現役トレーダーの御堂唯也です。
今週も値動きだけに一極集中したチャート分析をお送り致します。
※その前に、マクロ視点での分析コラムを読んで頂けていない場合は、先にこちらをご一読下さい。
▶ビットコイン65万円割れは時間の問題?現役トレーダーが値動きだけで解説
▶ビットコイン、ガチで勝ちたいならバブルを忘れろ!これが相場の本質だ!
さて、直近ビットコイン相場では急騰・急落の激しい乱高下が形成されています。
乱高下相場とは投資家の気の迷いの現れです。
この変動の激しい相場を見て、なかなか方向性を導き出せない人は多いのではないかと思います。
今回は、そんな乱高下相場から方向性を導く短期トレード戦略をお送りいたします。
森を見て木を見る。
まずは大きな潮流を把握するために、月足から分析をしていきましょう。
ビットコイン円(BTCJPY)月足チャート
10月に突入し、9月のローソク足が確定しました。
確定した前月のローソク足を見る限り、上髭と下髭が突出した実体が著しく小さい陰線のコマを形成している。
この月足が「陽線で引けるのか、陰線で引けるのか」が今後の値動きを占う上で超重要だった。
これまで月足は、時の経過と共に階段形式でローソク足の実体部分を切り下げ続けてきた。
この実体の切り下げが継続すればするほど、私が中期的視点で掲げる下落(65万円割れ)の確度が高まる。
それが前月に関しても切り下げを見せてきた。
つまり、現時点で中期的目線の切り替えを考える必要は無く、むしろ下抜けの蓋然性が帯び始めたということ。
その上で前月の「コマ足」から今後の値動きを汲み取るわけだが、「ここを割ったら節目が変わる」という領域(65万円台)を目前に『コマ足』が出現した場合、投資家に迷いが生じていると考えられる。
バブル崩壊後、これまで前月のような陰線のコマを形成したローソク足は一本もない。
投資家心理、相場環境に変化が生じている事が窺えるだろう。
また、先述したように陰線のコマから分かることは気の迷い。
つまり、投資家が方向性に迷いを示している状態がみえてくる。
こうなれば、コマ足の高値安値が非常に意識され、高値を上抜くにしろ、安値を下抜くにしろ、時間を要する。
下位の時間軸において揉み合う相場を形成する可能性が高い事を心得ておこう。
BTCJPY(週足)
週足を確認すると、2週間前のローソク足は下髭の長い陽線。
一方で、先週のローソク足は下髭の長い陰線であることがわかる。
この下髭にはふたつの見方がる。
- 1.これだけ底堅い⇒ゆえに時間をかけて上を目指す
- 2.これだけ底を試せる⇒ゆえに時間をかけて下を目指す
今回のような陽線の下髭⇒陰線の下髭の場合、2週間前ガクンと安値を付け買われた時(陽線)よりも、先週安値を付け買われた時(陰線)のほうが、買われる圧力が弱まったという事がいえる。
つまり、下髭の見方としては後者
「これだけ底を試せる⇒ゆえに時間をかけて下を目指す」の蓋然性が高いと考える。
BTCJPY(日足)
さて、月足と週足で方向性が下でコンセンサスが一致している事を確認したら次は日足。
記事執筆時点(10月1日21時43分時点)では、77万-78万円の間で2点天井形成。
直近真上には売りの厚い抵抗領域が感じられる。
77万-78万円の領域で頭を押さえつけられることは YouTubeでも解説していたが、これには原理がある。
日足をズームアウトすると、77-78万円には暴落前82万円を試した際に形成した“分かりやすい押し目“が確認できる。
この教科書のような分かりやすい押し目(明確な上昇⇒浅い調整⇒下髭ピンバーで底堅さ規定⇒大陽線)で買ってきた多くの投資家が上値を重くしている。
どういうことか?
ほとんどの投資家は、明確な上昇を見た後に追随して買いを仕込んでいく。
「押し目を見てから買いましょう、戻り目を見てから売りましょう」がこの投資の世界では常識としてまかり通っているからだ。
この常識は非常識であるという事については今後YouTubeで解説しようと思うが、ひとまずこの押し目を見て買いを仕込んできた投資家が多かったために、その後も上昇は継続したという事実を理解してほしい。
分かりやすい押し目をつくり上昇した後、この暴落である。
押し目で買ってきた投資家が数日間かけて形成した上昇をわずか1日で打ち消した。
容赦ない。
押し目買い投資家の中で、この暴落を見て瞬時にエグジットできた者はどれだけいるだろうか。
恐らくかなり少数。多くの投資家はこの時点でエグジットもできず身動きが取れなくなっていただろう。
一瞬で下げていく相場「どこまで下がるかわからない」、「また戻ってくるかもしれない」、「これまでも戻ってきたじゃないか」こういった心理が判断を迷わせ、けっきょく含み損を耐えるしかない状況に陥らせる。
暴落後、かなり長い時間底を這い、なんとか自分のエントリーポイントまで戻ってきた価格。
安心する。長らく耐えた痛みが和らいだ感覚。多くの身動きが取れなかった投資家はポジション解消に動く。
買いの決済は「売り」である。この大量の決済売りが上値を重くするという事だ。
原理の解説はこれで終わり。次は直近の動向に注目する。
直近、日足では緩やかな角度の平行チャネルレンジが確認できる。
上げ幅限定的、下げ幅限定的な相場。簡単にいうと上昇しているように見えるだけのレンジ相場。
これは投資家の気の迷いを現す。つまり、この中で推移する限りは乱高下相場が継続する。
もはや直近には売りの厚い抵抗領域があり、平行チャネルレンジの上も試せなくなっている。
仮にこういう相場環境で上に抜けても「フェイク」となり下落に転じていくケースが多い。
経験上、急落後広い値幅の中で平行チャネルレンジを形成してきた場合、再度急落に転じることが多い。
急落を打ち消す圧力が弱い。つまり下落トレンドの継続を意味する。
例を挙げておこう。
WTI原油(過去の4時間足)
つまり、現時点で買い場を探す選択肢は無い。売り場を探す。
BTCJPY(4時間足)
月足、週足、日足でも下目線でコンセンサスした。最後は4時間足。
このトレンドラインを下抜ければ一気に下抜けを想像するだろうが、それは妄想に近い。
過去のチャートを見てみると。68-74万円の幅でかなり不規則な乱高下相場を形成していることが分かる。
こういう領域は投資家が過去に気の迷いを見せた現れで、投資家は過去に迷った水準で再び迷いを見せる。
これが投資家心理というものだ。
つまり、トレンドラインを下抜いたとしても一気に本格急落に転じるわけではなく、短期的な急落を形成した後、時間をかけて68万円割れを試していくとみるのが合理的解釈。
簡単なイメージ
値動きも煮詰まってきた。下抜けていく確率が高い相場。
短期トレーダーとしては暴落を妄想した売り場を探すのではなく、短期的急落を狙った売り場探しに徹していく。
Twitter:御堂唯也 さくらインベスト@Mido_yuiya
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※本記事の意見や予測は、筆者の個人的な見解であり、金融商品の売買を推奨を行うものではありません。
投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。