ビットコインのハッシュレートが上昇を続けています。

7月1日に難易度調整を通過した後は、7日に過去最高となる144.87EH/sを更新。

過去2週間の平均ハッシュレートは125EH/s程度で推移しているため、14日に迫った難易度調整では約10%程度の上昇が予想されます。

出所:coinwarz

主要マイナーのビットコインのマイニング損益分岐点は90万円程度と言われているだけに、難易度が10%上がると、それが100万円近くに上昇することとなります。

もちろん、これまでのハッシュレートの上昇を見ると、多くのマイナーは新型マシンによるマイニングに移行していることが推測できます。そのため、もう少し有利な価格だとは思いますが、やはり半減期前と比べて利益率の低下は否めず、マイニング産業の大きな転換期を迎えていると言えそうです。

2019年以降は、中国よりもビットメインが進出しているアメリカのテキサス州であったり、カザフスタン(ビットフューリーがマイニング)、イランなどがマイニングの候補地として人気になっています。特にイランは電気代が異常に安い(1kw/hあたり0.6円程度)国として知られています。S9jでのマイニングで電気代は0.006$/kw(約0.67円)というマイナーもおり、1日の電気代はわずか0.15ドルしかかからないそうです。型落ちマシンですが、2019年時点でも最低で1日0.87ドル、高いと1.27ドル程度の利益を出せていたようですから、半減期後も余裕で利益が出ているでしょう。

ただし、発電所にマイニング利益の何割かを譲渡する必要があるという話も聞きます。2018年に聞いた話ですが、発電所か仲介者かに利益の30%を渡す契約をしたところ、数カ月後に利益の50%を請求するようになり、さらに電気代が2倍になるという痛い目にあった業者もいるようです。こうなると、電気代は米国の方が有利になるのではないでしょうか。

 

さて、ハッシュレート分析によるビットコイン妥当価格は98万円程度となっており、ここ最近のビットコインの価格とほぼ合致します。一方で、 NVTから見た足元のビットコインの妥当価格は92万円程度であり、現在のマイニング損益分岐点と近しい数字となります。

メトカーフ分析によると、直近ユニークアドレスが増加し続けていることから、妥当価格は他とは大きく違い約148万円だそうです。

参考:「メトカーフの法則」ビットコイン価格は割安の可能性も

いずれにせよ、これらを見ると目先のビットコインが大きく下落する可能性は低いといえそうです。

 

▼21時更新

13日20時51分にビットコインの難易度調整を通過。難易度は17.35Tとなり、調整率は+9.89%でした。

なお、平均ハッシュレートは123.85 EH/s、平均マイニング速度は9分7秒でした。