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CBDC(デジタル通貨)って何だろう?

筆者: Noir

フェイスブックが「Libra(リブラ)」を発表してから、法定通貨を担保にした「ステーブルコイン」への注目が高まりました。
有名なUSDT(テザー)やUSDC(ダラー・コイン)などがそれですね。

さらに最近では法定通貨に連動したコインだけでなく、「法定通貨そのものをデジタル化しちゃおう!」という構想が世界中を席巻しつつあります。

でも「デジタル通貨」って何でしょうか?文字通りデジタルな通貨が「デジタル通貨」であるわけですが、「仮想通貨(暗号資産)」との違いは?法定通貨にペッグ(連動)した「ステーブルコイン」との違いはどうでしょうか?
ざっくりとでもいいですが説明できますか?

非常に難しいと思います。今回はそのあたりを簡単にわかりやすく説明していきます。

「デジタル通貨」とはなんだろう

「デジタル通貨」をかなり簡単に説明するなら、法定通貨(日本の場合は円)をそっくりそのままデジタルに変えちゃったものです。
正確には「CBDC(Central Bank Digital Currency: 中央銀行発行デジタル通貨)」という名前を持っており、CBDCであるためには三つの要件があります。

  1. デジタル化されていること
  2. ② 円や米ドルなどの“法定通貨建てである”こと
  3. 中央銀行(日本なら日本銀行)の債務として発行されること

要するに通常の法定通貨と機能的には何の差異も無いと言っていいでしょう。

そこでみなさんはこう思うでしょう。
「ん?法定通貨担保型のステーブルコインとの違いは??」
「suicaとかビットコインなどがあるのにわざわざ円をデジタルにする必要あるの?」
「メリットはあるの?」
などなど。ご安心ください。一つずつ紐解いていきます。

法定通貨担保型ステーブルコインとはここが違う!

法定通貨担保型のステーブルコインとどこが違うのでしょうか。大きく、以下の二つがあります。

  1.  ① 中央銀行発行のものではない
  2.  ② 目的が異なる

① 中央銀行発行ではない

ステーブルコインは特定の国に依存しない仮想通貨です。
米ドルに連動した「Tether(テザー)」や「USDC(USダラー・コイン)」は法定通貨の価格変動の小ささを根拠に、価格変動が安定的な仮想通貨(暗号資産)の普及を目指してつくられました、そのため、法定通貨とは役割的にも全くの別物です。

対して、CBDCは各国の中央銀行が発行するものです。さらに国内の各銀行を通じて配布されるようにする国が多いようです。
これは既存の銀行の二層システムをそのまま使うところが多いからです。
なぜ中央銀行が直接配布しないのかと言うと、国が後ろ盾となっている中央銀行がそのようなことをしてしまうと地方銀行はおろかメガバンクの必要性すら薄れるためです。
こうしたことから、中国やカンボジアといったCBDC開発に精力的な国々は二層システムを想定して開発しているようです。
デジタルドルのホワイトペーパーによると、どうやら米国も流通においてこの二層システムを想定しているようです。


CBDC デジタルドル ホワイトペーパーより>

② 目的が異なる

二つ目の差異は「開発された目的」です。

仮想通貨というものは価格変動が非常に大きいことは以下のチャートを見れば明らかです。
(しかしCoingeckoには2013年5月頃からのチャートしか残っていなかったのでそれ以前はすみませんが...)

  • ・2009年にビットコイン取引開始時は1BTCあたり0.07円
  • ・2年後の2011年までの間に1ビットコインあたりの価格は約1,000倍に!
  • ・2013年には1万円の大台にのりました。
  • ・2016年くらいには3~5万円をうろうろ。
  • ・しかし2017年には200万円を記録するまでに急騰。

この変動の大きさを見て、一攫千金のチャンスとして素人から熟達した投資家まで多数が参加しました。大儲けして「ビットコイン長者」「億り人」などと呼ばれる人もいれば、破産してしまったり大損を抱えた人もいるということでニュースで大きく取り上げられていたことはまだ記憶に新しいと思います。

そしてこの仮想通貨特有の価格変動の大きさをなんとかしようとして生まれたのが「法定通貨担保型ステーブルコイン」なのです。

一方、CBDCのメリットは以下です。これらを享受できると嬉しいということで貨幣の安全性のため世界各国が研究に乗り出しているのです。

〔メリット!〕

  • ・印刷料金や硬貨の鋳造料金の削減
  • ・「タンス預金」の防止
  • ・脱税の防止
  • ・貨幣の偽造防止
  • ・コロナのようなパンデミックになっても貨幣の接触による感染がなくなる
  • ・給付金などもマイナンバーなどと口座を紐づけておけば簡単に支給できる
  • ・キャッシュレス促進 + 政府発行のためどこでも使える
       →Suicaやクレジットカードじゃ未対応のところもあるけれどCBDCならおそらく現金支払いと全く同様に使えるようになると思います。続報を待ちましょう!
  • ・「取引→決済」までの処理負担の大幅軽減が可能
  • ・あくまで理論上だが、マイナス金利政策との相性はいいのでは?と言われている
       →MOF(財務省)のレポートを参照

ざっと挙げただけでもこれだけあります。
さらに、「ステーブルコイン」では資金決済法上の「暗号資産(仮想通貨)」に該当するものとしての運用や、あくまで「資金移動業」のライセンスを持っている会社が発行した暗号資産などといった扱いになります。
(難しいですよね、簡単にいうと“業態に合わせて別の免許を取らないといけない!”ということです)

