前編では、マイニングで得た仮想通貨の盗難リスクについて解説しました。
前回の記事をご覧になっていない方は、まず前編からお読みになることをおすすめします。
前編では、ブルートフォースアタック対策として「パスワードを工夫して破られにくくする方法」について解説しました。
本コラムでは、さらにセキュリティー性を高める方法や、別の仮想通貨保管方法を解説していきます。
所有している仮想通貨の金額が大きい方は、前編の方法と組み合わせることで、さらにセキュリティーを高めることができます。
自分の許可がないとログインできない二段階認証
仮想通貨を保管する多くのホットウォレットには、二段階認証、または二要素認証の機能がついています。
その言葉をご覧になったことがなくても、「スマホ認証」などの名前で提供されていることもあるので、それなら見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。
二段階認証や二要素認証というのは、IDとパスワードという1つのログイン手続きだけでなく、もう1つ関門を設けてそれをクリアできないとログインできないというセキュリティー手法です。
例えばスマホ認証の場合は、スマホにあらかじめ専用のアプリを入れておいて、仮想通貨を保管しているホットウォレットにログインしようとして必要な情報を入れると、アプリを入れているスマホに通知が来ます。
その通知に答えてログインを許可しないとログインできないため、もし何者かにIDやパスワードを盗まれたとしてもスマホ認証をクリアできないので、不正アクセスされる心配があります。
もちろんそんな心当たりもないのにログインしようとしている何者かがいるというのは危険なので、早急にパスワードを前編でご紹介したように強固なものに変更するのは言うまでもありません。
二段階認証、二要素認証は他にも乱数表によるものや、スマホアプリやトークンで一度だけ使えるパスワードを発行するものなどがあります。
ご利用になっている仮想通貨の口座やホットウォレットにもそのような機能があると思いますので、ぜひ設定しておいてください。
コールドウォレットで最強のセキュリティーを実現
オンライン上に仮想通貨を保管するホットウォレットとは、まったく価値観の異なる保管方法があります。
オンライン上ではなく自分で管理する機器や紙で保管するこうしたウォレットのことを、コールドウォレットといいます。
コールドウォレットとして最も有名なのが、USBメモリーのようなものをUSB端子に接続して、そこに仮想通貨を保存するタイプのハードウェアウォレットです。
「Trezor」と「Ledger Nano」という製品がとても有名です。
これらハードウェアウォレットに仮想通貨を保管しておくと、すでにオンライン上には保管されていないため、文字通り金庫のように自分の管理下に置くことができます。
仮想通貨なのに紙で保管?!
さらにもうひとつ、コールドウォレットの代表格としてペーパーウォレットもご紹介しましょう。
ペーパーという名前の通り、紙に印刷して保管する方法です。「え?仮想通貨なのに紙?!」と思われる方も多いと思います。
ペーパーウォレットは、紙にバーコードを印刷して、そのバーコード情報で仮想通貨を保管する方法です。
紙なのでお金がかかりませんし、それを金庫に入れておけばオンライン上でどんなにハッキングに遭ったとしても絶対に盗み出すことはできません。
ただ、ペーパーウォレットの弱点は紙であるがゆえに失くしてしまったり、他の書類と一緒に捨ててしまう恐れがあることです。
また、紙なので時間が経つとボロボロになってしまうというリスクもあります。
これについては、金庫など他のものと混じることがないと場所での保管や、定期的に新しいものを印刷しなおしておくといった工夫が有効です。
大切な仮想通貨を守るのは自分自身
マイニングに参入する人が増える中、その難易度やコストはどんどん高くなっています。
それだけにせっかくマイニングで稼いだ仮想通貨を泥棒から守ることはとても重要です。
盗む側の心理を考えても、マイニングが難しくなってきているのなら盗んだほうが早い、となるのは当然でしょう。
それだけに、これまでと同じセキュリティーでは盗まれるリスクが高くなってしまうので、これまでに紹介した方法を参考に、大切な仮想通貨をしっかりと守っていきましょう。
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