2022年3月14日に、BOBAという仮想通貨(暗号通貨)が国内で初めてホワイトリスト入りとなり、bitbankに上場しました。また、2021年11月12日午前9時時点でのスナップショット(保有履歴)に基づいてエアドロップも行われました。
このBOBA とは一体どのような暗号通貨で、なんのために使われるのでしょうか?
今回は、仮想通貨にあまり詳しくない人向けに、専門用語はしっかり説明した上で、できるだけ分かりやすく解説します。
bobaとはどんな仮想通貨(暗号資産)?
BOBAは、boba NetworkというL2(レイヤー2)チェーンで使われる仮想通貨です。イーサリアムにはスケーラビリティという拡張性の問題が存在するのですが、その問題を解決するために存在するのがL2チェーンで、bobaはArbitrumやOptimismと同じOptimistic Rollup系のチェーンです。
※スケーラビリティ問題: 一つのブロックに書き込めるデータ量が限られているため、取引量が増えるとその分ブロック承認作業が遅延して送金に遅れが出てしまい、取引手数料がどんどん上昇していってしまう問題。GAS代の高騰もこれが原因である。
国内で取引可能な「OMG Network」の開発にも関わっている技術者集団“Enya”とboba Teamが共同で作っています。
BOBAはboba DAOという、boba Networkを活用した経済圏を構築していくためのDAO(Decentralized Autonomous Organization=自律分散型組織)での投票権そのものとして機能します。(※DAOについては後述)
boba DAOは有権者達からの投票結果で運営方針や新規プロジェクトなどを決定します。そのため、BOBAを一定数以上保有するということは、株式会社の株式を保有し、議決権を有していることと同じようなことなのです。
boba Networkはすでに複数のDeFiやブリッジサービス、そしてNFTプロジェクトを抱えているため、今後成長の見込みがあると言えるでしょう。
boba networkのデータを確認
まずは、DeFi LlamaでBOBAの動向を見てみましょう。
2021年11月26日に、6億2400万ドルというBOBA史上最大のTVL(Total Value Locked/そのネットワークに預けられている資産高)を記録しました。しかし、その後は右肩下がりとなっています。
これは、OMGを預け入れるとAirdropが行われるという時期であったため、それが影響しているのでしょう。
それ以降BOBAが引き出されており、TVLはズルズルと減少していき、現在は5200万ドル程度となっています。
参考までに、他のネットワーク/プロジェクトのTVLをご覧ください。
L2で最古参とも言えるArbitrumのTVLは約21億ドル、そして最近人気が上がってきているCrypto.comが開発したCronosは約30億ドルをつけています。
同じL2のzkSyncが現在1億4100万ドルのTVLを抱えていることを考えると、BOBAはもう少しTVLが増えて流動性が高まらないといけないため、人気に火がつくまでには割と時間がかかるように思えます。
●L2(セカンドレイヤー)とは
ブロックチェーン上(レイヤー1)に記載されないオフチェーンのことを指す。
次は、Dune Analyticsでデータをチェックしてみましょう。
(画像: boba Network data by 0xmax/Dune Analytics)
Dune Analyticsというサービスは、SQLというプログラミング言語を使って誰でもデータをまとめるページを作り公開できるサービスです。これによると、1週間あたりのトランザクション(取引)数が2975回とかなり少ないものとなっていることがわかります。
先ほど例に出したzkSyncは、ETHのトランザクションが週に5939回を記録し、TVLが右肩上がりであることが分かります。
(画像: zkSync data by Marcov/Dune Analytics)
boba Networkは新規流入者をうまく取り込めていないため、なかなか盛り上がれないネットワークであるというのが現状です。しかし、Unique Bridge Usersは右肩上がりであるため、ブリッジサービスで知名度を上げていけば、そこに目をつけた人々が新規プロジェクトをboba Networkで作るかもしれません。
今はあまり盛り上がっていないかもしれませんが、ArbitrumのようにジワジワとTLVを伸ばしてくるネットワークもあります。
ちなみに、日本で比較的有名なTofu NFTというNFTマーケットプレイスや、ブリッジサービスのMultichain、DeFiユーザーのポートフォリオ管理ツールDeBank、そしてステーブルコインのFraxなどと、bobaは提携しています。boba Network自体の流動性が高まれば、これら提携先からもどんどんユーザーがくると思われるので、確認しておいて損はないでしょう。
