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芝犬VS柴犬の行く末は?~暗号資産マーケットウォッチ・Weekly(10/30号)

筆者: 鳳ナオミ

~芝犬(DOGE)VS柴犬(SHIB)の行く末は?~

<解説及び着目点>

10月第4週の暗号資産売買マーケットは、ビットコインETF(上場投資信託)承認及び上場の余韻も、バイナンスUS(取引所)のあや(フラッシュクラッシュ)から勢いを削がれた形となり、その後も反発力の乏しい展開となっています。

ビットコイン価格上昇の構図=①「期待インフレ率の上昇」+②「BTC先物ETFの上場(承認)期待」+③「ニューマネー流入」+④「α」

暗号資産調査会社のコインシェアーズによれば、10月第3週の暗号資産ファンドの資金流入量は、調査以来最高の14.7億㌦(99%がビットコインファンド)に達したと発表しました。

ETF上場が直接的なニューマネー流入に繋がり、それまでの上昇に寄与したといえますが、①~③項が寄与したのは第3週までで、第4週以降はプラス要因とはならず、むしろ第④項の「α」ファクター(換金需要、他市場要因、テクニカル指標、マクロ経済要因等々の要素)がマイナスに寄与した格好と言えます。

一方、ビットコイン以外の暗号資産(アルトコイン)は、ビットコインの動きにはさほど連動せず、アップグレード実装(アルタイル)が成功したイーサリアム(ティッカー:ETH)が高値保ち合いを続けた他、ドージコイン(ティッカー:DOGE)など一部ミーム銘柄が、独歩高となるなど、ビットコインとアルトコインでは様相が異なった週だったといえます。

ミームとは、インターネットを介して人から人へ拡大していくことを意味する俗語で、いわゆるインターネット上での“ネタ”です。
アイデアや行動、スタイル、慣習などを指すことが多く、暗号資産ミーム銘柄としては、芝犬をモチーフにしたビットコインのパロディ版のドージコイン(DOGE)が有名で、このDOGEに対抗する暗号資産として生まれたシバイヌ(SHIB)が急上昇しています。

いずれも米テスラ社CEOのイーロンマスクが「コインを持っている、持っていない」の発言程度で乱高下してしまう暗号資産ですが、その時価総額ランキングが全暗号資産中上位10位内に入っている事が驚きです。投資アプリのロビンフッド経由の取引が中心とみられ、その両者の時価総額競争が熱を帯びています。

JDR.株式会社で算出しているJDR.Index(ジェーディーアールインデックス)は暗号資産マーケット全体を観察する指標として便利で、同指標の10月第4週のパフォーマンスは-0.2%と横ばいとなっています(チャート参照)。ビットコイン単独では-6%となっています。

JDR.が個別で格付け(レーティング)しているコイでは、ポリゴン(ティッカー:MATIC/+35%)や、ミームのドージコイン(同:DOGE/+22%)の上昇が目立ちました。

11月1週(10/30~)の注目ポイントを観たい方はこちら(ドージ、シバイヌの行方)からご覧いただけます。

それでは、今週の暗号資産マーケットに関連する主要な出来事及び相場回顧、そして翌週の注目点をピックアップします。
(対象期間:前週金曜午後~金曜日午前)

<主な出来事、要人発言、事業会社発表など>

10月23日(土)~10月25日(月)

👉米FRB 議長、「テーパリング時期が来たが利上げは時期尚早」

👉ヘッジファンドのチューダー、「金はインフレヘッジとして暗号資産との競争に負ける」

👉ナイジェリア、月曜日にCBDCローンチ

👉コインマーケットキャップがハッキング、310万人ユーザーのメールアドレス流出

👉JPモルガン、BTC価格上昇を牽引したのはETFではなくインフレ懸念

👉ヴァルキリーのBTC先物ETF、取引開始初日の取引高は7800万ドル

👉ツイッター社CEO、「ハイパーインフレーションは起こりつつある」

👉イーロン・マスク氏、「SHIBは持ってない」

10月26日(火)

👉10月3週の暗号資産ファンドは14.7億㌦の記録的な流入超(2週は0.7億㌦)

👉米SEC会長、「BTC/ETFは投資家保護が優先」、現物ETF承認は先

👉米シティバンク、デジタル資産の決済インフラ構築中

👉マスターカード、デジタル資産プラットフォームのバックトと協力し、決済ネットワークに暗号資産の統合準備を発表

👉韓国教師信用組合、ビットコインETF投資を計画

10月27日(水)

👉BTC、ホルダー上位1,000人で15.9%、上位10,000人で26.5%が支配する商品で依然中央集権的と指摘(NBER)

👉テスラ社、暗号資産での決済再開の可能性に言及

👉米SEC、今週、ステーブルコイン規制に関するレポートを発表か

👉韓国教師信用組合、BTC/ETF投資計画の報道を否定

👉米資産管理会社ウィズダムツリーのコモディティETFに、BTC先物も組み入れ

10月28日(木)

👉イーサリアム、アップグレード実装(アルタイル)完了

👉レバレッジETF等提供するダイレクション、BTC先物ショートETFを米SECに申請

👉カナダ中銀、量的緩和終了、利上げ時期見通しを前倒し

👉インフレ防御ETF、10月は過去最高の資金流入に(年金基金及び個人)

👉ブラジル中銀、政策金利を7.75%に引き上げ

10月29日(金)

👉米マイクロストラテジー「今後もビットコイン買増し」

👉ボルトエクイティ社のBTC連動型ETF、NYSEで取引開始

👉米SEC、レバレッジ型BTC/ETFは承認しない見込み

👉ロシア、暗号資産に対して厳格な規制を維持

👉インド政府、暗号資産の規制を検討

👉日銀総裁、「他国中銀の緩和縮小、日本の金融政策に影響しない」


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※本資料は、暗号資産の参考となる情報提供のみを目的としたものです。投資に関してはご自身の判断でなさいますようにお願い申し上げます。本資料は、筆者が各種メディア報道、事業会社アナウンス、要人発言などより抜粋し、作成しておりますが、その情報の正確性、完全性を保証するものではありません。
また、本資料に記載された意見や見通し等は、今後、予告なしに変更されることがあります。

鳳ナオミ

鳳ナオミ

大手証券アナリストとして10年以上経験後、リスクモデルを駆使する絶対収益追求型運用(プロップ)に従事、ボトムアップとトップダウンアプローチを得意とし年平均+15%以上のリターンを実現。その後オルタナティブ投資、ファンド組成、企業再生に取り組むなど多岐に渡る金融経験を持ち、現在はクリプトの世界に。日本初のデジタルマネー格付け及びインデックスを提供する「JDRpro.」の運用責任者も務める。

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