仮想通貨元年と言われた2017年。年末にかけて価格は軒並み高騰し、ニュースなどでも大きく取り上げられました。そして続く2018年はブロックチェーン元年だったとも言われています。ブロックチェーン技術が実際に目に見えるサービスとして活用され始め、わたしたちにとってより身近な存在となりました。
このように仮想通貨とブロックチェーンが浸透してきた背景は、早くから市場を支えてきた主要通貨なしに語れません。ビットコイン、イーサリアム、リップルといった有名通貨の存在・功績はだれもが知るところだと思います。この記事では、そんな主要通貨の中から、時価総額3位(2019年4月現在)リップルの概要や特徴これまでや今後の動きを掘り下げます。
Ripple(リップル/XRP)の基本情報
コインの名称/Ripple
ティッカー/XRP
総発行量/1,000億枚
時価総額/1兆4,300億円
現在の発行量/420億枚
※時価総額と現在の発行量については、2019年4月30日時点の情報。
Ripple(リップル/XRP)の特徴
リップルにはビットコインをはじめとした一般的な仮想通貨とは異なる特徴があります。それは、中央管理者が存在しているという点。ほとんどの仮想通貨は、分散管理(中央管理者なしで管理されること)を特徴としていますが、リップルは発行母体であるRipple社によって管理される仮想通貨です。
また、「Ripple」は仮想通貨の名前のように思われていますが、厳密にはRipple社が掲げるプロジェクト名です。Rippleネットワークに使われる仮想通貨が、一般的にリップルと呼ばれている「XRP」なのです。
Ripple社はブロックチェーンを用いて独自に開発したRippleネットワークを使い、高速・安価な国際送金(国をまたぐ銀行間での送金処理)を可能としました。その送金の際に使用される通貨「XRP」は、すでにRipple社によって1,000億枚すべてが発行されています。取引にともなって発生した手数料は管理者であるRipple社によって回収され、その数を徐々に減らしていく仕組みです。
さらにリップルが他の仮想通貨と異なる点は、銀行などの金融機関同士をつなげて法定通貨の国際送金をサポートしている点にもあります。すでに世界中の金融機関がリップルに注目しており、実際に国際間での送金実験もおこなわれました。Rippleネットワークと提携している金融機関は日本にも存在しています。
このように金融機関同士をつなげるリップルのような仮想通貨を総称して「ブリッジ通貨」と呼びます。
Ripple(リップル/XRP)が世界で求められている理由
国際送金をおこなう場合、多くの手間と高い手数料が必要となります。国外に住む家族に生活費や給料を送る際にもこの手間や手数料は負担となるもの。現在のこのシステムはインターネット登場前から作られたもので、当然国ごとに別々の仕組みです。この点が仲介銀行を経由するたびに手数料が加算される理由ともなっています。
Ripple(リップル/XRP)のメリット
国外に出稼ぎや、留学している人に大きなメリット
銀行間の送金に特化しているので、Rippleシステムを銀行が使うことで国際送金をスピーディーかつ格安でおこなえます。本来であれば、複数の手続きや手数料が必要な国際送金ですが、リップルを使えば、法定通貨→XRP→別の法定通貨というように簡略化された手続きで送金が可能。当然プロセスが少ない分だけ、手数料も少なく済みます。
Rippleにはマイニングが存在しない
リップルによる取引は中央管理者であるRipple社によって管理されています。そのため、マイナーによるマイニングの必要がなく、マイナーに手数料を支払う必要がありません。Ripple社へと支払われるわずかな手数料のみで取引をおこなえる点は、リップルにおける大きなメリットだと言えるでしょう。
また、マイナーが存在していないため、ビットコインのように一部のマイナーに権力が集中する心配もありません。技術的なアップロードが実施しやすく、手数料が高くなる懸念がない点もリップルのメリットです。
ビットコインの欠陥を補うために作られた
Rippleネットワークはビットコインより早く取引を完結させることを目的としています。 ビットコインはスケーラビリティ問題や手数料が高い問題を抱えています。対してRippleは法定通貨にかわる通貨になるのではなく、金融機関と協力をしている点でビットコインと差別化ができています。
Ripple(リップル/XRP)のこれまでの価格推移について
