中南米のエルサルバドルといえば、世界で初めてビットコインを法定通貨にした国として知られています。今もビットコインの法定通貨としての地位は変わっていませんが、そのエルサルバドルから「さすが」といえる話題が届きました。エルサルバドルは火山国としての顔もあるのですが、その火山のエネルギーを使ってビットコインのマイニングをしているというのです。
火山の地熱エネルギーで文字通りの「採掘」
エルサルバドルには日本のように多くの火山があります。サン・ミゲルという火山は世界的にも有名ですが、それ以外にも多くの火山があります。火山には莫大な地熱エネルギーがあるのでそれを利用している国は多いですが、エルサルバドルもそのひとつです。そして、その地熱エネルギーを使ってビットコインのマイニングも始めたことが話題になりました。
ビットコインのマイニングでは大量の電力を消費するため、環境負荷が高いことがかねてから指摘されてきました。そのことはビットコインマイナーの多くも、高い電気代負担によって実感していることです。かくしてビットコインマイナーの中には水力など再生可能エネルギーを利用するところも登場し、特に中国の水力発電によるマイニングは世界的に高いシェアを獲得しました。
今では国の方針によって仮想通貨(暗号資産)そのものが全面禁止となったため、中国のマイニングビジネスは事実上消滅しています。そんな中で登場したのが、エルサルバドルの火山地熱エネルギーによるビットコインマイニングです。
火山の恵みで採掘量は474BTC
エルサルバドル国内にあるテカパ火山という山から発せられる地熱エネルギーを利用して300台ものマイニングマシンを稼働させ、採掘したのは475BTCです。1BTCが1000万円とすると、単純に47億5000万円分です。火山のエネルギーは無料で再生が可能なのですから、すさまじいエネルギー量です。それを仮想通貨のマイニングビジネスで現金化したことにも驚きです。
国策としての暗号資産政策は吉か凶か
エルサルバドルはこのように、法定通貨にビットコインを採用した上で国策として大規模なマイニングビジネスにも参入しています。これら一連の政策はブケレ大統領によるものですが、この「ビットコイン全振り」の政策が吉と出るか凶と出るかは、まだ分かりません。しかし、現状でビットコインのETF承認をきっかけに高騰が続いていることを考えると今のところエルサルバドルのビットコイン政策は成功しているといえ、さらに再生可能エネルギーによる採掘が成功すれば持続可能性の高い暗号資産政策が確立します。
ビットコインをめぐる動きで世界に先行するエルサルバドル。今後もビットコインととも歩む可能性は高く同国の行く末から目が離せません。
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