こんばんは。
菅原文太です。
先日、ZaifとbitFlyerがビットコイン送金料の引き下げを発表しました。
これまで多かったビットコインの取引所間取引が減少し、ネットワーク混雑が解消したためです。
仮想通貨界では、「未承認トランザクションが減った」という言い方をしますので、本コラムでは以降トランザクションと呼びます。
ちなみにZaifは今回の引き下げについて、bitFlyerよりも早く告知・実施をしています。
それでは両社の改定表を見てみましょう。
1.各社の料金改定内容
1-2.Zaif
通貨 | 改定前 | 改定後 |
Bitcoin | 標準手数料0.001BTC | 標準手数料0.0005BTC |
最低手数料0.0005BTC | 最低手数料0.0003BTC |
出所:Zaif
1-1.bitFlyer
優先度 | 改定前 | 改定後 |
普通 | + 0.0000 BTC | + 0.0000 BTC |
やや高い | + 0.0002 BTC | + 0.0001 BTC |
高い | + 0.0004 BTC | + 0.0002 BTC |
最高 | + 0.0010 BTC | + 0.0005 BTC |
出所:bitFlyer
両社ともほぼ半額になっていますね。
なぜこれまで多かったトランザクションが減少したのでしょうか。
2.多かったトランザクションが減少した理由を考える
まず、これまでトランザクションが多かった理由からお話します。
昨年、仮想通貨が世界的に流行してビットコイン価格が大きく上昇した事は記憶に新しいと思います。とりわけ日本と韓国では仮想通貨熱が強く、他国と比べて高値で取引されていました。
このため取引所間の価格差で利益を得るアービトラージが増えた事が、トランザクションの増加(ネットワーク混雑)に繋がったものと考えられます。
ネットワーク混雑によって、送金遅延や手数料の高さが問題視され、ビットコインの通貨としての存在意義が問われました。
そして、年末年始に日本で「出川ショック」、韓国で「キムチプレミアム終了(※)」が発生した事によって全体的に市場が冷え込みました。
こうして取引所間の価格差が縮小してアービトラージが減った事で、トランザクションの減少(ネットワーク混雑の解消)に繋がったのではないでしょうか。
もしまたビットコインが急騰して取引所間の価格差が開いたら、今度は「送金料の引き上げ」が発表されるでしょう。
※韓国のビットコイン価格が高かった事。韓国の人々が呼び始めた。
2-1.そもそもトランザクションの増減でなぜ送金負担額が変動するか
ビットコインのネットワークは、マイナーと呼ばれる人々がマイニングをする事によって回っています。マイニングは報酬と引き換えに行います。
つまり、ビットコインの送金負担額と言うのは基本的にbitFlyerやZaifに係るものではなく、「マイナーに対して支払う報酬」に係っています。
マイナーは基本的に「稼ぐためにマイニングをしている」ので、ネットワーク通常時は安い料金でもマイニングしてくれますが、トランザクション増加によりネットワークが混雑してくると、「より報酬が高い順にマイニング処理をしていく」ようになるのです。
仮想通貨取引所では、顧客サービスの観点から「ビットコインを送金したけどいつまでも着金しない」という事態は避けたいので、ネットワーク混雑状況によってユーザーに求める手数料を変更している訳です。
2-2.トランザクション量は個人で確認する事ができる
こちらにビットコインのトランザクション状況を確認するサイトがあります。よろしければ参考にどうぞ。
↑の画像について、左上の数字が現在送金処理待ちの件数となります。
その時々で事情が異なるため一概には言えませんが、世間一般的な目安としては大体「1万件以下ならスムーズ。すぐ送金されそう」「10万件以上なら混雑。時間かかりそう」という感じです。
10万件以上だった場合に、例えばbitFlyerだったら優先度を高めに設定すれば早めに届く可能性が高まるのではないでしょうか。
なんともややこしいですね。
今回2社の手数料引き下げについてお話をしましたが、他の仮想通貨取引所であるBITPointでは、そもそも「ビットコイン送金が完全無料」です。
3.BITPointはビットコイン送金完全無料
こちらの記事の最後の方にも書かれていますが、BITPointではビットコイン送金が完全無料にしています。
さらに、ネットワーク混雑時でも時間が掛からないようマイナーに支払う報酬を調整しているのだそう。
手数料も何度も払っていると馬鹿になりませんから、こういったサービスは非常に嬉しいですね。
それでは。