本日12時30分、国内取引所大手であるbitFlyerのサービスである Lightning FXが現物価格との差が10%以上ある場合において、「SFD」を導入予定であることを報じました。
以下、内容を抜粋し掲載。
◇Lightning 現物(BTC/JPY)と Lightning FX の価格乖離の縮小を目的とした「SFD」導入予定についてのお知らせ
Lightning FX をお客様に安心してビットコイン取引を出来る場としてご利用いただくため、Lightning 現物(BTC/JPY)とLightning FX の価格乖離の縮小を目的として、1 月中を目処に「SFD」の導入を予定しております。
SFD とは、「Swap For Difference」の略称で Lightning FX に適用されます。
価格乖離が 10% 以上になった場合には、価格乖離が拡大する方向の約定をされたお客様から約定金額(日本円)に応じた SFDを徴収し、縮小する方向の約定をされたお客様に SFD を付与いたします。徴収・付与する金額は約定金額(日本円)に対して、約定時の価格乖離の程度に応じて決定される SFD 比率を乗じて算出されます。
例: Lightning 現物(BTC/JPY)(最終取引価格:2,000,000 円)が Lightning FX(最終取引価格:2,300,000 円)対比 15% 高く乖離しているときに Lightning FX で 1 BTC/2,300,000 円(Aさん買い、Bさん売り)の約定が発生した場合の SFD 額について
Aさん:建玉決済時に、23,000 円を SFD として徴収
Bさん:建玉決済時に、23,000 円を SFD として付与また、Lightning FX の取引画面にて価格乖離率を確認できるようにいたしました。
当社が定める比率は下記ご参照下さい。
SFD の算出に用いる比率:
①10%以上15%未満:0.5%
②15%以上20%未満:1.0%
③20%以上:3.0%
出所:bitFlyer
この発表の直後に、FX価格は190万円付近から180万円台まで急落し、一時注文が受け付けられないほどとなりました。
出所:bitFlyer
そのそもなぜ価格差は広がったのか
bitFlyer FXは2015年11/24からあるサービスで、基本的にはビットコイン価格に連動していました。
FXはレバレッジが掛けられることにより、取引高は国内の70%ほどを占めるほどで、10月時点では cryptcompareに以下のように表示されていました。
出所:cryptcompare
全ての国内取引所のデータを主尽くしていないようなので、正しいデータとは言え無さそうですが、マーケットシェアを取れていることが分かります。
以前から価格差はありましたが、基本的に1万円程度。1.5万円まで広がれば「今日はかなり広がっているな」というレベルでした。しかしながら、2017年12月に状況は一変。ビットコインFXの認知度が高まり、同時にビットコインが100万円台に乗せたことにより新規参入者が殺到。ビットコインの上昇に乗り遅れまいと、多くのトレーダーがFXで成り行き注文を連打。
その結果、一時50万円以上の価格差が発生する事態となりました。
そうなるとbitFlyerが現物とFXの価格乖離があることを問題視しはじめました。そして、筆者が知る限り過去に2度ほど今回のような制度の導入を検討していることを告知。その度に、価格は20万円ほど急落するという事態が発生していました。
今回、詳細が報じられたことで、この騒動はひと段落したことになります。
内容を見る限りでは、価格乖離が10%以上の場合に0.5%を支払うというのはトレーダーにとってかなりのリスクとなります。
例えばビットコイン価格が170万円の場合に、187万円以上であれば価格乖離率が10%を超えることになります。
その状態で新規の買いポジションを取った場合に、9350円を支払うこととなります。(相対のトレーダーはその金額が付与)
そうなると、レバレッジ10倍で取引していた場合の必要証拠金は18.7万円ですから、その瞬間に証拠金の5%が消滅するというトレーダにとってはかなりの痛手となる仕組みということが分かります。
記事執筆時点で、現物とFXの価格差は11%あたりで推移していますが、この制度の導入は1月中を予定していると書かれています。
さらにビットコイン価格が下落基調である現在、この価格差は現物価格に連動しながら縮まっていくのではないでしょうか。
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