2月4日に発表された米国雇用統計では、非農業部門雇用者数が46万7000人増と予想(12万5000人)を大きく上回ったことから、ドル円は上昇。NYダウは乱高下の末に小安く引けたものの、ナスダックが1.5%ほど上昇したこともあり、ビットコインは高値を更新。今日は496万円まで上値を伸ばしています。
この他にも、デジタル人民元のオリンピック会場での利用や、ロシアの仮想通貨(暗号資産)規制の好転が相場を押し上げたと考えられます。
デジタル人民元の普及へ
北京オリンピック開催に際して、中国で実証実験中のデジタル人民元が利用できるようになっているようです。なお、オリンピック会場内では、アリペイなどの従来のQR決済が利用できないそうです。
参考:五輪会場で「デジタル人民元」アピール 海外普及も狙いか
また、国際放送センターでは、カード式のデジタル人民元の発行も可能で、外貨を入金し両替することでデジタル人民元をチャージし利用するそうです。
海外からの選手やメディア関係者の利用状況は伝わっていません。しかし、ミネソタ州選出の下院議員のトム・エマ―氏は「いかなるデジタル人民元も受け入れてはならない」とアメリカの選手に向けてツイートしており、この動きをけん制していることが分かります。
ロシア、仮想通貨は禁止ではなく規制へ
同日、ロシアで大きな動きがありました。
ロシアのアントン・シルアノフ財務大臣は、仮想通貨を禁止するのではなく規制する方向性であるという財務省の考えを首相へ書簡で伝えたそうです。
ロシアでは、仮想通貨の承認も禁止も決まっていないという状況にあります。
最近になり、マイニングは承認し取引は禁止であるといった観測が流れていただけに、取引が合法になる方向性はポジティブです。
なお、ブルームバーグによると、ロシア人による仮想通貨の保有金額は2021年末時点で約23兆円規模に上る可能性を報じています。
一方で財務大臣によれば約3兆円、ある議員によると約7兆5000億円という見積もりもあり、これにはバラつきがあります。しかし、時価総額の1%から最大10%超もの仮想通貨を保有しているロシアの動向は無視できません。
インドでも仮想通貨に関する規制進展する見通しで進んでいるようですから、この2カ国の規制次第で相場が大きく盛り上がる可能性があるといえます。