ビットコインにはマイニングという仕組みがあります。
マイニングとはマイナーと言われる事業者が各ブロックチェーン間の整合性を保ち、その報酬としてその仮想通貨を得る行為のことを言います。

ここで言いたいのは、計算能力や保有量など、何かを提供した結果、見返り(報酬)として仮想通貨が得られる場合がある、ということです。

すなわち、保有する仮想通貨が増加することになります。

では、マイニング等を行った場合にどのように会計処理を行ったらよいかというのをこの章で説明していきます。

1. ビットコインやアルトコインのマイニングを行った場合

税金をどのように計算するかをおさらいしましょう。

税金はざっくり以下の方法で計算していきます。

売上高 経費 = 利益 利益× 税率(所得税の税率)=税金の金額
このうち、利益は「売上高」と「経費」がわかれば自動的に計算されます。
利益が決まれば 「税率」も自動的に計算されます。
よって、「売上高」と「経費」がわかれば、マイニング報酬の税額がわかることになります。

 

マイニングにおける売上高について

マイニングにおける売上高とは「マイニングで得たビットコイン」です。

ビットコインのマイニングで得られた報酬は報酬用のウォレットに送られますが、このウォレットに送られたビットコインの総額を売上高として計上します。
なお、マイニングの売上高の計上は、採掘時点、つまりマイニングが完了しウォレットにビットコインが送金された時点のことを言います。
円に換えた時点ではないので注意が必要です。
 

経費について

経費とは「売上を上げるために直接かかった支出」のことを言います。
電気代や通信費、マイニングPCなどが経費になります。
ほかに何がどこまで経費になるかは、判断が難しいところになるので、「売上を上げるために直接かかった支出」かどうかを基準に考えてみてください。
なお、マイニングPCは金額が大きい場合、一括で経費にならない場合がある(減価償却と言います)ので、気をつける必要があります。こちらについては後ほど説明します。

では、マイニング利益と税額を計算していきましょう。ここで計算した利益については、個人の場合は雑所得として計上します。仮想通貨のトレードや売買で得た利益と同じです。

事業的な規模で行っている場合には、事業所得として計上することになります。

事業的規模とは、ざっくり言うと「相当の期間の間、一定規模の利益を上げていること」が条件になります。

事業所得になるか雑所得になるかの判断ですが、そんなに本気でマイニングをやっていない方は雑所得で計上しておけば問題ないと思います。

2. ハーベスト(NEM)、VOTE(LSK)などのステーキング報酬を得た場合

アルトコインについて、ステーキング報酬を得た場合の会計処理について解説します。

通常、保有していること等が条件で仮想通貨が割り与えられるものを言います。

コインチェッ クの銘柄で言うと、NEM(PoI)やLISK(DPoS)などが該当します。

配当のある取引所トークンの報酬もこちらに該当しますので、あわせて説明します。

結論から言うと内容は、ビットコインのマイニング報酬の場合と同じです。
税金の計算方法は以下のとおりです。

売上高 経費 = 利益 利益× 税率(所得税の税率)=税金の金額

続いて、ステーキングに関する「売上高」と「経費」について、順番に見ていきしょう。
 

売上高について

ステーキングにおける売上高とは「ステーキングで得た仮想通貨」です。
マイニングで得られた報酬は報酬用のウォレットに送られます。
このウォレットに送られた仮想通貨の総額を売上高として計上します。
なお、ステーキング報酬の売上高の計上は、通貨の付与時点、つまりウォレットに仮想通貨が送金された時点のことをいいます。
円に換えた時点ではないので注意が必要です。
 

経費について

ステーキングに必要な経費はほとんどない、もしくはゼロ円になります。
マイニングと違い、電力の消費などもありません。計上できて、ギリギリ通信費くらいでしょうか。
なので、売上の金額がそのまま利益になることが多いです。

仮想通貨の保有が条件なのであれば、仮想通貨の購入代金が経費になると考えられなくもないですが、残念ながら経費にはなりません。

まとめると、ステーキング報酬の場合は、売上高(ステーキング報酬)がほとんどそのまま利益になってくる可能性が高いと考えられます。

 

3. マイニングPCの税務処理方法

マイニングを行うためには、マイニングを行うためのPCが必須になります。

この場合、購入したPCは一括で経費に落とすことができるでしょうか?

