株式市場が不安定な動きを見せる中、ビットコインが伝統的な安全資産である金(ゴールド)と同様の値動きを示し、株式との連動性を断ち切る「デカップリング」現象が観測されています。
専門家は米国の政治・経済的な不確実性が高まる中で投資家の資金が米国から代替資産へと向かう「資本逃避」の動きがビットコイン価格を後押ししている可能性を指摘しています。
米国の不確実性とビットコインへの資金流入
Options InsightのImran Lakha氏は「株式は依然としてプレッシャーを受けていますが、ビットコインは分離し金と同様に安全資産としての買いを集め始めています」と述べ、この背景には米国の政治情勢が影響しているとの見方を示しました。特に、トランプ前大統領がFRB(連邦準備制度理事会)の独立性を疑問視するような発言をしていることやパウエル議長がインフレ懸念から金融引き締め姿勢を崩さないことが米国の信頼性への懸念を生んでいると指摘されています。
Lakha氏は「これにより米国からの資本逃避が引き起こされ、ビットコインのような代替資産に資金が向かっています」と分析。さらに、オプション市場の動向にも触れ「投資家はビットコインが金のようなスタイルのブレイクアウト(急騰)を見せる可能性を見ています」と語りました。
リスク資産と安全資産の「二刀流」
FRNT FinancialのDavid Brickell氏はビットコインの特性について、より多角的な見方を示しています。同氏はビットコインを「リスク分布の両端をカバーする資産」と表現し「究極のリスクオン資産であると同時に経済的・政治的構造の混乱に対するヘッジでもある」と解説しました。現在の局面では後者の「安全資産」としての側面、特に国境を越えて移動可能で特定の国家に依存しない「非主権的なドル代替資産」としての魅力が高まっていると分析しています。
ドル安がもたらす世界的な流動性拡大
Brickell氏はさらに、現在のドル安傾向がビットコインにとって追い風となる可能性も指摘しました。同氏は「ドル安は他の国々の中央銀行が自国通貨高を抑えるためにドル買い介入を行うことを可能にし、世界の流動性(マネーサプライ)を増加させる可能性があります」とコメントしています。
今後の展望
米国の政治・経済を巡る不透明感は当面続くと見られています。
こうした状況下でビットコインが金と同様の安全資産、あるいは米ドルに代わる価値の保存手段として投資家のポートフォリオの中で存在感を増していくのか、市場関係者の注目が集まっています。
記事ソース:Spotify
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