3月12日に米国市場でビットコインは大きく上昇。午前8時過ぎには630万円を付け、史上最高値を更新しました。
ビットコインの時価総額は117兆円に増加しており、仮想通貨市場全体の時価総額は190兆円にまで膨らみました。
ただし、昨日のビットコインの売買代金は6兆円程度、仮想通貨市場全体でも15兆円足らずと少し盛り上がりに欠けているようです。取引所同士の価格差も1万円程度ですから、過熱感はないといえます。
さて、この背景には株価の上昇があります。
3月に入ってからのビットコインとNYダウの相関性は高くなっています。一般的に相関性が高いと言われる係数の0.7を超えるときも珍しくありません。
◆ビットコインとNYダウの相関
出所:トレーディングビュー
今回の株価上昇の理由はいくつかあります。バイデン大統領が1兆9000億ドル規模の追加経済対策法案に署名し成立したこと。長期金利の急激な上昇による一時的なショックから市場が立ち直ってきており、長期金利の上昇もいっぷくしていること。そして、新規失業保険申請件数を見ても、予想以上に改善してきており、ワクチンの接種率が30%に迫る米国の景気回復への期待が高まってきていることが背景としてありそうです。
先週の暴落が嘘のように、11日の米国市場でNYダウとS&P500は市場最高値を更新。急落が目立っていたテスラやアップルなどの銘柄も持ち直しており、ナスダックは2.5%を超える上昇となっています。
バイデン大統領は、米国の全成人が5月1日までにワクチン接種できるように州に指示を出しているようで、世界でも英国(36.1%)に次ぐ接種率の高さを誇っています。
出所:日本経済新聞
今の株式市場は金融緩和に頼らない業績相場に移行している最中だと思われます。そのため、ワクチンの接種率や経済指標が好転しているかどうかで景気回復期待の高まり、株価を左右し、それがビットコインの先行きを占う指標となるのではないでしょうか。