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暗号資産交換業者の決算状況、DMM Bitcoinが先頭に

筆者: 児山 将

2019年度の交換業者の決算がQUOINE以外は出そろいましたので、少しコメントしたいと思います。

ざっと見ると、赤字の会社の方が多いことが分かります。特にレバレッジ最大倍率の引き下げの影響か、bitFlyerが赤字転落しているところが今後の暗号資産業界の先行き不安を感じさせます。

会社名 代表者 直近の純利益
DMM Bitcoin 田口 仁 7億6146万7000円 (黒字転換) 
SBI VCトレード 北尾 吉孝 2億6879万9000円 (黒字転換) 
GMOコイン 石村 富隆 1億0200万円 
BITOCEAN 蒲 彦 2800万円 
TaoTao 荒川佳一朗 ▲9925万8000円 
楽天ウォレット 山田 達也 ▲1億9120万5000円 
テックビューロ 朝山 貴生 ▲2億4971万8000円 
FXcoin 大西 知生 ▲2億9891万5000円 (赤字拡大) 
コイネージ 山崎 良平 ▲3億4512万8000円 (赤字拡大) 
Bitgate 矢部 茜 ▲3億6735万6000円 (赤字転落) 
LastRoots 古瀬 保弘 ▲4億6328万3000円 (赤字転落) 
bitFlyer 三根 公博 ▲7億5100万円 (赤字転落)
ディーカレット 時田 一広 ▲13億4538万4000円 (赤字拡大) 
ビットポイントジャパン 小田 玄紀 ▲17億7500万円 (赤字転落) 
フィスコ仮想通貨取引所 八木 隆二 ▲26億8752万9000円 
コインチェック 蓮尾聡 ▲27億4300万円
LVC 神谷 健 ▲49億8646万9000円 (赤字拡大) 

出所:官報決算データベース

DMM Bitcoin

最も収益をあげたのが販売所取引(現物&レバレッジ)のみを行うDMM Bitcoin。展開するサービスを絞り込んでいることと、グループが提供するFXベースの取引ツールが支持されているのでしょうか。取り扱い暗号資産も多く、モナコインをレバレッジ取引できる国内で唯一の交換業者です。

SBI VCトレード

リップル(XPR)と言えば、SBIというくらいに業界では知られているところです。現物取引の流動性は高くないのですが、リップル関連事業で収益をあげている可能性がありますね。

GMOコイン

販売所と取引所に、レバレッジ取引を提供。多くの暗号資産の取り扱いがあり、BATのレバレッジ取引ができる国内で唯一の交換業者です。

サービス開始以来、安定した収益をあげています。

TAOTAO

質問にはなんでも答えてくれるという社長の荒川佳一郎氏。

他の交換業者では公開していない売買データをnoteに書いています。

テックビューロ、フィスコ仮想通貨取引所

Zaifでの資産流出事件後に、フィスコが買収。ネム(XEM)の取引があることや、運営コストの統一により収益化が期待されているものの、厳しい状況が続いているようです。

FXcoin

5月よりビットコインの取引を開始しました。

サービス開始以前のため赤字となっていますが、過去の交換業者の資料を見る限り、交換業者登録費用が2億円程度掛かっています。その他に、人件費、取引プラットフォーム開発費用などを考えると、非常にスマートに収まっているのではないでしょうか。

金融業界出身者で固められているため、期待したいところです。

参考:【FXcoin】ビットコイン取引開始のお知らせ

bitFlyer

ピーク時にはビットコインのレバレッジ取引で1日100万BTCを誇っていましたが、SFDの導入により取引高が減少。レバレッジ最大倍率の引き下げにより、さらに落ち込んでしまいました。それが収益にも大きく響いているようです。

なお、2018年度の純利益は21億4600万円でした。

ディーカレット

多くの上場企業が株主に名を連ねる同社。交換業がメインではなく決済インフラなどを整え、デジタル通貨のメインバンクを目指すとしています。そのため、ビットコインとTポイントとの交換を提供。最近では、 日本におけるデジタル通貨の決済インフラを検討する勉強会を開催しています。

コインチェック

2018年度は1億4200万円の純利益を出していた同社。モナコインの取り扱い開始や、Liskのステーキングなどの新たなサービスの拡大により、話題が多かったのですが、厳しい状況となったようです。とはいえ、アプリのダウンロード数は250万以上と多くのユーザーを誇っています。マネックスグループの傘下で地盤は盤石であり、守りではなく攻めの姿勢による新しいサービスの提供を期待したいところです。

まとめ

2019年度はレバレッジの最大倍率が4倍から2倍に引き下げられた年でした。これにより、売買高は大きく減少し、ユーザーも海外へ流れるという事態になりました。海外取引所に詳しい人によると、ビットメックス(BitMEX)のユーザーの4割程度は日本人だそうです。
※ビットメックスは5月1日より日本人の利用が不可

今年はレバレッジの最大倍率を2倍に引き下げる交換業者がさらに増えるとみられるため、交換業者は現物取引で収益をあげるビジネスモデルにしなければより厳しい状況となりそうです。

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※本記事の意見や予測は、筆者の個人的な見解であり、金融商品の売買を推奨を行うものではありません。
投資にあたっての最終決定はご自身の判断でお願いします。

児山 将

児山 将

みんかぶ暗号資産(みんなの仮想通貨)プロデューサー 大学4年時にFXを始め、卒業後は飲食店の店長として勤務するも、相場に関りたくみんかぶに転職。記事執筆とサイトディレクションを担当。2015年より暗号資産(仮想通貨)に将来性を感じ、当時1円だったXRPに注目。暗号資産(仮想通貨)以外にも株式、FX、商品CFDなど多岐に渡る金融商品のコンテンツを作成。個人投資家との交流に注力しています

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