直近の仮想通貨(暗号資産)市場は堅調に推移しており、時価総額は248兆円まで増加しました。

9月末からビットコインは110万円の上昇を演じており、株価を無視する展開が続いています。

この背景には、米国でビットコインETF承認への期待感があります。

9月末時点で、ヴァンエック、スカイブリッジ・キャピタル、フィデリティ・インベストメンツ、クリプトイン、ウィズダムツリー、ヴァ―キュリー、ギャラクシー・デジタルなど10社以上がビットコインETFを申請しています。 

米SECのゲンスラー委員長は、「CME先物ベースのBTC ETFのスタッフ評価を楽しみにしている」と期待を持たせる発言をしており、また議会公聴会において「仮想通貨を禁止する計画はない」という発言を好感し、相場が上昇しています。

ゲンスラー委員長は、ゴールドマン・サックス出身。

財務次官(国内金融担当)を経験した後は、2009-2014年に米商品先物取引委員会(CFTC)の委員長を担当。マサチューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院でブロックチェーンの研究を行っていたことで、仮想通貨業界にフレンドリーだと言われています。

ビットコインETFの審査状況

9月29日に米SECは4つのビットコインETFの決定期限を45日延長すると発表しました。

【対象となる申請業者】

  • グローバル X
  • ヴァルキリー
  • ウィズダムツリー
  • クリプトイン

それぞれの審査期限は、次の通りです。

  • グローバル X(11月21日)
  • ヴァルキリー(12月8日)
  • ウィズダムツリー(12月11日)
  • クリプトイン(12月24日)

ビットコインETFで一番期待されているヴァンエックのビットコイントラストの審査期限は11月15日となっており、この日の数日前に承認されるのではないかと期待されています。

ここへ向けてのイベントドリブンが続くかと思われますが、それ以外にも好材料が続いています。

  • 全米第5位銀行のU.S.バンクが機関投資家向け仮想通貨カストディサービス開始(10月5日)
  • カナダでバスケット型仮想通貨ETFが初めて上場(10月1日)

そして、機関投資家の投資意欲も高く、9月28日にニッケル・デジタル・アセットマネジメントが発表した調査によると、実に機関投資家の62%が1年内に仮想通貨への投資を開始するとの回答を得たそうです。 

中国人投資家が海外取引所から撤退することによる市場の冷え込みが不安視されましたが、バイナンスでは取引高は増加傾向にあり、その心配はなさそうです。

「向かうところ敵なし」という状況にも見えますが、利益確定の動きが出るだけでも10万~20万円の急落が考えられます。

米政権のステーブルコインに関する規制報道が出ることも考えられるため、リスク管理は十分にしておきたいところですね。