IOTAはIoT(モノのインターネット)に最適に作られた仮想通貨です。Tangleというブロックチェーンを応用した独自の分散型台帳や、手数料が無料といった特徴を持っています。

また、マイクロペイメントが可能であることから、IoT以外にも多様なユースケースが想定できるため注目を集めています。

IOTA(アイオタ・MIOTA)とは

IOTAは2015年11月25日にICOが開始された仮想通貨です。特徴の部分で詳しく説明しますが、Tangleという独自の分散型台帳を利用することにより、マイニングをなくし手数料の無料化を実現しています。

それにより、常時ネットワークに接続しながら取引が必要なIoTでの利用に最適な通貨となっているのです。

IOTA基本情報

公式サイト:https://www.iota.org/
公式twitter: https://twitter.com/iotatoken
ホワイトペーパー:https://iota.readme.io/docs/whitepaper

IOTAの時価総額は11位(2018/10/3時点)となっています。上場時から、上位20位以内に着けており、一時は4位まで順位を上げたこともある人気銘柄の一つです。

直近では時価総額23億ドル(およそ2600億円)の時価総額を誇っています。

IoTやマイクロペイメントへの適正から、国連の研究開発機関UNOPSと協力関係を結んだことを2018年5月22日に発表しました。

UNOPS側はIOTAが有する機能が、不特定多数の主体との共同作業を行いながら問題解決を図らなければならない国連において、事業革新をもたらすものと考えているようです。

IOTAの特徴を示すと代表的なものは下記の4つになります。

  • •    DAG(Tangle)
  • •    IoTに特化したシステム
  • •    取引手数料が無料
  • •    セキュリティが強固

次にその特徴を1つずつ解説していきます。

IOTA(アイオタ・MIOTA)の4つの特徴

DAG(Tangle)

IOTAの持つ最大の特徴が、ブロックチェーンではなくDAGという類似技術を採用していることです。そのDAGによって作られたIOTAの根幹をなす台帳がtangleになります。

そもそもDAG(Directed acyclic graph)とは、数学用語で有向非循環グラフを意味します。聞き慣れない言葉ですが、その構造を端的に表すと以下の図のようになります。

Wikipediaより引用

図の丸い図形からまっすぐに伸びる矢印がブロックチェーンであり、前後一つずつのブロックを伴って1本の鎖のように形成されています。対して、DAGではブロックチェーンと同じく一方向に矢印が伸びていますが、丸い図形に着目すると複数本の矢印が後に続くブロックへと伸びています。

鎖のようにブロック同士が直線で結びつくブロックチェーンの構造に対して、DAGは複数の矢印が絡み合って繊維状の構造を取っています。

これにより、DAGはより多くのトランザクションを処理することができ、ブロックチェーンにおけるスケーラビリティ問題の一つの解決策として注目されているのです。
IOTAにおけるDAGの構造は「Tangle」と呼ばれ、以下の図のようになっています。前述したDAGの構造をしており、四角形がトランザクションを示しそこから伸びる矢印で繋げられることで分散型台帳を形成していることが見て取れます。

ビットコインにおけるブロックサイズといった構造を持っていないことから、理論上はトランザクションを無制限に処理することができます。

 IOTA Whitepaparから引用

また、DAGを活用することにより、ネットワークによる承認という作業、つまりマイニングが必要なくなることで手数料無料かつ高速な取引を実現しました。

なぜこのようなことが可能かというと、ビットコインのように取引を承認するマイナー(取引の承認者)が存在せず、利用者一人一人がマイナーとなっているからです。

トランザクションの生成時に、当該トランザクションより2つ前のトランザクションを参照(承認)しなければいけないのがTangleの原則となっています。

この承認時にProof of Work(PoW)におけるナンス値探しの計算が行われます。Tangleはスタート時点でIOTAトークンがすべて生成されているため(ICO時にトークンを配布済み)、別途でマイニング報酬を設定する必要がないのです。

IOTAに採用されているDAGという技術はまだまだ利用ケースはあまり多くありません。

しかし、現在仮想通貨に採用されているブロックチェーンは取引規模拡大によるスケーラビリティ問題、量子コンピュータの登場によるハッキング被害といった問題を抱えており、こうした問題を解決する新たな方法としてDAGは今後シェアを獲得していくともいわれています。

IoTに特化したシステム

DAGのもう一つの大きな特徴が、IoTに特化したシステムです。IoTは繰り返しになりますが(Internet of things モノのインターネット)の略称で、パソコン以外では例えば車、コーヒーメーカー、掃除機、洗濯機など日常に必要なありとあらゆるものをインターネットに接続することによって、情報の管理を効率化することを目的としています。

仮想通貨でもユースケースとして、IoT分野を想定した通貨は存在していますが、その時大きな問題として立ちはだかったのが、仮想通貨そのものの仕組みです。先ほど説明したように、仮想通貨はブロックチェーンという仕組みによって取引の承認作業を行っています。仕組み上毎回承認作業が行われなくてはならず、一回一回の取引に手数料が必要になってしまうのです。

