年初から仮想通貨市場は堅調に推移しています。
これには、以下のような追い風があるようです。
- ・ビットコインのハッシュレートが過去最高値
- ・ブラジルなどの新興国からの資金流入が加速
- ・レバレッジ取引によるXRPの価格上昇
昨年秋には、ハッシュレートの突然の急落でビットコインが下落するということもありましたが、今回は逆となったようです。
また、日本では仮想通貨の取引が伸び悩んでいるものの、中南米や東南アジアなどの新興国ではビットコインの取引高が伸びています。
参考:coinhills
イラン情勢の緊迫化でビットコインが上昇?
さて、この上昇の背景のひとつとして、イラン情勢の緊迫化でビットコインが買われているという声もあります。
参考:仮想通貨は上昇、イラン情勢の緊迫化でリスク回避の動きも
ただ、ビットコインはなかなか気まぐれで、株式相場とは全く違う動きをする場合もあります。
今回は、ビットコインが上記の要因で上昇していた時に金も上昇しており、安全資産と後付けされて上昇に弾みがついたと見ることもできます。
さて、このままビットコインは盛り上がっていくのでしょうか。
ちょっとニュースを見てみましょう。
米国により殺害されたソレイマニ司令官の葬儀で喪に服していたイランですが、喪が明けるとともに報復に出ました。
ただし、イラン外相が報復終了を示唆すると、株価や為替はあっという間に値を戻しました。
出所:みんかぶFX
今日8日は、イランの隣国であるトルコにロシアのプーチン大統領が入国します。最近のトルコは米国・西側諸国から距離を置いており、ロシアに歩み寄りを見せています。原油価格の高騰も手伝うなら、ちょっとひと相場やってやろうか?っとロシア側は考えいるでしょう。ロシアの輸出の50%が天然ガスのため、原油価格上昇は、プラスでしかありません。こう考えると、イラン・ロシア・トルコ、イラクと連想ができるため、色々と問題が起こりそうです。
大きなリスクオフ相場の足音が近づいてきました。仮にイランのホルムズ海峡封鎖などといった発言が挙がると、かなりネガティブなインパクトが出てきます。
ホルムズ海域では、世界の原油・石油精製品の30%ほどが行き来をする超重要スポットです。この海峡から湾内はイランに面しており、ここの秩序が乱れると、世界経済に重大な悪影響を及ぼすことになります。
米国からしても、シェールオイル・ガスで既に国内の需要は満たされているので、原油価格が高騰しようがあまりデメリットはありません。
サウジアラビアは一応、米国寄りですが、この問題をネタに原油価格さえ高騰してくれれば、当面は黙って中立の立場をとるでしょう。
原油価格は、さらに大きく上昇するかもしれません。株高で割高水準にあるため、次はコモデティに資金が流れるタームなのかもしれません。この流れは、デジタルコモディティとも言われているビットコインも恩恵を受けることになります。
イランでは米軍がすべてテロリスト
昨日、イランでは米軍が全てテロリストと見なす法案が可決されたようです。
こうなると、イランの報復活動がどこまでエスカレートするのか見守るタームではないでしょうか。
また世界の株式市場は戦争特需を狙った株高が目立ちますが、米国株の値動きはちょっと都合が良すぎるように思えます。ここから10%ぐらいは調整しても良いのではないでしょうか。そのタイミングは今月中にもあるように思えます。
また、バフェット指数が152%とITバブルの時の高値を超えて推移していることも懸念材料です。投資の神様と評されるウォーレン・バフェット氏は、ここ最近キャッシュポジションを多く増やしているようです。2019年は何があってもを米国株は崩れませんでしたが、今回の事件で大きく崩れるかもしれません。
出所:投資の森
バフェット指数とは、ウォーレン・バフェット氏が株価の割高・割安水準を判断するために使っていると言われる指数。 計算式:株式市場の時価総額÷名目GDP×100
今のところ、FRBの隠れQEが効いているかたち(1月6日にも8兆円の流動性を供給!?)ですが、これが大統領選挙まで続くわけはありません。どこかのタイミングで崩れた場合、ビットコインは大きく上昇を得るサイクルに入るのではないでしょうか。