なおFraxは、2022年3月23日に、世界大手暗号資産取引所のFTXが新規取扱予定であると発表した仮想通貨でもあります。
boba DAO〜そもそもDAOとは何か〜
仮想通貨の世界では、基本的にネットワークやブリッジなど各種サービスがブロックチェーン上に構築されています。
それらのサービスはもちろん“人”によって創られているわけですが、それらはいずれ企業のような組織になっていきます。その組織形態に関して、ブロックチェーン領域で盛んに議論され、構築が試みられているものがあります。それが「DAO(読み: ダオ/Decentralized Autonomous Organization/自律分散型組織)」です。
一般的なサービスは中央集権的で、運営企業が全てを管理し、運営方針を定め、利益を獲得していくという仕組みになっています。企業の運営において、投資家が意見を出すためには株式を1%以上は保有しないとまずスタート地点にも立てないといえるでしょう。
しかし、このDAOでは「ガバナンストークン」という投票権代わりになるトークンが発行され、ユーザーがそれを保有します。その保有高によって投票権や影響力が増減する仕組みとなっているのです。
そして、そのトークンを持っている方々であらゆる運営方針や、そのサービスにきた提案などを"投票”によって民主的に決議します。
そのようにして自走していく、分散的な組織をDAOと呼ぶのです。
boba DAOも同様にガバナンストークンを発行しています。それがBOBAなのです。
このbobaを保有していればbobaの運営に関する投票に参加できますし、bobaをステーキングする(預け入れる)ことで利益を上げることもできると公式ページでは説明されています。
フォーラムで投票などが行われますので、気になった方は覗いてみてください。
bobaトークンでできること
1.DAO運営に関わっていくための投票権代わり
2.ステーキングして報酬を得る
3.売却益を得る
投票権代わり
先ほどDAOについて説明しましたが、そのDAOは「投票制の民主主義」のようなものがコアとなっています。
その投票権はランダムに与えられたり、特定の何かを省いたりするようなものでは当然なく、「ガバナンストークンを一定数以上持っているか」で決まります。
そして運営に関わってより良いエコシステム構築を進めていくことができれば、流動性が増えてガバナンストークン自体の価値も上がるという好循環に乗せることができるのです。
気に入ったサービスや応援していきたいものがガバナンストークンを発行してDAO化を目指していたら、自身も保有して投票などに参加してみてはいかがでしょうか。
ステーキング(預け入れ)をして報酬を得る
boba Networkでは、bobaをステーキング(預け入れる)することで、利益を得ることもできます。
公式ページの説明にもあるように、bobaを預け入れることで「xboba」というbobaと全く同じ投票権を有するトークンを新たに入手しながら、ネットワーク上のトランザクション手数料の一部を受け取ることができます。
投票の影響力が増えるだけでなく、取引手数料を一部もらえるため、それを売れば利益となりますし、保有しているだけでも値上がり期待ができます。
そのため、しばらく保有する場合は、ステーキングを行った方が基本的に損はないといえます。
(画像はboba公式ページのTokenより)
売却益
これはその他の暗号資産全てで行えることですが、それを売ることによって利益をあげることができます。
取引所などで購入してから売るもよし、boba Networkに参加してもらったりしたものを売るもよしです。
しかし当然、購入額より高い時に売らなければ損になりますので、総合的な判断をしていきましょう。
まとめ
BOBAについて少しでも理解する手助けとなれましたでしょうか。
大きなネットワークと比較すると、まだ盛り上がりに欠けていますが、有名なサービスとも連携状態にあります。
フォーラムを見てもProposal(提案)が下書き状態になっていたりと、2022年3月24日時点でも新しい動きが見られます。そのため、今後は流動性が高まって需要が高まり需要が拡大していけば、巨大ネットワークとなれる可能性は十分ありそうです。
bitbankで取り扱いが開始しており、当サイトで価格情報も確認できますので、ご興味のある方はチェックしてみてください。
参考:ボバネットワーク(BOBA)をbitbankで国内初の取り扱いを開始
※当記事は、記事内暗号資産・トークンの売買、または記事内に登場したサービス等の利用を推奨しているわけではございません。実際の投資活動や利用に関しては、自己責任の上でよろしくお願いいたします。