しかしCBDCの場合は国によってどのような形態をとるかはまだ定かでないとはいえ、そういった縛りは一切なく法定通貨同様の扱いとなると予想されることから使えないケースを探す方が難しいだろうなと思っています。
もし市井に普及したら自販機などでも使えるようになるでしょうし、実現したら非常に楽でしょうね。

日本国内でのデジタル通貨を巡る動き

日本は先進国の中ではCBDC開発に特に慎重であるように思えます。
仮想通貨に関する法律(資金決済法etc.)も、アメリカなどに比べて厳しいものとなっています。
しかし、2020年1月には日本も重い腰を上げて日欧中銀など合計6行でCBDCの共同研究に踏み出したという報道が出ました。
2020年2月には日経新聞が「デジタル円、早急に検討を 自民議連提言 G7で議題に」という記事において、自民党のルール形成戦略議員連盟(甘利明会長)が安倍首相にデジタル円の早期検討とG7での議題提起を促したことが伝わり話題になりました。

さらには2020年6月3日にCBDCではないものの日本のメガバンク3行とJR東日本などが、Suicaとメガバン発行のデジタルコインを連携させる方向で検討し始めたというニュースと、インターネットイニシアティブの持ち分法適用会社であるディーカレットがデジタル通貨の普及に向けた協議会を設置したというニュースが出ました。

6月3日時点で世界各国、とりわけ中国はデジタル通貨の領域において、世界に先駆けて開発を行おうとしていることから、FacebookのLibraを擁する米国のドルへの警戒が非常に強いと言えます。そのため常にリードしていられるようにかなりのスピードで研究開発を進めています。

加えて、これは私見ですが、米中の対立はずっと続いており、ドル基軸の現行の世界において、米国から大規模な金融制裁を食らってしまえば経済大国の中国と言えどもただではすみません。 そういった危機感からも中国は「人民元の国際化」を目指してデジタル化を推進しているのでしょう。

さらに2020年4月にはLibraが米国当局からの規制や批判に対して新計画を発表し、その中でデジタルドルが誕生したらリブラのネットワーク上に優先的に入れるようにリブラ側が検討していることが判明しています。米ドル覇権をなんとかして崩したい中国にとって、貨幣の歴史を一新するかもしれない“デジタル貨幣”は何としてもリードしていきたい、といった感じでしょうか。

6月9日の日経新聞の記事では、中国で「人民元を核とする“東アジア・デジタル通貨構想”が浮上」と報じられました。日本がこれからどのようにデジタル通貨に挑んでいくかを早急に決めていく必要がありそうですね。

しかし日本は天災、とりわけ地震が起きやすい島国です。大規模な地震や津波によってインフラに障害が発生することは歴史を見ても明らかですし、携帯電話が機能しても電子決済システムが機能しない可能性は大きいと言えます。ですので、日本はCBDC研究と並行して大規模災害時にどう対応するかも考えていかなければいけないなと思います。

ただ海外に対抗して研究するだけでなく、どのように組み込んでいくか、デジタル通貨技術のガラパゴス化をいかに避けるか、そして災害があってもどのようにして問題なく機能させるか、といった点が課題になってくると思います!

デジタル通貨の研究・開発をしている国ってどのくらいあるの?

2020年1月のBIS(Bank for International Settlements: 国際決済銀行)のレポートによると、全世界の中央銀行のうち約80%が何らかの形でCBDC研究・開発に関わり、40%ほどの中央銀行が実験段階に進んでいるようです。

フェイスブック社のリブラ構想で世界中が震撼してから、法定通貨のデジタル化が本格的に意識されるようになりました。米国と経済大国としてしのぎを削る中国がデジタル通貨の開発に力を入れはじめ、怒涛の勢いで研究を進めていることが分かっています。そのことが世界各国の危機感を高めることとなり、この数値として現れたのでしょう。

そして2020年6月16日には韓国中央銀行もCBDC開発の諮問機関を公式に設置したことがニュースとなり、研究開発に積極的な国がまた一国出てきたことから、実験段階に進む中央銀行が世界的にもっと増えていくことでしょう。
 <参考>韓国中央銀行がCBDCの諮問グループを設置

CBDCが普及すれば先の例のように自販機での売買すら小銭やお札要らずになり、ATMの需要も減っていくでしょう。しかし、米国は慎重派とは言えども実態は玉虫色と言われてしまっても仕方がないような対応をしていますね。仮想通貨は積極的に推進していますし、リブラの改定されたホワイトペーパーについてもまんざらでもなさそうですし。

とはいえ、以下の画像の赤い四角で囲ったところに書いてあるように、米国は既存の現物の貨幣と共存させるつもりのようです。やはり米国は立ち位置としてはどっちつかずですが、デジタル化の流れ自体は好意的・肯定的に捉えているようですね!

2020年6月18日に日本経済新聞にて、FRBのパウエル議長がCBDCを積極的に研究していく案件の一つ」であると述べ、慎重な姿勢をとっていたが一転したとの報道がなされました!


(画像はデジタルドルのホワイトペーパーの一部をスクリーンショットしたもの)

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※本記事の意見や予測は、筆者の個人的な見解であり、金融商品の売買を推奨を行うものではありません。
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Noir

2019年よりみんかぶ 暗号資産(みんなの仮想通貨)でライターをしている都内の大学生。趣味は読書と散歩と飲酒。2017年頃より存在は知っていたが、2018年に仕事で半ば強制的に暗号資産の投資を始める。暗号資産について詳しくない人に「なんとなく分かるかも」と思ってもらえる文章で組み上げていきます。

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