ポイント
・7万2000ドルで跳ね返され、6万8000ドル台半ばに失速
・NFP27.2万人、平均受給+0.4%と予想を上回る
・ETFフローは19営業日連続プラス、従来の17営業日を更新
・今週はCPIとFOMCが重なる水曜日が注目も機関投資家は淡々と買ってきそう
週末のBTC市場
週末のBTC相場は上値の重い展開。月初に6万6000ドル(約1035万円)台で切り返すと、先週はもみ合い水準を6万8000ドル(約1065万円)から7万1000ドル(約1115万円)近辺に徐々に引き上げてきたが、金曜日に7万2000ドル(約1130万円)トライに失敗すると6万8000ドル台半ばに失速。その後はじりじりと6万9000ドル(約1080万円)台後半に値を戻し、ならしてみると7万ドル(約1095万円)を挟んでのもみ合い推移となっている。
木曜日のETFフローが488百万ドルと高水準となり、またロビンフッドのビットスタンプ買収も好感されBTCは7万1000ドル台に乗せると、週次の新規失業保険申請件数が昨年11月以来の水準となり米長期金利が低下し、BTCは71,000ドル台後半に値を伸ばした。
しかし、ETH ETF承認期待で付けた5月21日の戻り高値手前で再び上値を押さえられると、7万ドル近辺に失速した。木曜日のETFフローは218百万ドルと過去最高の18営業日連続の流入となり、トランプ候補が民主党の牙城であるカリフォルニアでの寄付金集めイベントで12百万ドルを調達、「暗号資産大統領」になると業界の支持を求めたことも好感され、BTCは7万2000ドルにあと一歩に迫った。
米雇用統計で非農業部門雇用者数(NFP)が27.2万人と予想の18万人を上回り、インフレに影響する平均時給が0.4%と予想0.3%を上回ったことから米長期金利が急騰、BTCも急落。先物市場での3億ドル以上のロングポジションの清算を巻き込み6万8000ドル台半ばに失速した。しかし131百万ドルに減少したとはいえ金曜日のETFフローもプラスとなり、これで19営業日、4週間連続の流入となったこともありBTCはじりじりと値を戻す展開に。
一方、イスラエル軍はガザ地区で4名の人質を救出した一方で、200名以上の犠牲者が出たことが判明。中道政党のガンツ国防相が連立を離脱するなど中東情勢は混迷を深め、欧州議会選挙で独仏与党が惨敗、極右勢力が台頭する中、BTCは7万ドル手前で上値を押さえられている。