今年のビットコインの一大テーマである半減期。
その半減期は、昨年時点では6月に予定されていました。しかし、年が明けると5月末に前倒しになり、今日時点ではバイナンスの半減期カウントダウンを見ると、5月12日あたりになる予定です。
出所:binance.vision
この背景には、以下の3点が関係していると思われます。
- ・ハッシュレートの上昇
- ・マイニング難易度の上昇率
- ・ビットコインの上昇
それぞれに関して説明していきましょう。
ハッシュレートの上昇
ビットコインのハッシュレートは上昇をし続けており、記事執筆時点では過去最高水準で推移しています。
出所:blockchain.com
難易度調整ごとの平均ハッシュレートを見ると、1月2日は98.67 EH/s でしたが、2月25日には110.86 EH/sまで上昇しています。
ハッシュレートが上昇すると、難易度が同じ場合はマイニングスピードが上昇します。
BTC.comのマイニングデータを見ると、2020年の平均マイニングスピードは10分を切る速さになっていることが分かります。
マイニング難易度の上昇率
通常、ハッシュレートやビットコイン価格が上昇すると、難易度は上昇します。
ハッシュレートが上昇した場合はマイニングスピードを10分間に調整するため。ビットコイン価格が上昇すると、マイニングでの利益率が上がり、新規マイナーの参入や稼働するマイニングマシンが増えることで、結果的にハッシュレートの上昇につながるからです。
そのためマイニング難易度は、これらに連動することになります。
では、先ほどのBTC.comのマイニングデータに平均ハッシュレート(青枠)と変化率を加えたものを見てみましょう。
出所:BTC.com
ご覧のように、ビットコインの難易度(Difficulty)と変化率を表示しているオレンジの枠と平均的なハッシュレートの変化率はほぼ同じとなっています。
この間に、ビットコインは70万円台から110万円台まで上昇しているため、マイナーは多少難易度が上昇しても、利益が出ることになります。
ビットコインの上昇
上の話につながりますが、半減期に向けてビットコインの価格は上昇すると期待されており、実際に上昇しています。そのため、マイナーはせっせとマイニングを行いビットコインを獲得しようとするため、ハッシュレートが上昇していきます。ビットコインの価格が上昇するので、ビットコインを市場で売却せずに保有するマイナーが多くなります。そのため、上昇に弾みが付きさらに上昇するというサイクルに入ります。
そのため、ビットコイン価格が上昇すればするほど、ハッシュレートは上昇し、ブロック生成スピードが上昇するというサイクルが成り立つのです。
これがビットコインの半減期予定日が早まっている背景となります。
こうしたことがブロックチェーンがより強固になるため、ビットコインに総じてプラスに働きます。
半減期後にさらに価格は上昇
半減期までに価格が上昇すると言われていますが、過去2回迎えた半減期では、通過した後の上昇率の方が遥かに高くなっていることが分かります。
【半減期を迎えた後の高値までの上昇率】
1回目の半減期:82倍
2回目の半減期:22倍
画像出所:bloomberg
過去のパターン通りになるとすれば、ビットコインは2019年の高値である150万円を突破する可能性が十分ありそうですね。