2022年は、先進各国による暗号資産規制の行方、中央銀行デジタル通貨(CBDC)、インフレ動向が焦点
12月の暗号資産売買マーケットは月初から多くの暗号資産が-20%以上の急落に見舞われました。一時42,000㌦まで急落したビットコインを含め暗号資産全体の動きは鈍く、狭い価格レンジの中、年末にかけても不安定な動きに終始しています。年を通して全般的に暗号資産価格が大幅に上昇したこともあり、12月には息切れした格好です。
暗号資産業界を巡るニュースフローはここ数年に無いほど増加し、ビットコインだけでなく、アルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産)が脚光を浴びる局面が何度もあり、ビットコインの相対的な重要度は薄れています。2021年は、相場が活況だった2017年の相場とは異なる様相のマーケットであったと言えるでしょう。
<暗号資産に関係する2021年の主要出来事>
・ビットコイン上場投資信託の承認
・新興国によるビットコインの法定通貨化、活用需要
・米国の超低金利政策の転換(テーパリング)
2021年の主要な出来事の一つに、SEC(米国証券取引委員会)によるビットコイン現物ETF(上場投資信託)の上場承認があります。年初から多くの投資ファンド、運用機関による上場申請が相次ぎ、その期待が暗号資産、とりわけビットコイン価格の底上げにつながったのは否定できないでしょう。10月の承認後は、いわゆるSell the fact(期待で買い、事実で売る)の如く、上昇が頭打ちになったと言えます。
また、エルサルバドルによるビットコインの法定通貨化(6月に発表、9月に法施行)を始め、新興国による暗号資産の積極利用は、中国の暗号資産マイニングの撤退事象と共に焦点が当たりました。
米国のテーパリング議論(量的緩和の縮小)は、世界的な超低金利政策の転換に直結する議論で、株式市場、債券市場などと同様に、インフレ対応という観点も加わり、暗号資産マーケットにも大きな影響を与えたと考えられます。
>>コメントの続き及び2022年の見通しは「こちら」から<<
【1月の暗号資産タイムテーブル】
注目度* | 主な注目タイムテーブル | コメント | |
---|---|---|---|
★★★ | 01月03日 | CMEのビットコイン・オプション、ビットコイン先物SQ | ビットコイン先物は、2017年12月に米シカゴ・オプション取引所(CBOE)と米シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)に上場、2019年9月に米インターコンチネンタル取引所(ICE)で取引が開始。CBOEは2019年6月に取引中止。Bakkt(バックト)はICEが設立したデジタルアセットプラットフォーム。 |
★ | 01月04日 | 米12月ISM製造業景況指数(日本時間24:00) | 全米供給管理協会(ISM)が企業の購買担当者へのアンケートを基に作成する、製造業の景況感を示す指数(50が拡大後退の分岐点)。11月は61.1と拡大基調だが、引き続きサプライチェーンリスクが重しに。一方ISM非製造業景況指数は69.1と過去最高となっている。 |
★★★ | 01月07日 | 暗号化通貨資産運用会社米バルキリー社申請のETFで結果が判明(1/7前後) | SECによるビットコイン現物ETFの申請の承認可否 |
★★★★ | 01月07日 | 米12月雇用統計(日本時間22:30) | 世界中の投資家が最も注目する経済指標。株式、債券(金利)、為替に影響。11月の非農業部門雇用者増加数は、事前予測前月比+57万人に対して+21万人と大きく下振れ。但し、各調査機関による雇用者増加数の予測幅が大きく、現在は、失業率(予測4.1%)及び平均時給(同+4.2%)に注目数値がシフト。 |
★★★★ | 01月08日 | BTC採掘難易度調整日(10:00見込み) | 採掘速度(ハッシュレート)と合わせてブロックの生成量目安の計算(平均して10分に1回になるように調整)。2週間に一度、採掘難易度を変更。過去2週間の平均が10分より短ければ難易度を上げ(値を下げ)、逆に長ければ難易度を下げる(値を上げる)。 |
★ | 01月11日 | 決済の未来フォーラム デジタル通貨分科会「中央銀行デジタル通貨を支える技術(第3回会合)」 | 日本銀行によるデジタル通貨に関わる会合。初回会合(2021年6月開催)第2回会合(2021年11月開催) |
★★★ | 01月12日 | 米12月消費者物価指数(CPI)(前月比) (日本時間22:30) | インフレ懸念、テーパリング議論の発端となった指標で、11月は前年比+6.8%と約40年ぶりの伸び。エネルギーと食料品を除いたコア指数でも+4.9%の上昇となっており、インフレ基調が鮮明化している。 |
★ | 01月12日 | アジアメタバースニューエラサミット | オンライン。開催地:中国テクノロジーの巨人、ベンチャーキャピタル企業、スタートアップ、政府部門が支持。1,000人以上のオフライン参加者と20,000人以上のオンライン参加者が集まる会合。 |
