過去1年間で、コロナショックの最安値(41万円)からビットコインは16倍以上に上昇しました。
昨年10月から上昇トレンドは継続しており、恐らく3月も陽線で引け6カ月連続陽線となりそうです。これは2016年以降、最長となります。
こうしたなか、迎える4月は過去4年間で4回とも上昇。平均上昇率は30%以上となっています。これをそのまま当てはめると、600万円から780万円以上にまで上昇することになります。
マイニング市況が好転する時期であったり、5月には仮想通貨・ブロックチェーンで世界最大のイベントであるコンセンサスを控えているということもあり、ファンダメンタルズも伴う時期です。
今のビットコインに死角はないのでしょうか。
そんな状況だからこそ覚えておいてほしいのが、ビットコインは過去4年間において毎回高値から半値まで下落しているという事実です。
▼過去4年間の高値からの下落幅
2017年:238万円 → 64万円 174万円下落
2018年:94万円 → 35万円 59万円下落
2019年:150万円 → 70万円 80万円下落
2020年:115万円 → 41万円 74万円下落
それぞれの年に何があったのか、振り返っておきましょう。
2017年 仮想通貨バブルの崩壊
2017年は仮想通貨が投資先として認識され大きく上昇。年末になると、インフルエンサーや大手取引所のテレビCMもあり、仮想通貨の上昇に拍車が掛かりました。カフェに入っても、道を歩いていても、あちこちで仮想通貨の話題が聞こえてくる状況で、投資を始めて行う人や、ビットコインが何か良よく分かっていない人でも投資を行っていました。
最終的に「買うべく人は皆買った」という相場となり、買い手がいなくなったために大きく暴落。そこに、大手交換業者の資産流出事件が追い打ちをかけるという事態も発生しました。
2018年 ハッシュ・ウォー
この年、業界を震撼させた話題はビットコインキャッシュのハードフォークを巡ってマイナー同士が対立したハッシュ・ウォーでしょう。
ハードフォークの際に合意を得られずにビットコインキャッシュは、オリジナル(BCH)とビットコインSV(BSV)に分裂。ハッシュレートが不安定になったことから、ビットコインの取引にも影響を及ぼし、価格は急落しました。
2019年 ビットコインETFは承認されず
2019年はビットコイン復活の年となりました。
年初から、ヘッジファンドの参入が目立ったことや、日本の交換業者登録の再開、そしてBakktによるビットコイン先物の取引が価格を大きく押し上げました。
しかし、ビットコインETFが承認されなかったことや、Bakktのビットコイン先物の出来高が増加しなかったことから軟調な相場となり、ずるずると下落する展開となりました。
2020年 コロナショック
年初から半減期を材料としてビットコインは強含み、1カ月半で40%以上も上昇しました。しかし、新型コロナウイルスが蔓延し金融市場を直撃すると、仮想通貨市場は崩壊。ビットコインは高値から半値以下となる41万円まで大暴落となりました。
しかし、株式市場の反転とともにわずか1週間で90%もの反発を演じました。
さて、今後の相場はどうなるのでしょうか。
記事執筆時点の価格は610万円となっており、ここから半値になるとすれば305万円です。これは、2021年1月の価格となります。
一見、あり得ないように思えますが、相場はいつでも大衆の予想を超えて動きます。
アベノミクスが始まった時に、日経平均株価が1年間でほぼ2倍になることを予想できたでしょうか。
トルコリラが100円の時に、10数年で12円にまで下落すると考える人がどれだけいたでしょうか。
2021年に、ビットコインが600万円を超えることを、どれだけの人が思っていたでしょうか。
常にあり得ないような事態が起こると想定しておくことが、相場と長く付き合うためのコツだと筆者は考えます。
株価動向次第か
さて、ここ最近のビットコインは、株式市場との相関性が高くなっています。3月半ばから先週にかけて株が下落した際に、ビットコインは672万円から550万円まで122万円の下落となりました。NYダウは3%程度の下落で、ビットコインは20%近く下落しており、変動率は7倍ほどとなっています。
これを基準に考えると、NYダウが7%ほど下落するとビットコインの半値押しはあり得る計算です。
相場が好調な今だからこそ、ビットコインの暴落を視野に入れることを忘れずに覚えておきたいですね。