バイナンスはどういった基準で上場を決めたのでしょうか。
―阿部さん
バイナンスから出資や上場の判断を受けた一番の理由は、Cocos-BCXが元々Cocosエンジンというゲームエンジンから派生している為、開発力や実績に信頼性があったという部分だと思います。
Cocos-BCXは立ち上がって間もないプロジェクトですが、Cocosエンジン自体はゲーム業界の中で非常に歴史が長く、かつ実績も多いツールの為、昨今世界的に注目を集めているブロックチェーンゲーム業界に寄与するという点も含めて評価されたのではないかと思います。
少し話は変わりますが、バイナンスは他の取引所と違い、トークンの取引スタート時の価格決定にプロジェクトやバイナンスの関係者が一切関わらないという特徴もあります。上場プロジェクトを選ぶのはバイナンスですが、トークンの価格自体は公平性の高い、フラットな状態で取引が開始されます。
―コイン東京
上場価格はそういった仕組みで決まるのですね。トークンがどういった流れで上場するのかといったお話は中々お伺いすることができないので新鮮です。
今回、Cocosトークンが上場するにあたって、IEO等は行いませんでした。2019年に入りバイナンスを始め様々な取引所が実施しており、非常に注目を集めているIEOですが、行わなかった意図などはございますか。
―阿部さん
ICOがプロジェクトの資金調達方法の主流だった頃、ICOには大きな夢があり、投資家さんはプロジェクトの未来やトークンの値上がりを見据えて投資を行っていました。
その頃はビットコインや他の仮想通貨も非常に勢いがあり、誰もが仮想通貨に投資すれば儲かると考えていた時期でもありました。ですが、当時はICOを通した詐欺被害が多かったことも事実です。2019年に入りICOに変わる資金調達方法として、取引所がプロジェクトの審査を行うIEOが誕生したことで一定の信頼性は担保されるようになりましたが、ブロックチェーンプロジェクトの資金調達に対してのマイナスイメージはまだ払しょくされているとは言い難いです。
そういった事情もある為、Cocos-BCXはバイナンスラボからの出資や大手プロジェクトとの提携、開発が日々しっかりと進んでおり、皆様に信用に足るプロジェクトであるということをアピールすべく、IEOを通さずトークンを上場させることに決定しました。
―コイン東京
プロジェクトの信頼性と透明性をアピールするという思惑があったのですね。少し気が早い話かもしれないのですが、現状バイナンス以外で上場を予定している取引所はあるのでしょうか。
―阿部さん
現状は、元々出資を受けているOKEXさんやHuobiさんへの上場を検討・交渉をしている段階です。今後はゲーム大国でありCocos-BCXとの親和性が高い日本へ向けても上場できるよう動いていきたいと考えています。
またバイナンス以外の取引所でcocosトークンが上場したという発表を行っている所が見受けられるのですが、公式に上場を発表している取引所は現在バイナンスのみになっておりますので、投資を行う際には注意して頂くようお願いいたします。
―コイン東京
日本市場への上場へ向けて、既に何か活動はされているのでしょうか。
―阿部さん
日本への上場はまだ法律面での問題が多いため、現状は準備段階といったところですね。
何か新しい動きがあれば、ココスちゃんの方からご報告させて頂きますので是非注目しておいてください。
―コイン東京
ありがとうございます。
それではトークンの上場でまた一つ波に乗ったCocos-BCXの直近の取り組みについてお伺いしたいのですが、先日掲載させて頂いた、ゲームオアシスハッカソン、ビルダーアンドエンジェルプログラム、バウンティの3つを含めて、現在注力している取り組みはどういったものなのでしょうか。
―阿部さん
今挙げて頂いたもの以外ですと、9月16日に予定しているブロックチェーンゲーム分野を中心とした招待制のイベントですね。Cocos-BCXの日本事務局がこういったイベントに登壇するのは初めてになりますので、非常に楽しみにしております。
他にはブロックチェーンプロジェクトの要である開発についても注力しております。現状は独自ウォレットの使用や、データを確認することが可能で、開発者向けにはJava等の言語に対応するSDKを公開しています。また、開発状況によって前後する可能性はありますが、10月前後にはメインネットが公開される予定となっています。
少し技術的な話になるのですが、Cocos-BCXが持つNHAS-1808という独自トークン規格についても、アトミック操作によって異なるゲーム間での取引が可能になるなど、ユースケースが生まれつつあり、Cocos-BCXが目指す、ゲーム自体のライフタイムを長くし、プレイヤーもゲームを通して真の意味での価値を受け取ることができるような「新しい形の経済圏を持つゲーム」の創生に向けて開発が進められている状況です。
―コイン東京
Cocos-BCXのテストネットが公開された際、幾つかのゲームが公開されていたかと思うのですが、現在他にリリースを予定しているゲームなどはございますでしょうか。
―阿部さん
Cocos-BCXが開発を行っているゲームは現状ないのですが、ビルダーアンドエンジェルズプログラムに参加したコミュニティや有志の方々は既に幾つかゲームを開発しており、進捗をYoutubeなどで公開しています。
―コイン東京
既に個人・コミュニティ単位では開発が始まっているのですね。
続いて、先日情報が公開された「GAME OASIS HACKATHON」についてお伺いしたいのですが、このイベントはどういった試みなのか、改めて詳しく教えて頂けますでしょうか。
―阿部さん
