この記事では、Curveの概要から使い方・注意点について解説しています。
ステーブルコイン専用のDEXであるCurve。
少し古びた画面が特徴のサービスとなっており、取っつきにくいという印象を持っている方は少なくないはずです。
しかし、実際に利用してみれば、それほど難しいものではありません。
この記事では、そんなCurveの概要・特徴から、使い方・注意点などについて解説しています。
Curveとは?概要・機能について
まず、はじめにCurveの基本的な概要や持っている機能について押さえていきます。
Curveはソフトペッグトークン専用のDEX
Curveの基本的な仕組み・概要は、UniswapのようなDEXと同じです。
取引のマッチングなどにはAMMを実装しており、流動性プールを用いて利用者は間接的に取引を行うことになります。
また、流動性の提供を行うことも可能になっており、流動性を行うと報酬がもらえる仕組みとなっています。
AMM・DEXの詳細については、コチラの記事で解説しています。
Curveが、UniswapのようなDEXと大きく異なる点は、サービス全体が「同じ価値を持つ通貨の交換」に特化している点です。
つまり、何らかの資産と価格が連動(米ドルやビットコインなど)するように設計されたステーブルコインのみを扱っています。
ステーブルコインの交換に特化することで、インパーマネントロス・手数料軽減などが期待でき、ステーブルコインを交換したい方にとっては理想のDeFiとなっています。
DeFiにおけるCurveの立ち位置・規模感
あまり、メジャーではないDeFiを利用したくない・・・という方も少なくないでしょう。
実際のところ、Curveの日本における知名度は他の有名所のDEXと比較するとあまり高くありません。
しかし、CT Analysisのデータによると、2021年8月のデータでは、イーサリアムにおける取引量で3位・6%のシェアを持っています。
上位のUniswap・Sushiswapが幅広い通貨を扱っている一方で、Curveがステーブルコインのみにフォーカスしている点を考慮すると、ステーブルコイン取引における大きなシェアを持っていると言えるのではないでしょうか。
データを引用したCT Analysisでは、WEB・Youtubeでは公開できない「中上級者向けレポート」を「無料で公開」しています。
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Curveの各機能を解説
これから、Curveが持っている各機能を解説していきます。
実際に利用できる機能からCurveの概要を掴んでいきましょう。
取引を行う
上記の画面で、Curveでは取引を行うことが可能です。
画像からも分かりますが、交換できる通貨が米ドルと連動したステーブルコインのみとなっていることが分かります。
プールによっては、米ドルと連動したステーブルコインのみならず、ビットコインをペッグしたrenBTCやwBTCなどにも対応しています。
少しクラシックなデザインとなっていますが、使っていくうちに慣れていくでしょう。
流動性の提供を行う
Curveでは、上記の画面からデポジット(流動性の提供)を行うことが可能です。
流動性の提供を行うことで、LPトークンを獲得することができ、LPトークンは流動性を提供した証明書のような役割を果たします。
ステーキングする
上記の画面では、手に入れたLPトークンをステーキングすることが可能です。
ステーキングすることで、インセンティブを獲得できます。
Curveの使い所について
「ステーブルコインの交換って何か意味あるの?結局同じ価値を持つわけだし・・・」と感じた方も居るかも知れません。
確かに、同じ価値を持つステーブルコイン同士を取引することに違和感は感じられます。
しかし、現在非常に多数のステーブルコインが存在しており、「同じ米ドルのステーブルコインだけど、あれと交換したい」というケースがあります。
例えば、SushiswapのIDOに参加したいと仮定しましょう。
SushiswapのIDOの参加に伴っては、オークションの主催者が設定した「特定の通貨」が必要になります。
過去に実際にあったSushiswapのIDOをチェックしてみると「USDT」を支払いに求めているIDOが確認できました。
この場合、もしも同じく米ドルと連動したUSDCやDAIを持っていたとしても、参加することはできません。
この場合に、必要なのは「USDT」です。
あくまで一例ですが、上記のように「特定のステーブルコインが必要になる」といったケースは、DeFiを利用していると遭遇ことがあります。
このようなケースにおいて、Curveなら効率的に安く「ステーブルコイン」を交換することが可能です。
Curveの4つの特徴
次に、Curveの4つの特徴をご紹介していきます。
Curveがこれほどまでにシェアを持っている根拠となる強み・特徴を探っていきましょう。
手数料が安い
はじめに挙げられる大きなポイントは、Uniswapなどと比較すると、Curveは手数料が安いです。
Curveの手数料は0.04%となっており、ガス代などを考慮するとタイミングによって詳細な手数料は異なりますが、Uniswapと比較すると基本的にリーズナブルなことで定評があります。
