昨日12月20日、総理大臣官邸にて岸田総理を交えて開催された「第35回犯罪対策閣僚会議」において、暗号資産(仮想通貨)に関する内容が記載されました。
【総理の動き】
本日(12月20日)岸田総理は、官邸で第35回犯罪対策閣僚会議を開催しました。
会議では、「世界一安全な日本」創造戦略の変更及び人身取引対策行動計画2014の変更について議論が行われました。▼総理発言の全文はこちらhttps://t.co/ZDmkYr6FtA
— 首相官邸 (@kantei) December 20, 2022
会議では、2013年に閣議決定された「世界一安全な日本」創造戦略の変更に関する議論を実施。今回新たに決定された施策では、
- デジタル社会に対応した世界最高水準の安全なサイバー空間の確保
- 国内外の情勢に応じたテロ対策、カウンターインテリジェンス機能の強化等の推進
- 犯罪の繰り返しを食い止める再犯防止対策の推進
- 組織的・常習的に行われる悪質な犯罪への対処
- 子供・女性・高齢者等全ての人が安心して暮らすことのできる社会環境の実現
- 外国人との共生社会の実現に向けた取組の推進
- 「世界一安全な日本」創造のための治安基盤の強化
の上記7つの軸が定められています。
暗号資産に関しては「2. 国内外の情勢に応じたテロ対策、カウンターインテリジェンス機能の強化等の推進」の項目の中で主に記載されています。
今年4月、下記項目を内容とする外国為替及び外国貿易法の一部を改正する法律(第28号)が定められました。
- 暗号資産取引を資本取引規制の対象とすること
- 暗号資産交換業社が、顧客の支払い等の暗号資産の移転を行う場合、許可を受ける義務が課された支払い等に該当しないかを確認する義務を設けること
- 当該顧客等を本人確認義務の対象とすること
政府は、今後暗号資産業界の実務・技術の進展が見込まれている状況で、環境の変化に合わせ上記法令を適切に運用し、テロ資金供与等の対策強化を図るとしています。
3つ目の軸となる「3. 犯罪の繰り返しを食い止める再犯防止対策の推進」においては、コロナ禍におけるテレワークの普及や社会のデジタル化に伴って発生している詐取金で暗号資産を購入し所在を隠す事例に対して、警察庁や都道府県警察の対処能力等の強化を行い、複雑化・巧妙化する不正を的確に取締っていくとしています。
岸田総理は今回開催された会議で、下記コメントを残しました。
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“「良好な治安を確保し、国民の生命、身体及び財産を守ることは、国の基本的な責務であり、社会経済活動の根幹です。
これまで、政府を挙げて、治安改善のための取組を推進してきた結果、令和年の刑法犯認知件数は戦後最多を記録した平成14年の約5分の1になるなど、その取組は一定の成果を上げてきました。他方で、社会情勢の変化や我が国を取り巻く国際的な情勢の変化の中で、サイバー空間の脅威を始めとした様々な治安課題が出現しています。
本日決定した『世界一安全な日本』創造戦略2022は、サイバー空間の脅威に対処するための取組の強化等、省庁の垣根を越えた総合的な取組を取りまとめたものです。(一部暗号資産関連部分のみに要約・省略) – 引用元:首相官邸」”
国内における暗号資産周辺の動きとして、12月16日に自民党が来年度令和5年の税制改正大綱を発表しました。
上記大綱では、暗号資産の法人課税のみが言及されており、個人の取引における内容は記載されていません。
世界的に暗号資産に対する政府の取り組みが進んできているなか、日本政府の対応に注目が集まります。
自民党が令和5年の税制改正大綱を発表 | 仮想通貨の税金は法人課税のみ改正か
記事ソース:首相官邸、首相官邸(2)、資料(1)、資料(2)
画像:Shutterstock
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