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2021年を振り返らずに2022年は見えない

筆者: 鳳ナオミ

<2021年の解説及び着目点>

12月第4週の暗号資産売買マーケットは、新型コロナ変異株(オミクロン株)に対する過度な懸念の後退を背景に、伝統的なマーケット(株式等)が反転上昇基調に転じたこともあり、主力のビットコイン(ティッカー:BTC)が約3週間ぶりに5万㌦を回復アルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産)も同様に切り返しの動きを強めました。もっとも、短期的には株式市場などとの連動性を高める形となっており、暗号資産マーケット特有の動きとはなっていません。

ここまでの暗号資産マーケットを振り返ると、2021年は2017年以来の盛り上がった年だったと言えます。暗号資産だけでなく、NFT(非代替性トークン)などのニュースフローも増加し、従来以上にマーケット参加者が加わった年だったのではと考えます。 年初からクリスマス(12/25)までの暗号資産マーケットを振り返ってみましょう。暗号資産価格の動向及び、「商い」の度合いを表す年間売買代金をみると、顕著に理解できるでしょう。

ステーブルコイン(為替などに連動する暗号資産)を除いた年間合計の売買代金のトップはビットコインです。1年間の売買代金合計は日本円換算で約1816兆円です。実に1800兆円分のビットコインが1年間に売買されたことを示します。
二位はイーサリアムの1254兆円、三位がリップルの226兆円、次いでビットコインキャッシュと続きます。日本の年間国家予算が約100兆円、米国が約500兆円ですので、その規模感がわかると思います。

一方、時価総額上位50位の暗号資産の価格上昇率ランキングでは、ガラ(同:GALA)アクシーインフィニティ(同:AXI)サンドボックス(同:SAND)などゲーム、メタバース関連などテーマ関連暗号資産が上位を占めています。
いずれも年初の価格から344倍、210倍、160倍と他のアセットでは見られない、まるでなにかに当選したかの様な価格上昇です。
時価総額上位陣のビットコインやイーサリアムでも、それぞれ約2倍、6倍の上昇率ですので、その変化率は相当なものだったことがわかります。テーマ関連に紐づいた暗号資産に至っては一攫千金に近い結果だったと言えるでしょう。

続きはこちら(2022年の好トレード暗号資産の候補とは?及び2022年初頭の注目ポイント)からお読みください。

<2021年間暗号資産年間売買代金ランキング>

暗号資産(ティッカー)

年間高値(円)

年間安値(円)

年間売買代金(兆円)

ビットコイン(BTC)

7,659,317

2,996,289

1,816

イーサリアム(ETH)

545,376

75,380

1,254

リップル(XRP)

200

22.8

226

ビットコインキャッシュ(BTH)

168,160

35,230

223

ライトコイン(LTC)

41,750

11,852

185

ドージコイン(DOGE)

74

0.49

165

カルダノ(ADA)

326

18

153

イーサリアムクラシック(ETC)

14,872

586

138

バイナンスコイン(BNB)

74,637

3,861

120

トロン(TRX)

18

2.8

88

ポルカドット(DOT)

6,164

857

72

チェーンリンク(LINK)

5,628

1,162

64

JDR.株式会社で算出しているJDR.Index(ジェーディーアールインデックス)は暗号資産マーケット全体を観察する指標として便利で、同指標の12月第4週のパフォーマンスは+6.9%の上昇、ビットコイン単独では+6.7%の上昇となりました。
値動きが殆ど無かった第3週とは打って変わって、値を飛ばした暗号資産が多くみられました
JDR.が個別で格付け(レーティング)している暗号資産では、テラ(同:LUNA/上昇率+52.4%)や、アーベ(同:AAVE/同+40.5%)ポリゴン(同:MATIC/+23.0%)が大きく上昇しました。

暗号資産マーケットに関連する主要な出来事及び相場回顧、翌週の注目点をピックアップします。
(対象期間:前週金曜午後~金曜日午前)

12月18日(土)~12月20日(月)

👉米SEC、ビットワイズとグレイスケールのビットコインETFの可否判断を延期

👉米国金融安定監視委員会(FSOC)、「ステーブルコインは金融システムショックを増幅させる恐れ」

👉米マイクロストラテジー、保有ビットコインの運用を検討

👉バイナンスUS、インテルの元コンプライアンス部門責任者を雇用

👉ポルカドット、5つのパラチェーンが正式稼働

👉パラグアイ、マイニング関連法案が上院で可決

👉ミレニアル世代の富裕層のうち83パーセントが仮想通貨を所有=CNBC調査

12月21日(火)

👉米ウイズダムツリー、2週間前にSECに非承認された現物ビットコインETFを再申請

👉イングランド銀行、国際的な暗号資産規制の協議を求める

👉米インスタグラム、NFT対応を検討か

👉ブロックチェーン業界のM&A件数、前年の2.3倍

👉米テネシー州ジャクソン市、職員の給与を暗号資産に変換できる制度を推進

👉ビットコイン保有者の1%が全流通コインの27%を支配

12月22日(水)

👉暗号資産取引所最大手バイナンス、ドバイWTCと覚書を締結、暗号資産業界のハブ設立へ

👉JPモルガンとシーメンス提携、ブロックチェーン基盤の新決済システム構築

👉三井住友銀行、ブロックチェーン貿易金融プラットフォーム「Contour」取扱開始

👉新庄剛志氏、国内暗号資産取引所ビットポイントのアンバサダー就任

👉2021年のステーブルコイン時価総額が約400%上昇、個人投資家の利用が増加

12月23日(木)

👉シンガポール、100超の暗号資産関連企業が事業認可を取得できず

👉米SEC、2つの現物ビットコインETF申請を非承認(クリプトン、バルキリー)

👉ドイツテレコム、DOTトークン購入を明らかに

👉エルサルバドル、ビットコイン追加購入(21BTC)

👉パキスタン人は仮想通貨で200億ドル保有

👉ダウンタウン松本人志、ビットフライヤーTVCM出演へ

12月24日(金)

👉世界の検索需要で「NFT」が「暗号資産」を初めて上回る

👉中国国営新華社通信がNFT発行、中国政府スタンスに変化?

👉分散型取引所の今年の取引高が1兆ドルを突破

👉ビットコインマイナー、今年1.7兆円の収益を記録

👉取引所最大手バイナンス、BNB自動バーンを導入

👉インドの暗号資産規制、来年5月以降に延期か


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※本資料は、暗号資産の参考となる情報提供のみを目的としたものです。投資に関してはご自身の判断でなさいますようにお願い申し上げます。本資料は、筆者が各種メディア報道、事業会社アナウンス、要人発言などより抜粋し、作成しておりますが、その情報の正確性、完全性を保証するものではありません。
また、本資料に記載された意見や見通し等は、今後、予告なしに変更されることがあります。

鳳ナオミ

鳳ナオミ

大手証券アナリストとして10年以上経験後、リスクモデルを駆使する絶対収益追求型運用(プロップ)に従事、ボトムアップとトップダウンアプローチを得意とし年平均+15%以上のリターンを実現。その後オルタナティブ投資、ファンド組成、企業再生に取り組むなど多岐に渡る金融経験を持ち、現在はクリプトの世界に。日本初のデジタルマネー格付け及びインデックスを提供する「JDRpro.」の運用責任者も務める。

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