つまり、サービスにブロックチェーン技術を基盤とする仮想通貨を採用した場合、何か一つの作業を行うごとに、承認作業が必要になってしまうことで莫大な時間、電力、そして手数料が必要になってしまいます。

常にインターネットに接続し、情報を管理しなくてはならないIoTではこの問題が直接悪影響を与えてしまいます。

その点、IOTAではこの問題を克服していると言えます。DAGを採用することによって、取引の承認に必要なマイニングのような作業は必要なくなり、もちろん手数料もかかりません。つまり常時接続が必要なIoTを利用したサービスに利用しても問題が発生しないと言うことになります。

また、後述しますが、セキュリティ耐性にも優れており、常時複数のデバイスをインターネットに介して接続しなくてはならない事態でも、安定したパフォーマンスを発揮できる可能性があります。

取引手数料が無料

取引手数料が無料だという特徴はIoT以外にも様々なユースケースで活用が可能でしょう。

なぜなら、取引手数料がかからないことによって、従来のクレジットカード、デビットカードでは購入価格よりも決済手数料が高くなってしまうため現実的でなかったマイクロペイメントが可能になるからです。

仮想通貨も当初は取引手数料が、クレジットカードと比べて非常に安いこと、それによりマイクロペイメントができることをうたっていました。しかし、規模拡大によって価格が高騰してしまったことで、通貨価格ベースの取引手数料を設定している多くの仮想通貨ではマイクロペイメントの実現が困難になってしまいました。

そのなかで、繰り返しにはなりますがDAGを利用することによって、マイニングの必要がなくなった、IOTAではそもそも取引手数料が必要ありません。つまり、マイクロペイメントの実現が可能なのです。

マイクロペイメントが可能であれば、例えば、インターネットコンテンツに対する投げ銭的な課金。あるいはユニセフ、NPO団体など公益な法人に対する少額の募金もすべてネット上から行うことができます。

将来的には、ネット上を通じて相手に直接少額な資金を提示することもできるでしょう。

セキュリティが強固

IOTAはセキュリティ体制が強固であるという特徴があります。Curl(現在ではKerlに改正)と呼ばれるハッシュ関数を採用することによって、量子コンピュータに対する耐性を持っています。量子コンピュータはこれまでに使われていたコンピュータに比べはるかに演算能力が優れているといわれています(スーパーコンピュータの1億倍ほど)。

そのため、これまで分散型の特徴によって困難だといわれていた51%攻撃、トランザクションの改ざんといった様々な攻撃が可能になってしまうという大きな問題を持っていました。

IOTAは量子コンピュータ耐性を持つため、こうした量子コンピュータによって生じる可能性のある新たな攻撃を防ぐことができるのです。

また、IOTAでは取引のたびに異なるアドレスや秘密鍵が必要になります。これにより、DAGを使って個別に様々な機器やサービスをTangle上でつないだとしても、セキュリティ的に問題の出ないように取引を行うことを可能にしています。

IOTA(アイオタ・MIOTA)の価格動向

IOTAの特徴に関して詳しく解説してきました。ここからは、チャートを見ながらIOTAの価格動向を見ていきましょう。

チャート

IOTAはこれまでに4回ほど大きな価格の動きがあります。

CoinMarketCapより引用

一つは発行当初に行われた仮想通貨取引所であるBitfinexへの上場です。2017年6月にbitfinexに上場したIOTAこの際なんといきなり当初の金額の500倍以上に跳ね上がり、上場後一気に時価総額ランキング6位へと昇り詰めました。

ただ、その後IOTAの信頼を揺るがす、独自のハッシュ関数であるCurlが書き換えられてしまうという脆弱性が9月に露見。その後10月まで下落基調を続けています。

もう一度価格の高騰が起こったのが、仮想通貨バブルともいわれた2017年12月のことです。マイクロソフトとの提携が発表されたという好材料もあってか価格は4倍近くまで跳ね上がり、一時日本円で600円ほどまで急騰しました。

ただ、この後はそのほかの仮想通貨と同じように価格が急落しています。

直近で起こった価格の大きな動きが2018年4月~5月にかけて起こりました。この時期に上で説明した国連の期間UNOPSやIoTのプラットフォームプロバイダである、kontakto.ioとの提携を発表。そのことが好材料となり価格が上がっています。

ただ、その一方で期待感を持たれていた提携先の一つであるロンドン大学ブロックチェーン研究センターが5月2日に脆弱性の問題、それによる研究者への訴訟問題への懸念から、IOTAとの提携解消を発表し、若干価格が下落するという流れも起こっています。

 

<本記事ご協力>

ビットコインなどの仮想通貨をまとめたメディア『FinAlt』が提供

  finalt