もし、マイニングPCのような 高価なものを一括で経費にすることができたとしたら、頭の良い人は次のように考えるかもしれません。

今期は利益がたくさん出たから節税したいな。そうだ、マイニングPCをたくさん買って、出た利益をすべて全部PCの購入費用で充てて、税金をゼロ円にしてしまおう。翌年はマイニング報酬も入るし、節税もできて、最高だな!」利益が出て、その利益でまたマイニングPCを買って...。
毎年これを繰り返したら、国としては税金を永遠に取りっぱぐれてしまいますよね。

国も馬鹿ではありませんから、こういった税金対策について一定の制限をかけています。

簡単に言うと、もしマイニングPCが10万円未満で購入できるような安価なものだった場合、一括で経費として計上できます。

一方、10万円以上の価格となった場合は、一定の期間(新品 のものであれば4年)で段階的に経費にすることにしているのです。

これを減価償却と言います。
パソコンは1年で使えなくなることはほとんどないので、使える期間に応じて段階的に経費に振り替えることにしているわけです。

ただし10万円未満の金額的に僅少なPCまで、長年管理するのは大変です。
税務上はそこで「一括に経費にしてもいいよ」ということになっています。

経費として計上できるのは、あくまでパソコンがパソコンとして動く最小単位の状態にあることが条件です。

手作りパソコンのように、メモリ、HDD...などと分けて購入しても、組み立てた後の合計が10万円を超えてしまった場合は、残念ながら一括で経費にはできません。

注意が必要です。
補足ですが、マイニングを事業として行っている場合で、事業所得について「青色申告の承認申請書」を税務署に提出している場合は、1基あたり30万円まで一括で経費にすることができます。

マイニングを事業として行う場合は覚えておくといいかもしれません。

マイニングPCなど高価なものは会計上、減価償却を行う必要があります。一括で経費にで きないという点には留意してください

 

4. クラウドマイニングの投資の税務処理方法

クラウドマイニングについての会計処理を説明します。

クラウドマイニングとはマイニングPCを自分で購入するのではなく、マイニング大手が保有しているPCの計算能力(ハッシュレート)を購入することを言います。

ざっくり言ってしまうと、「1日〇BTCを採掘できる権利を買う」という意味合いですね。

大手で言うと、国内だとGMO、海外だとGenesis MiningやHashFlareなどが取り扱っています。(2018年12月26日現在、GMOは撤退したようです)

通常のマイニングとの違いは、マイニングPCの所有権にあります。
PCが自分のものなのか、外部業者が保有しているのかの違いがある、ということです。

さらにクラウドマイニングには、1年など期限付きで採掘ができるものと、永久に採掘できるものがあります。

契約期間によっても会計処理が変わってきます。

それでは、会計的な視点から具体的に見てみましょう。

まず、1年契約であれば、金額の多寡にもよりますが、一般的には、マイニングの対価を支払った時点で、一括で経費計上できるものと考えられます。

契約期間で期間按分する必要はありません。一方、2年以上の契約の場合、支払った金額を契約期間で按分する必要があります。

たとえば2年契約で平成30年10月28日からスタートした場合、10月、11月、12月の3ヵ月分が、平成30年度の確定申告時の経費になります。

よって、平成30年中は支払った金額の3ヵ月/24ヵ月しか経費に入れられないことになります。

クラウドマイニングが無期契約の場合、契約期間というものが存在しません。
この場合の税務上の取扱いはどうなるかというと、「繰延資産(役務の提供を受けるために支出する権利金等)」に該当することになります。

その場合の按分期間は、5年になります。
ただし、金額が20万円未満であれば、一括経費計上をすることができます。

ここまでをまとめると、以下のようになります。

  1. 1.クラウドマイニングが1年未満の契約 一括経費計上
  2. 2.1年以上~契約期間が存在する場合 期間按分して計上
  3. 3.無期契約の場合 5年で期間按分( 20万円未満は一括経費計上)

 

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作者:小山 晃弘

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