手数料のうち、50%は流動性を提供した方への報酬へ、もう50%はCVR(Curveの独自のトークン)保有者へ分配されることになっています。
プールの一部を運用している
Curveの一部のプールは、流動性の一部をCompoudなどのレンディングプロトコルの貸し付け資金として提供しています。
このことから、貸し付け資金として運用されるプールへ流動性を提供すると、Curveでの取引手数料・運用利益の両方を、インセンティブとして受け取ることが可能です。
これにより、他のDeFiへステーブルコインを預けるよりも、高いAPYを実現できる可能性があります。
ただし、sUSD・ren・sbtcなどのプールでは、レンディングプロトコルへの貸し付け資金として運用は行われていないため、注意が必要です。
プールに複数の通貨がある
Uniswapでは、原則として1プール・2通貨となっています。
しかし、Curveではプール内に、3~4通貨が組み込まれていることが少なくありません。
一例として、BUSDプールの通貨をチェックしてみると、4つの米ドル系のステーブルコインが設定されていることが分かります。
このように、Curveでは1つのプールにいくつもの通貨が組み込まれていることがあります。
インパーマネントロスが発生しにくい
通常、AMMを実装したDEXで、収益を得ようと流動性の提供を行うとインパーマネントロスが発生します。
インパーマネントロスとは「通貨ペア間おける価格変動による損失」のことで、大小の差はあれど、流動性の提供を行うとほとんどの確率で発生する損失です。
価格変動によって発生する損失のため、通貨ペア間における価格変動が大きければ大きいほど、損失が大きくなりますが、Curveではステーブルコインを扱っていることから、インパーマネントロスが発生しにくいです。
このことから、損失を抑えた上で流動性の提供を行うことが可能となっており、運用による収益を期待している方にとっては大きなメリットでしょう。
Curveの取引から流動性の提供までの使い方を1から解説
これから、Curveの実際の使い方を細かく解説していきます。
「まだ、仮想通貨を購入したことがない」っといた方でも、利用できるように解説しているので、初心者の方もぜひチェックしてみてください。
Curveを利用するための下準備
まず、はじめにCurveを利用するための下準備をご紹介していきます。(すでにCurveで利用できるステーブルコインを保有している方は飛ばしてOKです)
Curveを利用するには、以下のような準備が必要です。
- 仮想通貨の購入
- ステーブルコインの購入
- ウォレット作成と送金
- Curveとウォレットの接続
一つ一つチェックしていきましょう。
仮想通貨を購入
まず、はじめに何らかの仮想通貨を購入しましょう。
はじめて仮想通貨を購入する方は、イーサリアムの購入がおすすめです。
日本円からイーサリアムなどの仮想通貨を入手する場合は、国内仮想通貨取引所での口座開設と購入が必要となります。
まだ、仮想通貨を保有していない・国内仮想通貨取引所に口座開設をしていないという方には、Coincheckがおすすめです。
- 国内最多の17種類の仮想通貨を取扱
- 国内仮想通貨取引アプリダウンロード数1位
- 500円から購入可能
Coincheckには、さまざまな魅力があるものの、初心者の方へ特筆したいのは「使いやすい」という点です。
国内仮想通貨取引アプリダウンロード数1位ということもあって、アプリが非常に使いやすく、PC・スマホ問わずに取引画面がシンプルになっています。
このことから、はじめての仮想通貨にはCoincheckがおすすめです。
Coincheckの登録・口座開設方法についてコチラ。
ウォレットを作成
Curveは、仮想通貨を保存しておくウォレットを、自身で用意してCurveと接続する必要があります。
そのため、ウォレットを作成しましょう。
さまざまなウォレットが存在しているものの、最もポピュラーなMetaMaskを利用するのがおすすめです。
MetaMaskの作成方法・使い方はコチラ。
動画でも、MetaMaskの利用方法について解説しています。
ウォレットへ送金
ウォレットの作成が済んだら、次は国内仮想通貨取引所で購入した仮想通貨をウォレットに送金しましょう。
送金方法は各取引所によって異なりますが、慣れればそれほど難しいものではありません。
記事内で推奨したCoincheckの送金方法はコチラ。
何らかの方法でステーブルコインを入手
次に、Curveで利用するステーブルコインを何らかの方法で入手しましょう。
UniswapやSushiSwapで入手するのも良いですし、ウォレットに送金する前段階でBinanceなどの海外取引所で入手する方法でも問題ありません。
「DeFiを使ってステーブルコインを入手したい」という方はUniswapやSushiSwapがおすすめです。
タイミングなどによってガス代を抑えたい・海外取引所も使えるようになりたいといった方は、Binanceなどで交換を行いましょう。
Binanceで交換を行った場合は「Binanceからウォレットへ」送金する必要があります。
どの方法であっても「Curveで利用できるステーブルコインを入手」できれば、問題ありません。
Uniswapの利用方法はコチラ。
Binanceの利用方法はコチラ。
(どちらであっても、DAIやUSDTなどを購入することは可能です。)
