2019年もあと2日で終わろうとしています。
皆さま、今年の仮想通貨投資の成果はいかがでしたでしょうか?
年初は40万円台で始まったビットコインは、6月には150万円にまで急騰。その後、大きく押し戻されたものの80万円台で推移していることからパフォーマンスは2倍です。総じて良い一年となったのではないでしょうか。
今年最後のコラムは、2019年に仮想通貨市場で起こった出来事を振り返ってみたいと思います。
ライトコインとBEAMの提携
最初に仮想通貨市場を動かしたのはライトコインでした。2月12日、匿名技術として注目されているMimbleWinble実装のためBeamとの提携を発表!
参考:Litecoin財団がLitecoinの拡張ブロックにMimbleWimble実装のため、Beamとの提携を発表!
その後、Beamはリクルートからの出資を受けるなど話題となりました。
先の大規模な資産流出事件以降、匿名通貨は悪物扱いでしたが、実用化されるには必須ともいえる技術だと言えます。
TAOTAOとディーカレットの登録
3月25日には、楽天ウォレットとディーカレットが交換業者として登録されました。2017年4月1日に改正資金決済法が施行された後に申請した業者が登録されたとあって、日本の仮想通貨業界の盛り上がりが期待されました。
IEOが盛り上がりを見せる
また、春ごろになると新たな資金調達手段としてIEOが注目されました。特にバイナンスのIEOは注目度が高く、MATICはIEO後も10倍にまで上昇しました。
これにより、バイナンスのトークンであるBNBも600円台から4000円台まで大きく上昇しました。
◇バイナンスコイン(BNB)週足チャート
なお、現在までバイナンスのIEOは11弾まで発表されています。
短時間で10万円の急騰劇
4月2日には、ビットコインが数時間で10万円もの急騰をみせました。この少し前に、大手マイナーであるビットメインの新しいマイニングマシンの発表があったため、これによりビットコインへの投資需要が急増。レバレッジポジションの損切りをヒットし、急騰のトリガーになったのではないかと言われています。
参考:ビットコインが一時56万円台に急騰!上げ幅は一時10%以上に
この急騰劇は、大きくメディアで取り上げられ、2019年の上昇トレンドのトリガーにもなりました。人気ツイッターアカウントがこの件に関して呟いたことも、仮想通貨人気を再燃させたのかもしれません。
クソ!ビットコイン30万ぐらいの時に買っておけば良かった!もっと上がるのか!もっと上がる気なのか!?どうにかして過去に戻れないのか!!悔し過ぎてもう今日は仕事できない!激おこ!
— Testosterone (@badassceo) April 2, 2019
5月には、仮想通貨の資産運用会社であるグレイスケールのCMも話題になりました。
Today we unveiled our #DropGold TV commercial. We think it's a #MustWatch
— Grayscale (@GrayscaleInvest) May 1, 2019
sound ON! pic.twitter.com/SEGAmMItsE
Bakkt始動
6月14日にNY証券取引所の親会社であるインターコンチネンタル取引所が手がけるバックト(Bakkt)が、ビットコイン先物のユーザー受け入れテストを7月22日から開始すると発表しました。
しかし、インパクトがあったのは5月13日。この日にビットコイン先物の開始を予定しているとBakktの公式ツイッターが伝えたことから、ビットコインは70万円台半ばから90万円手前まで急騰しました。
参考:Bakkt、今年7月にもビットコイン先物カストディ・取引業務のユーザーテストを開始
フェイスブックのブロックチェーンプロジェクト、リブラ(Libra)が公開
2019年に世界中から注目が集まった仮想通貨のニュースとして、フェイスブックのリブラがあります。
しかし、リリース直後から世界各国の要人から業界関係者にまでネガティブコメントが殺到。秋には参加企業が次々と離脱するなど、非常に厳しい船出となっています。
G20前の駆け込み需要
6月26日にビットコインは150万円を付けました。これが、2019年の高値となります。6月28、29日に大阪で開かれたG20サミットにおいて、仮想通貨規制が発表されるのではないかと危惧したキャピタルフライトの加速が主な要因だったのではないかと言われています。特に中国からの売買が目立ち、QC(人民元のステーブルコイン)の売買代金が膨らみました。
参考:中国と仮想通貨のこれまで
150万円を付けた後は、売り買いが逆転し、その後1週間で105万円まで下落しました。
ライトコインの半減期
8月5日、ライトコインはマイニング報酬が半分になる2回目の半減期を迎えました。168万ブロックに達した後に、マイニング報酬が25LTCから12.5LTCに減少しました。
半減期前には相場は盛り上がり、Beamとの提携の勢いもあってか年初の3000円台から1万6000円に迫る勢いを見せました。
◇ライトコイン(LTC)週足チャート
参考:2019年8月に迫るライトコイン(LTC)の半減期について
中国がブロックチェーン技術を推進
10月25日、中国の習近平国家主席が「中国がブロックチェーン技術を先導していく」と発言し、市場は大きく反応しました。これにより、80万円台だったビットコインは24時間後には110万円を超えるほどの上昇となりました。
しかし、その後に仮想通貨の取引が緩和されるわけではないことが分かると、80万円台まで値を戻しました。
参考:アルト市場にも好影響?中国のブロックチェーン技術推進事情まとめ
ステラルーメン(XML)がホワイトリスト入り
11月1日、コインチェックがステラルーメンの取り扱いを11月12日から開始することを発表しました。2018年以降止まっていたホワイトリストの追加が進んだとあって、日本の仮想通貨投資家には喜びが広がりました。
その後、ステラは供給量の半分を焼却(バーン)し価格が高騰。12月4日にはGMOコインがステラ(XLM)とNEM(XEM)の取り扱いを開始しました。
まとめ
こうして振り返ってみると、2019年は総じてポジティブニュースが多い1年だったのではないでしょうか。
バッドニュースと言えば、4月25日にテザー社が発行するUSDTを不正運用した疑いでニューヨークの司法当局が捜査へ乗り出したということがありましたが、その出来事が霞んでしまうほど様々な材料が出ました。
2020年には1月1日に中国で暗号法が施行され、1月6日にはイーサリアムのアップデートである「Muir Glacier」が予定されています。
参考:2019年イーサリアムの振り返りと2020年の価格予想
最大のカンフル剤ともいえるビットコインETFは道険しというところですが、12月には 米国で新法案「仮想通貨法2020」が下院へ提出されるなど、来年は世界的に法整備が加速する一年となりそうです。
ブロックチェーン技術の発展と共にある仮想通貨の未来を祈りながら、皆さまが2020年の仮想通貨投資を素晴らしいものにできるよう、良い情報の発信に努めて参ります!