★ | 01月14日 | ICSCB(アイ・インターナショナルコンファレンス・スマートコンタクト・ブロックチェーン) 2022 | 〜15日。オンライン。開催地:スイス学術科学者、研究者、研究者と、スマートコントラクトとブロックチェーンについて、彼らの経験を共有し、提供する会合。 |
★ | 01月14日 | インドブロックチェーンサミット2022 | 〜20日。オンライン。グローバル暗号通貨の新しい夜明けとブロックチェーンのコミュニティ。Blockchain、Crypto、DeFi、NFTなど、選択されたトピックに関するパネルディスカッションが毎日行われ、その後、参加者が談話を通じてブロックチェーンのリーダーに直接質問する機会がある。 |
★ | 01月16日 | アイオーエストークン(ティッカーコード:IOST)のエアドロップ実行 | エアドロップとは、暗号資産を無料配布すること。認知度向上などキャンペーン的な意味合いで行われる。 |
★ | 01月17日 | ザノースアメリカンビットコイン・コンファレンス | 〜19日。開催地:マイアミ。毎年、暗号通貨コミュニティを結集して、学習、ネットワーク化、革新を提供し、ハッカソン会合や学生就職説明会を実施。 |
★★★ | 01月18日 | ICE(Bakkt)のビットコイン・オプションSQ(日本時間1月19日) | ビットコイン先物は、2017年12月に米シカゴ・オプション取引所(CBOE)と米シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)に上場、2019年9月に米インターコンチネンタル取引所(ICE)で取引が開始。CBOEは2019年6月に取引中止。Bakkt(バックト)はICEが設立したデジタルアセットプラットフォーム。 |
★★★ | 01月20日 | ICE(Bakkt)のビットコイン先物SQ(日本時間1月21日) | ビットコイン先物は、2017年12月に米シカゴ・オプション取引所(CBOE)と米シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)に上場、2019年9月に米インターコンチネンタル取引所(ICE)で取引が開始。CBOEは2019年6月に取引中止。Bakkt(バックト)はICEが設立したデジタルアセットプラットフォーム。 |
★ | 01月18日 | 日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表 (昼ごろ) | 日本では大規模金融緩和策維持の継続が既定路線だが、世界的なインフレ懸念、超金融緩和政策の転換が台頭する中、日銀のスタンスが注目される。 |
★★ | 01月21日 | XRP保有者限定のソロジェニック(ティッカーコード:SOLO)のエアドロップ実行 | エアドロップとは、暗号資産を無料配布すること。認知度向上などキャンペーン的な意味合いで行われる。 |
★★★★ | 01月22日 | BTC採掘難易度調整日(10:00見込み) | 採掘速度(ハッシュレート)と合わせてブロックの生成量目安の計算(平均して10分に1回になるように調整)。2週間に一度、採掘難易度を変更。過去2週間の平均が10分より短ければ難易度を上げ(値を下げ)、逆に長ければ難易度を下げる(値を上げる)。 |
★★★★★ | 01月26日 | 米連邦公開市場委員会(FOMC)による政策金利発表(日本時間28:00) |
米国の中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)が定期的に開く、金融政策の最高意思決定会合。各国の金利や政策方針などにも大影響を与える重要な会合。前回はテーパリング終了時期見通しが22年3月へ前倒し。インフレは「⼀時的」との表現が削除された。 |
★★★ | 01月31日 | CMEのビットコイン・オプション、ビットコイン先物SQ | ビットコイン先物は、2017年12月に米シカゴ・オプション取引所(CBOE)と米シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)に上場、2019年9月に米インターコンチネンタル取引所(ICE)で取引が開始。CBOEは2019年6月に取引中止。Bakkt(バックト)はICEが設立したデジタルアセットプラットフォーム。 |
*注目度は暗号資産マーケット全体に対する影響度、5段階で判定。★★★★★が最も高い
【新着・関連記事】
・情報を知らずして「未来は語れない」~価格予想キャンペーン参考情報①~過去10年間の動きをみる
・情報を知らずして「未来は語れない」~価格予想キャンペーン参考情報②~テクニカル分析による予測
・情報を知らずして「未来は語れない」~価格予想キャンペーン参考情報③~モンテカルロ・シミュレーション
※各種情報よりJDR.株式会社作成。本資料は、暗号資産の参考となる情報提供のみを目的としたものです。投資に関してはご自身の判断でなさいますようにお願い申し上げます。本資料は、当社が信頼できると判断した情報源に基づいて作成されていますが、その情報の正確性、完全性を保証するものではありません。また、本資料に記載された意見や予測等は、今後、予告なしに変更されることがあります。