Original article:Vol3:リップル(XRP)の謎 -xCurrent, xRapid, xViaとXRPへの影響-

Vol.1:リップル(XRP)の謎 -IOUとゲートウェイは不要?-
Vol.2:リップル(XRP)の謎  -XRPはブリッジ通貨?-

ここしばらく上値の重い展開が続いているXRPの対ドル相場ですが、7/18時点でテクニカル的に上抜け感も出てきております(転換線が基準線にほぼ到達し、ローソク足も転換線と基準線を上回っていることが確認できます)。

もっとも、市場参加者の関心は、やはりXRPが「証券」に該当するか否かが大きいと考えます。「証券」に該当するとなった場合、一時的であったとしても、上場先が絞られることでXRPの流動性低下を招く可能性があるため、足元は当局の判断待ちで様子見ムードが続いているようにも見受けられます。(参考記事:「米商品先物取引委員会元会長リップルとイーサリアムを牽制」)

さて、本題に戻りまして、Vol1の記事ではブリッジ通貨として活用が見込まれるXRPについて、その基幹となるILPとは何かについてご紹介しました。

今回は、リップル社が提供するソリューションと、これに関連するXRPの活用について考察していきたいと思います。

リップル社のビジョン

はじめに、リップル社は、「価値のインターネット」(Internet of Value (IoV))をビジョンに掲げています。価値のインターネットとは、インターネットにより世界の情報がワンクリックで見られように、インターネットを介して、国境を超えたマイクロペイメントやウェブペイメントを早く安く行える社会を意図しています。そして、このIoVの実現に向けて、リップル社はソリューションの開発に取り組んでいます。

リップル社のソリューション

リップル社は、xCurrent、xRapid、xVia という3つのソフトウェアを提供しており、これらのサービスでRippleNetは構成されています。それぞれ、「xCurrent」は金融機関、「xRapid」は決済事業者、「xVia」一般企業を主に対象としたプロダクトで、銀行を中心に「法人」で顧客基盤が固められています。これら「法人」の背後にいる利用者「個人」にもそのメリットは波及します。

例えば、SBIホールディングスの子会社であり、リップル社とのジョイントベンチャーである SBI Ripple Asia が事務局を務め、邦銀61行が加盟する「内外為替一元化コンソーシアム」で共同構築をしている、個人間送金アプリ「Money Tap(マネータップ)」が、今夏以降の一般公開を目指しています。当該アプリが公開されれば、各銀行利用者の口座間送金(法定通貨同士)がxCurrentを介して、4秒程度で行えるようになるため、「個人」の利便性が大きく向上することが期待されます。

しかしここで留意いただきたいのは、例えばMoney Tapが一般公開され、xCurrent上での送金取引が増加することが、直接的に「XRP」の需要を高め、価格を押し上げる要因にはならない点です。なぜならxCurrent自体は、法定通貨のリアルタイム送金用のプロダクトであり、XRPを必要としないためです。

もっとも、法人の場合、xCurrentでの送金において「XRP」を活用することが送金コストの低減につながるためXRP」への需要も生まれると考えます。

以下で、xCurrentについてもう少し詳しく解説していきます。

xCurrentの機能

既存の国際送金は、USD/EUR/JPYなどメジャーな通貨でない場合、期日に着金しない、金額が相違しているといったトラブルが日常的に発生しているようです。

通貨は物理的に国外に出ることはなく、海外の銀行との間でお互いに口座を開設し合い(「ノストロ口座」)、口座振替を行っています。送金先の国の銀行との間にノストロ口座がない場合、口座開設をし合っている別の銀行(「コルレス銀行」)を経由しなければ最終目的地に送金できません。

中継地点が複数箇所になることも多く、どの銀行の何のための送金だったかわからず送金が中断されるリスクや、中継地点でのハッキングリスク、予期せぬ手数料が発生するリスク、送金の遅延リスクなど、損失が生ずる危険性を孕んでいます(図1)。

<図1:国際送金の現況>

出典:Ripple.com(https://ripple.com/files/ripple_solutions_guide.pdf

xCurrentは現状の国際送金を改善するためのソリューションで、4つの機能 ―「Messenger」、「Validator」、「ILP Ledger」、「FX Ticker」により、人為的ミスを軽減するオペレーションの自動化、セキュリティー(安全性)の確保、手数料の透明化を実現し、4秒程度と圧倒的に早いオンデマンドに対応した即時送金を、24時間365日いつでも行うことを可能としています。

そして、日本などの国内送金が割高の国では国内送金に活用することもできます。

Messenger(メッセンジャー)

RippleNetに接続された銀行間の双方向情報伝達を担うAPIです。顧客情報(KYC)、口座情報、リスク情報、送金内容や送金日時、為替交換レート(もしあれば)、銀行手数料など、送金に関連する情報を取得するツールです。

Validator(バリデーター)

24時間365日作動し、暗号取引での送金が成功したか否かを確認する機能です。

 ILP Ledger(ILPレッジャ)

既存の銀行同士の異なる台帳間の資金移動を追跡する補助ツールで、資金移動が本来の受取者でない段階で止まることを防ぎます。

FX Ticker(FXティッカー)

為替レートを決定するために利用されます。法定通貨の為替レートのみならず、「xRapid 」を介してXRPを用いて送金する場合のレートを取引所や流動性供給者などから自動的に取得してくれるツールです。

<図2:xCurrentの4機能>

出典:Ripple.com(https://ripple.com/files/ripple_solutions_guide.pdf

xCurrentを介した国際送金には、ノストロ口座(例:邦銀が米銀に米ドルを預けている当方勘定)/ボストロ口座(例:邦銀が米銀のために円を預かり受けている相手勘定)を利用して、銀行間で直接両替を行うケース、第三者の流動性プロバイダー(取引所や決済事業者等)やコルレス銀行を介するケース、XRPを利用するケースなどが想定されています。

どのケースにおいても、送金スピードの短縮、手数料の透明性やセキュリティー面の向上に繋がりますが、XRPを利用する以外のケースでは、既存の国際送金フローとほとんど変わらず法定通貨を持ち合う、もしくは、コルレス銀行などの中継地点を経由する必要があるため、銀行にとっては引き続きファンディングコストが発生します。

リップル社は、これを解消するために、最も効率的なのはXRPを利用して送金を行うことであると説明しており、6月にリリースされた「Insights」の記事には、40-70%のコスト節減(※後述するxRapidを利用した場合)につながると明記されています。

そして、XRPを利用するケースには、以下の2つの方法があります。

  1. ①直接XRPを保有し、店頭取引の形式で送金を行う方法
  2. ②XRP直接保有することなく、xRapidを利用して、流動性プロバイダー経由でXRPを調達する方法

これに関しては、また次回にご紹介していきたいと思います。

 

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