GAME OASIS HACKATHONは上海、ソウル、インド、アメリカの4か所で開催される開発者向けのハッカソンです。開催の理由としては、ブロックチェーンゲーム業界を更に盛り上げていきたいという点は勿論のこと、ゲーム性が低いという、ブロックチェーンゲームが抱えている課題を解決し、よりポピュラーなゲームを作っていきたいという点にあります。
今回のハッカソンは海外での開催になりますが、今後はこういったイベントも日本で開催できれば良いなと思っております。
―コイン東京
確かにブロックチェーンゲームは、まだゲームらしいゲームが多くない印象がありますよね。今後、ブロックチェーンの知識がないような人でも気軽に遊べるようなゲームが生まれてくれば、世の中に対して更に浸透していくかもしれません。
それでは続いてはCocos-BCXの今後の展開についてお聞かせいただけますでしょうか。
―阿部さん
Cocos-BCXにはウォレットと、ブロックチェーンデータを参照できるターミナルという海外向けのツールが存在しているのですが、今後独自のスマートコントラクトのデプロイやでバックができる新機能や、日本に向けた新たなサービスも導入していきたいと考えています。
他には、Cocos-BCXの元となったCocosエンジンチームが、現在ファーウェイと協力して5Gとクラウドゲームに力を入れています。
ブロックチェーンゲームが今後発展していく上で5G技術は絶対に必要になるものですので、Cocos-BCXチームも共に注力していきたいと考えています。
もう一つ、少し前にお話ししたNHAS-1808という独自トークン規格の話になるのですが、今のゲームはユーザーがお金を払ってアイテムを買うというのが普通になっています。ですが今後は、ユーザーが自分自身でアイテムを作成し、販売・交換できるような仕組みを作っていきたいと思っています。
自分が作成したお気に入りのキャラクターや、長い時間をかけて稼いだゲーム内通貨を、他のゲームや次回作に引き継ぎたいという、ゲームを遊んだことのある人であれば誰しもが1度は考えたことのある夢を、Cocosというプラットフォームを通じて叶えられるよう開発を続けていきます。
―コイン東京
それが実現すれば、ゲームの中だけで生活が成り立つ時代が訪れるかもしれませんね。
では続いて、日本国内での今後の活動について注力していることが何かあれば教えて頂けますでしょうか。
―阿部さん
日本での活動については引き続きコミュニティ形成と提携に注力しております。特にブロックチェーンやDappsゲームに関連する、コンプライアンスや金融、法律方面での提携を進めていき、国内での露出を進めていきたいと思っています。
また、コミュニティ形成に関しては引き続き、ココスちゃんを全面的に押し出して活動を続けていきたいと考えています。
―コイン東京
ツイッターやAlisを通して、ココスちゃんは現在も精力的に活動を続けておりますよね。
そういえばCocos-BCX本体のMediumのアイコンがいつの間にかココスちゃんになっていましたね笑
―阿部さん
そうですね笑
ココスちゃんは日本事務所発のキャラクターなのですが、中国の本体が出ているような大きなカンファレンスでも取り上げられる等、非常に注目度が高くなっております。他にもステッカーなどのグッズ、NFT、ゲーム等も作られる王になり名実共に公式キャラクターとして認められたという状況にありますね。
―コイン東京
グッズやNFTが作られるというのは驚きですね。ブロックチェーン業界では珍しいマスコットキャラクターとしての立場が確立されつつあるわけですね。
―阿部さん
グッズに関しては他にもLINEスタンプなどを検討しております。
ココスちゃんが誕生した当初は、あくまでCocos-BCXの認知を広げる為だけに活動をしていたのですが、中国本体にも取り上げられ、世界的なカンファレンスに顔を出演することも増えてきたので、Cocos-BCXだけでなく、ブロックチェーン技術を知らない人がココスちゃんの活動を通じて知識を得ることが出来るような機会を増やしていきたいと考えています。
―コイン東京
目標はブロックチェーン業界全体を代表するマスコットキャラクターとなることですね。
今後、検討している活動はどういったものがあるのでしょうか。
―阿部さん
直近では、今回のバイナンス上場について公式やメディア目線ではなく、ココスちゃん個人としての感想や解説をAlis等で発信しようと考えています。
―コイン東京
せっかくなので、阿部さんがご担当されているココスちゃんについて、お話をお伺いしたいと思うのですが、ココスちゃんの性格など、所謂キャラクター設定はどういったものがあるのでしょうか?
―阿部さん
あくまで担当として考えているだけなのでまだ決定されたわけではないのですが、ココスちゃんは去年の10月に誕生して、年齢はヒミツです。性格はシャイながらも器用で臨機応変といったところでしょうか笑
後はCocos-BCXの目標でもある、ユーザーと開発者の両方が得することができるようなゲームの世界を作り出していく為に日夜頑張っているといった感じですかね。
―コイン東京
シャイな性格というのは予想外でした笑
それでは最後にココスちゃんの活動としての今後の展望を教えて頂けますでしょうか。
―阿部さん
去年の10月にココスちゃんが誕生して、まず最初にTwitterの運用から始めたのですが、口調などを含め、正直何をしたらいいのか全くわからないような状態でした。
運用を続けているうちに方向性が少しずつ定まっていき、今や本体に取り上げられるなど大躍進を遂げましたので、このままCocos-BCXと言えばココスちゃん、もっと先ではブロックチェーンゲームといえばココスちゃんというレベルになれるよう頑張っていきたいですね。
―コイン東京
本日はありがとうございました。
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