時価総額25兆円企業の暗号通貨市場参入はインパクト大
ペイパル(PayPal)が仮想通貨(暗号資産)事業に参入です。
同社のサービスを利用しているアクティブアカウントは3億4600万件もあります。米国のアカウントが数週間以内に仮想通貨の取引及び決済が可能となり、年明けにはすべてのアカウントが利用可能となるようです。
これを好感して、昨日のペイパルの株価は5%ほど上昇し、年初来高値を更新しました。
同社の時価総額はトヨタ自動車を少し上回る規模の25兆円程度で、バンクオブアメリカの時価総額をも上回っています。
また驚くべきことに、2019年の調査では、モバイルでの決済方法においてペイパルが世界で最も利用されていることが分かっています。
出所:PayPal Pte. Ltd.海外販売に役立てよう!越境ECにおける海外モバイルコマース事情
どうりで、ここ数ヶ月ビットコインが底堅いと感じていましたが、この巨大企業の動きが背景にあったのでしょう。マイクロストラテジーや、ペイパルと同じ電子決済事業を行うスクエアがビットコインの購入を行ったことにも納得できます。大手企業による仮想通貨関連事業への参入やビットコイン購入の流れは、今後さらに加速するでしょう。
Paxosと連携
今回の報道は、ペイパルで仮想通貨を売買できるという報道が目立ちますが、Paxos(PAX)というUSDのステーブルコインを発行する企業と共同で事業参入となるようです。
おそらく、BTC/Paxosので決済価格が決まるような仕組みを取るのでしょう。
Paxosの時価総額はまだ250億円程度と規模が小さなステーブルコインですが、これから流動性が大きく向上する可能性があります。実需利用でも、将来的に非常に大きなポテンシャルを秘めていると思います。
ステーブルコインは未だにテザー(USDT)が圧倒的ですが、USDCやTUSDもありますし、何よりステーブルコインは米国産でなければ存続が難しいのではないかと筆者自身は感じています。テザーは、ずっと問題が山積みですし、いずれは国際的に禁止されていくのではないでしょうか。
ビットコインは年初来高値を更新
ペイパルの報道を受けて、ビットコインは130万円台から138万円台へ上昇し、年初来高値を更新しました。
ここから上は2019年の高値まで目立った節目がありません。ここまでビットコインは、15万円刻みでレンジ相場を形成してきましたので、そこから考えられる次のターゲットは145万円前後でしょうか。
◇ビットコイン(BTC/JPY)日足チャート
TAOTAOのポジション動向を見ると、130万円以下でつかまっているポジションが200BTC以上あります。
仕留めたい! https://t.co/X5LD3iNJSn
— ひろぴー (@hiropi_fx) October 21, 2020
これらの買戻しや、年初来高値更新のインパクトもあり、浅い押し目は買われやすい相場となるのではないでしょうか。