リップルは2017年12月上旬までほぼ20円台をキープしていましたが、12月14日以降、価格を大きく上げ、140円台を記録しました。その理由の一つとして、それまで発行したXRPの60%を保有していたRipple社が、第三者機関に預けたことが考えられます。
また、12月13日の日経新聞にも掲載されたことで知名度が上がったことや、ロップアップが完了したとリップル社から発表があったことも追い風となりました。
さらに2018年1月4日には400円まで高騰。時価総額ランキングもそれまでの第4位からイーサリアムを抜いて第2位となりました。
しかしその後市場全体の暴落による影響で、リップルも103円程まで下落。一時は187円まで回復したものの、その後は他の仮想通貨とおなじく低迷が続いています。2019年4月現在の価格は約30円ほど。少しずつ市場全体が回復してきていることもあり、上昇傾向にあります。時価総額ランキングでは、ビットコイン、イーサリアムに続く、第3位。4番手のEOSと比較すると、3倍近い時価総額となっているので、しばらくは現在の地位が続いていくでしょう。
Ripple(リップル/XRP)が購入できるおすすめ取引所
リップルは国内でも多くの取引所で取り扱われています。DMM Bitcoin、GMOコイン、Coincheck、BITPOINT、bitbankなど、選択肢は幅広いので、自分にとって都合のいい取引所・販売所を選んでみてはいかがでしょうか?
もちろん海外にも取扱取引所は多くあります。アルトコインを多く取引したい場合には、海外の取引所でリップルの取引を始めるのもおすすめです。
Ripple(リップル/XRP)、これまでの動きと今後
リップルには2017年後半から前向きなニュースが多く聞かれました。日韓間の送金実験、内外為替一元化コンソーシアムによるRipple社技術の活用、三菱UFJ銀行による海外送金実験などが主なものです。
金融機関との協力姿勢を打ち出している背景もあり、2018年以降もリップルには前向きなニュースが続きました。
- 2018年1月、ビジネスインサイダーが『2018年を彩るスタートアップ50社』にRipple社を選出
- 2018年2月、中国の大手決済サービス会社「連連」、世界最大の送金業者「UAEエクスチェンジ」がRippleNetに参加
- 2018年4月、サンタンデール銀行がRippleNet活用の国際送金サービスを開始
- 2018年5月、スタートアップにXRPの出資をおこなうコンソーシアム「Xpring」をRipple社が発表
- 2018年6月、SBIグループの取引所、SBIVCがXRPの取扱を開始
- 2018年7月、米有名歌手のマドンナがRipple社と提携する募金活動を発表
- 2018年10月、SBI Ripple Asiaが運営するスマホ送金アプリ「Money Tap」が稼働
- 2018年10月、住信SBIネット銀行、りそな銀行、スルガ銀行がMoney Tap活用の送金サービスを開始
- 2018年11月、JCBや三井住友カード、クレディセゾン、イオンクレジット、アメックスなどがクレジットカードへの不正対策としてSBI Ripple Asiaと連携
- 2018年12月、大手取引所BinanceがXRP基軸のペアを追加すると発表
- 2018年12月、UAEエクスチェンジが2019年第1四半期までにRippleNet活用の国際送金サービスを開始すると発表
仮想通貨市場が下火となっている状況にあってこれだけ明るいニュースが続くのは、実用性の面でメリットの大きいリップルだからこそ。ひとつのブロックチェーン技術としてリップルはインフラとなりつつあります。ここにリップルの将来性を感じることができるでしょう。
もちろん2019年以降も明るいニュースは続いています。
- 米大手格付け機関ワイスレーティング社が、XRPは世界一の仮想通貨になる予想を発表
- RippleNetの参加金融機関が200を突破
- 米取引所CoinbaseがXRPの取扱を開始
- 世界銀行が公式サイト上でxRapidについて前向きに言及
- SBIホールディングスの北尾吉孝がRipple社取締役に就任
- ナスダックが米ドル建てのXRP指数を公表
仮想通貨市場の規模にかかわらず浸透を続けるリップル。投機や投資の対象としてではなく、金融システムになくてはならないものとして、最も有名な仮想通貨になる日も遠くないのかもしれません。
*Ripple総合サイト参照(http://gtgox.com/history-of-ripple/)
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