Curveとウォレットの接続
最後に、Curveへウォレットを接続する方法についてご紹介していきます。
- Curveへアクセス
- ウォレットを選択(もしくは、ウォレットの画面に移動)
- ウォレットの処理を済ませる
これで、Curveを利用する準備は完了しました。
Curveの各機能の使い方
次に、Curveの各機能の使い方をチェックしていきます。
少し慣れない画面ではあるものの、実際には使いやすいのでスラスラと進むはずです。
各画面の見方
Curveは少し画面が特殊なので、いくつか各画面の見方・アクセス方法を解説していきます。
各プールへアクセスする方法
- 画面左上をクリック
- 任意のプールを選択
DAOへのアクセス方法
- 画面上部の「DAO」を選択
- はじめての場合はウォレットの承認が必要
- 画面上部のCurveでノーマルのCurveへ戻れる
Curveで取引する方法
Curveで取引する際は、「Curveのすべてのプールを対象とするもの」「特定のプールを利用するもの」の2種類があります。
まずは、ベーシックなすべてのプールを利用するものを解説していきます。
- CurveのHome画面へ
プールを選択している場合
- 振替元・振替先を選択
- 「Sell」をクリック
- ウォレットで承認し、完了
Advanced optionの内容
- Advanced options: Compoud、Y、bUSDなど各プールのチェックを外すと除外
- Max slippage:スリップページの許容量
- Gas Priority Fee:ガス代の調整
特定の利用したいプールがある場合は、前述した方法で画面左上からプールを選択し「Buy and sell」から、ほぼ同じ手順で取引を行うことが可能です。
Curveで流動性を提供する方法
Curveで流動性を提供する方法は、以下の通りです。
- 流動性を提供したいプールを選択
- 「Deposit」へ
- 数量を入力
- Deposit & stake in gaugeを選択
(Depositの場合、LPトークンはウォレットへ)
- ウォレットの処理などを済ませる
Curveの注意点・リスク
最後に、Curveの注意点やリスクについて解説していきます。
Curveを利用する際に注意したい点をチェックしていきましょう。
運営・開発によるリスク
運営・開発サイドの人物が、悪意を持って何らかの行動を行った場合に、Curveが利用できなくなるといったリスクが考えられます。
例えば、Curveのサイトを落とすなどして、Curveのサイトを利用できなくしたり、といったケースです。
また、セキュリティ上の重大な問題が発見される可能性も否定できません。
著名なセキュリティ関連企業である「Trail of Bits」によって、Curveのスマートコントラクトは監査されているものの、セキュリティに完全な安全が保証された訳ではありません。
「何が起こるか分からない」という意識を持っておく必要はあるでしょう。
プールごとに複数のリスク
Curveは、プールごとによって複数のリスクが存在しています。
いくつかのプールの代表的なリスクをチェックしていきましょう。
貸し出し系プール
- Compoudなどのレンディングプロトコルのスマートコントラクトにおけるリスク
- Curveのスマートコントラクトのリスク
- プール内のステーブルコインが持っているリスク
ビットコイン系プールのリスク
- Curveのスマートコントラクトにおけるリスク
- wBTCなどrenプールのシステムにおけるリスク
- sBTCプールではSynthetixなどのリスク
総評すると、Curveは複数のスマートコントラクトや、プロトコルが複雑に関係していることから、プールの特性によってリスクの対象・内容が異なってきます。
例えば、貸し出し系プールに流動性を提供した場合、貸し出し資金として運用されますが、Curve自体のリスクに加えて、Compoudなどのリスクも対象と入ってくることとなり、その分抱えるリスクは増えるのです。
Curveの各プールへ流動性を提供される際は、一度そのプールの各リスクをチェックしておいた方が良いかもしれません。
トークンの価格が下落するリスク
Curveのインセンティブ・ガバナンスなどに利用されるCRVの価格が下落するといったリスクは十分に考えられます。
どのDeFiにも共通していますが、DeFiが発行しているトークンというのは基本的にそのトークン単体ではあまり価値を持ちません。
あくまで、Curveが存在しているからこそ、CRVのようなトークンは価値を持っています。
このことから、Curveのニーズが低下することなどによって、Curveの価格が下落するといった自体は十分に考えられるでしょう。
Curveのまとめ
この記事では、Curveの概要から特徴・詳細な使い方に至るまで解説しました。
Curveのようにかゆいところに手が届くようなDeFiが増えると、仮想通貨の運用もどんどん利便性が向上しそうです。
引き続き、Curveの動向をチェックしていきましょう。
「保有している仮想通貨を運用したいけど、CurveやDeFiの運用はやっぱり難しい」といった方には、「Coincheckの貸仮想通貨」がおすすめです。
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