NEMは、新しい経済圏を創出するためのプラットフォームであり、現在はカタパルトと呼ばれる大型アップデートの実装が期待されています。
2018年1月に日本国内で発生した仮想通貨取引所Coincheckのハッキング事件でNEMが流出して以降、NEMの話題で盛り上がることは少なくなってしまった印象です。
NEMの大幅なアップデートであるカタパルトに関しても、プライベートブロックチェーンmijinでカタパルトが実装されてから大きな動きはありません。
加えて、開発元であるテックビューロの解散を受けてNEMのアップデートが停滞する可能性もあります。
しかし、NEMの世界的な流通をサポートするNEM財団は、企業や政府団体との提携を積極的に行っています。
最近のNEM財団の活動状況はどうなっているのでしょうか?直近の活動をいくつか見てみましょう。
GeensNPOとの提携
GeensNPOとネム財団の提携の目的は、NEMのプラットフォームを利用して、有用なアプリケーションを構築することにあります。
ブロックチェーン技術は、情報の証明、決済などに有用性を持っており、GeensNPOはNEMとの提携によって新しいサービスの構築を行うことを目指すとしています。
実際、NEMのシステムは、セキュリティーに関しては世界的に高い評価を受けています。承認アルゴリズムであるPoI、マイニング方式であるハーヴェスティングなど、あらゆる仮想通貨の中でもトップクラスのセキュリティーを誇っていると言えるでしょう。
GeensNPOが最先端のデジタルサービスの促進を行うNPOであることから、今後NEMを使用したサービスやシステムの実装が期待できます。
参考:Twitter
アラブ首長国連邦(UAE)との提携
NEM財団は、アラブ首長国連邦(UAE)の地方自治開発省(MOCD)と提携を結んでいます。UAEとの提携において、NEMは非常に重要な立ち位置を担うことになるでしょう。
21年までに、UAEは政府を完全にデジタル化する意向であり、政府機関の根幹を成すシステムにNEMのプラットフォームが使用されると予想されるからです。
また、この提携の目的として、地域のコミュニケーションをNEMのプラットフォーム上で行い、革新的で継続可能な技術を提供していくことにあります。
つまり、NEMのプラットフォームは、政府のシステムの一部として、認証や情報処理など総合的なデータ処理を行う必要があり、UAEとNEMはお互いに協力してサービスの提供やシステムの構築を行っていく予定です。
実際に、UAEでは既にNEM以外にもIBMのブロックチェーン技術なども取り入れている状況です。
参考:How the UAE is empowering its citizens through blockchain
NEM財団の活動は、海外を中心に展開されており、日本からはその活動がわかりやすい形で見えることは少ないかもしれません。
しかし、世界最大の分散型アプリケーションGIFTOや今回取り上げたGeensNPO、UAEとの提携なども加味したうえでNEMの将来性を考慮する必要があるでしょう。
Twitter:千歳悠@ライター@chitose_haruka
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