中国から感染拡大した新型コロナウイルス(COVID-19)が、経済にも大打撃を与えています。
東京五輪の開催も危ぶまれる中で、ニューヨーク株式市場も東京株式市場も記録的な値下がりを更新しています。大暴落が起こる中で、「安全資産に逃しておきたい」と思っている方は多いでしょう。
この記事では、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、WHOがパンデミック宣言をしてからの仮想通貨市場の影響と、安全資産に対する考え方の移り変わりについて解説します。
【新型コロナウイルス】WHOが3月11日にパンデミック宣言
2020年3月11日に世界保健機関(WHO)が、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、世界的大流行とみなすパンデミック宣言をしました。
【新型コロナウイルス】現在の感染者数と死亡者数はこちら
https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/coronavirus-world-map/
世界中で感染症への懸念が高まり、世界規模で「売り注文」の連鎖が加速しました。ニューヨーク株式市場の株価は急落。「S&P500」と呼ばれる主要な株価指数の下落率が7%に達したことにより、取引開始から約5分で売買が自動停止にする事態になりました。
【パンデミック宣言後】BTC・ETHともに20%以上下落
仮想通貨市場も同様にパンデミック宣言によって影響を受けました。3月13日時点ではBTC(ビットコイン)は約21%、ETH(イーサリアム)は27%の下落しています。また、同日の早朝にはBTCが約39%まで下落する事態も発生。仮想通貨市場にも「売り」の傾向が強くなりました。
仮想通貨の取引所である「BitMex(ビットメックス)」では、24時間で7億ドル以上が決算されており、トレーダーが保有している資産を売り払っていることが原因と考えられています。
安全資産「ゴールド」も下落している
世界的な経済危機が起こると、多くのトレーダーが安全資産と言われている「ゴールド(金への投資)」を逃避先に選択する傾向がありましたが、パンデミック宣言後からはゴールドも下落しています。
ゴールドが下落している背景としては、株式での損失が多くなり、キャッシュが必要になったトレーダーがゴールドを売却しているからだと言われています。
仮想通貨もゴールド同様に「逃避先」として選択されていましたが、マイニングファームの稼働停止などが起こったことにより、下落圧力には耐えられなかったようです。
投資家の安全資産は「キャッシュ」に移り変わっている?
アメリカのカルフォルニア州で仮想通貨投資サービスを提供する「iTrustCapital」の調査によると、「現金」を安全資産だと回答したのは2月時点で18%だったのにも関わらず、パンデミック宣言後は28%だとわかりました。一方で、仮想通貨は全体の7%に落ち込んでいる状況です。
「ビットコイン」の検索数が増えている
経済状況の悪化が危惧されているなかで、「Bitcoin」の検索数が過去30日間で増えていると、中国メディアが報じました。
WHOが新型コロナウイルスのパンデミック宣言をしてから、仮想通貨市場は大幅に下落しましたが、「暴落をしたときがチャンス」と捉えている方も一定数いるようです。
アジアでは仮想通貨の取引量が増えている
アジア圏内では「Bitcoin」の検索数だけではなく、仮想通貨の取引量も増え始めています。仮想通貨取引所であるBinance(バイナンス)のCEOは、仮想通貨市場に「CRICサイクル」を起こしていると指摘しています。
「CRICサイクル」とは、「危機(Crysis)反応(Response)改善(Improvement)自己満足(Complecency)」の頭文字を意味しています。
危機が訪れると慌てて反応し、これによって状況が改善されると自己満足を感じるサイクルが繰り返されると言われています。つまり、市場の「売り圧」が強くなると、人々はパニックを引き起こして「売り」に出るのです。もちろん「買い」でも同じことが言えます。
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