マルタ島に拠点を置くBinance(以下、バイナンス)は、1日あたり1200億円の取引量を誇る世界最大級の仮想通貨取引所です。(取引量は執筆時点)
バイナンスにはおよそ400ある取り扱い銘柄の中にバイナンストークン(以下、BNB)という仮想通貨があります。
BNBは通称・取引所トークンとも呼ばれ、バイナンス自身が発行する自社株のような位置づけです。
現在の用途は主に手数料の減額、毎月行われる新規通貨の上場投票の投票権などですが、将来的には2019年ローンチ予定の分散型取引所・Binance Chain(DEX)のガスにも使われる予定です。
さて、最近のバイナンスはアフリカ進出を計画しており、事業の拡大を狙っています。
今後バイナンスが世界に広がっていく中で、BNBはどのような影響を受けるのでしょうか。
バイナンストークン(BNB)の価格推移
BNBは年初の段階では、1 BNBあたり2500円を超えており、仮想通貨取引所が発行した「取引所トークン」では史上最高値を記録。
その後、仮想通貨市場全体の冷え込みに伴い、1000円を切るまで低下したものの、現在では高騰と下落を繰り返しながら1BNBあたり 1100円ほどで落ち着いています。
もうひとつ、BNBの価格は相場影響のほかに、バイナンスの活動にも左右されているようです。
たとえば7月、バイナンスから四半期の発表があった際はBNB価格が一時上昇しました。
◇バイナンストークン円(BNBJPY)日足チャート
このことから、バイナンスの動向は多くのBNBホルダーに注目されていることが分かります。
先述の分散型取引所が立ち上げとなった場合や、上場投票で話題の仮想通貨が候補に挙がるなどプラスとなり得るのニュースが出た場合は、BNBの価格に影響するかもしれません。
バイナンスの動向
さて、これまで述べたとおり、バイナンスは世界でも活動的な取引所に入るのではないでしょうか。
最初にマルタに拠点を置いたのも戦略の一つであり、次なるアフリカ進出も長期的な運営のためです。
アフリカの国々は発展途上国が多く、政治が不安定なため紛争が起きたり、自国通貨に対する信用度が低い国が多いといえます。
中にはジンバブエのようにハイパーインフレを引き起こし、自国通貨の価値がほぼ無くなる事態も発生しています。
国や文化の発展にともない富裕層が増加する一方でこのような事態に見舞われています。
そこで仮想通貨です。世界共通の価値を持ち、政府の介入なく取引できて、場所も取らず資産管理出来るビットコインは今アフリカで注目されています。
バイナンスはまさにホットなアフリカに進出しようとしているのです。
これまでに世界的に知られる仮想通貨取引所がアフリカ進出を果たした話はまだ耳にしていません。
おそらくバイナンスがこのブルーオーシャンに飛び込む展開となるでしょう。
出所:Googleトレンド検索より
まとめ
今後は発表済みの材料(DEXなど新プロジェクト)の進捗や、アフリカの投資家をターゲットとした取引所の開設や提携話など、あるいはそれ以外の計画に期待したいです。
BNBの価値は相場だけでなくバイナンスの動向にも影響を受ける傾向がありますので、要チェックです。
情報収集はバイナンス公式Twitterや、代表者のアカウントをチェックするのが手っ取り早いでしょう。
中国語が分かる方は中華圏のニュースサイトをサーチしてみるのもいいかもしれません。