ビットコインは仮想通貨(暗号資産)の筆頭格で、今もなお時価総額で断トツの1位です。そんなビットコインは価格の高さゆえにマイニングの競争も激しく、個人レベルで報酬を得るのは困難だといわれています。
そんなビットコインの世界において、なんと個人のマイナーがブロックの生成に成功し、2,000万円以上の報酬を手にしたというニュースが流れました。事の詳細と、なぜそんなことができたのかという点を、少し深堀してみましょう。
個人マイナーが6.25BTCの獲得に成功
2023年8月、X(旧ツイッター)に「個人マイナーがブロック生成に成功し、6.25BTCを獲得した」「個人マイナーがブロック生成に成功したのは277人目だ」といった内容の投稿が上がりました。この当時の時価で計算すると、日本円で約2,400万円。なんとも羨ましい話ですが、この人は他の人と特に変わったことはしておらず、標準的な個人マイナーです。
この人のハッシュレート(マイニングの計算能力)は1ペタハッシュで、それほど飛び抜けた能力でもありません。このクラスの個人マイナーがビットコインのブロック生成に成功するのは、7年に1回あるかないかというレベルだそうです。なんとも羨ましい話です。
近年ではビットコインのマイニング難易度が急上昇中
一時期は難易度が低下していたものの、仮想通貨の雄であるビットコインのマイニング難易度は近年再び急上昇しています。この世界はとても分かりやすく、市場価格が高くなるとマイニング報酬を狙ってマイナーが殺到するため、競争が激化します。
ビットコインにもこれと全く同じ現象が起きていて、近年の価格高騰の影響を受けて再びマイナーが殺到しており、ハッシュレートはどんどん高くなっています。
ちなみに、この277人目のブロック生成に成功した個人マイナーは、「Antminer S17」というマイニングマシンを10台程度使ってマイニングをしていたのではないかと推測されています。この時点で個人マイナーと呼んでいいのかという疑問も生じますが、今どきのビットコインマイニングはこれだけのマシンリソースが必要だということです。
法人レベルのハッシュレートはさらに莫大
この277人目のブロック生成に成功した個人マイナーの規模が、果たして個人と呼べるのかと述べました。法人企業が行っているマイニングリソースはこれよりも桁違いの能力を備えています。1ペタハッシュは1秒回に1,000兆回の計算ができるという単位ですが、法人レベルのマイニングは1秒間に100京回という、天文学的なマシンパワーでマイニングに臨んでいます。
こんな世界に個人で飛び込んでマイニングに成功したのですから、この人の幸運さがいかに突出しているかが分かります。
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